2012/01/02

ADV雑感:遥かに仰ぎ、麗しの

 06年11月に発売され、美少女ゲームアワード(現:萌えゲーアワード)2007でトップに輝いたPULLTOPの作品。
 ずーっと前にニコニコでプレイ動画(無論今は削除されてます)をチラ見して以来ずーっと気になり続けていたのを、よーやくプレイしてみた罠。但し評判の良い本校系のみだがねー。

 てなわけで、以下感想文。
 ただしちょっと興奮&支離滅裂気味なのは御勘弁下さい。だって面白かったんだよホントのホントに…


 …………やべえ、自分何故此程の良作を今の今までプレイしとらんかったんやねんな!?orz
 くそう、不覚にもエロゲで泣かされたっ……! マジ純愛過ぎてもうね、もうね……!(悶

・みやびー&リーダさん
 みやびちゃんまじぷりちー。リーダさんマジメイドさん。
 萌えた。すげえ萌えた。超ほっこりした。確実にダントツで良い子達だった。特にりじちょーホント可愛い。
 第四章の高台での涙は思わず此方も泣いた。BGM(「星空と潮騒と」)の相乗効果で涙腺緩みまくった。
 兎に角好意がストレート。超真っ直ぐ。ド直球で剛速球。脅迫の裏の真実知ってからのデレ期はマジでにまにま出来る。お見合い破談後のイチャイチャとかもう堪りませんwwww「つかさー」という甘えた呼び声に何度頭くらくらしたことか……北斗さんホント良い仕事してます。萌え~。

・殿ちん
 良く出来た子。優しい子。でもだからこそ、抱え込んでしまう子。とても良い子なんだけど、しかし良い子過ぎて、自分をがんじがらめにしてしまった。しかしそれは、それだけ彼女が司を想っていた証左でもあるワケでして。
 司を深く深く愛するが故に、彼を傷付けたくなくて、重荷を全て持っていこうとした。遠ざけようとした。……でも強く想うが故に、遠ざけること、離れることなんて出来なくて。
 賢くて、物分りが良くて、頑固で、とても一途で、欲張りで。初めは司に父性を「求めて」いたはずなのに、彼を一人の男性として愛するようになると、司も言っていたが無尽蔵に「与えて」しまうようになってしまった。
 ……まあ何だかんだ言って結局、自分はみやびーが一番ぷりちーと思ってしまったのだが、しかし殿ちんの「司の為なら自分を犠牲にしたって良い」という強い愛情は、やっぱりとても魅力的だと思ってみたり。殿ちんホントに良い子です。

・しのしの
 反転衝動、と言う一言に尽きる。初めは司を憎んでいて、でもそれがある日を境にくるりとひっくり返って、それまで抱いていた身を焦がしかねない程の憎悪は、そのまま溢れんばかりの愛しさにとって変わってしまった。
 彼女のルートは、多分本校系の中では一番「成長」という二文字が似合う話だと思う。対人恐怖症を抱え、ずっと殿ちゃんだけを心の拠り所にしていたはずの彼女は、司を憎むという行為を切っ掛けに、とても大きく成長する。
 しのしのと司は、それぞれ「愛しくても触れられない」「愛しいからこそ触れられない」という欠点を持っている。似ているように思うが、しかしその実全然違う。後者、つまり司のは完全に逃げで、しかし前者――しのしのは逃げているというわけではない。どちらもトラウマという点では共通しているのだが…
 個人的に、しのしのはえちぃシーンがとても印象的だった。特に二回目。「愛しくても触れられない」という欠点がくるりと裏返ったかのように、司に触れること、司に触れて貰うことを求めてしのしのがむっちゃ乱れる辺りは何故かとてもほっこりした。回数が本校系で最多(二回。みやびーと殿ちんは一回きり)だったのは多分、対人恐怖症故に、また司のトラウマから来る喪失の恐れ故に、ずっと触れ合うことの無かった二人の「触れ合い」を印象づける為なんじゃなかろうか。
 おどおどキャラに見えてその実、意思の力だけで対人恐怖症を抑え込み、しかもその上で司の「愛しいからこそ触れられない」と真っ正面からぶつかるなど、その実とても芯の強い子。そして赤面顔に萌えたのは秘密です。可愛いよしのしの。
 因みにしのしのルートのエンドはかなり笑える仕様だったww真逆あんな円満な終わり方すると誰が思おうか。じっちゃんばっちゃんホント良い人過ぎるぜ…

・司
 教師の鑑、と言いたいところだが、…………そも女学生と恋仲になっちまう辺りとてもそんな鑑とか言えな(ry
 「誰も見捨てない」「絶対に裏切らない」をモットーにする誠実で頼もしい好人物だが、生みの親に捨てられたという辛い過去が非常に重いトラウマになっており、どのルートに於いても必ずこれが問題の一つになっている。そもさん、誠実で頼もしいというのがこのトラウマから来る一種の反転衝動みたいなモノだったりするのだが。
 まあそれでもとても優秀な教師かつ魅力的な男性であることに代わりはなく、みやびーも殿ちんもしのしのも彼のおかげで随分変化、ないしは成長するのよなー。批評空間で素敵タグがいっぱい付いているのもよく分かる。抱えるトラウマも分からんでも無いしねえ…

 このゲーム、何が良いかって兎に角音楽が良い。特にえちぃシーンで必ず使われる「星空と潮騒と」は最強レベル。泣き所とか感動的な場面でも使われる為、コレ聞いただけで思わず涙腺が緩み掛けることもあったり。
 他にもタイトル画面の「凰華」、日常シーンで流れる「風薫る朝」や「貴女とお茶を」、ギャグやドタバタ用として「やんややんややんや!」「御免あそばせ」等、ひたすら楽曲が優秀すぎる。OPの「風のRhythm」、EDの「with a smile」も雰囲気が良く、ケチを付けるところが殆ど無い。初回限定版付属サントラとかコレ絶対宝物にすべきだと思う。因みに自分は流石に入手なんて無理だったので友人に借りた。HD595やER-4Bで聞くとしばらくトリップ出来る。
 今んとこ本校系しか分からんがテキストも優秀。非常に読みやすく、読み疲れしない。話がヒロイン視点でかなり進行するのも個人的にドンピシャ。司視点だけ、ってよりも心理描写の点で分かりやすくてホントに良い。

 キャラ可愛いし、音楽最高だし、シナリオ良い仕事してるし、総じて07年美少女ゲーアワード大賞受賞作という肩書きに全く恥じない作品だと言い切れる。純愛求めるなら是非プレイしてみて欲しい。ライター違うせいで分校系があんま評判良くないようだが、自分としては本校系の三人だけでも十分満足出来る。ホントに良かった。その内分校系もやるだろうが、まあ当分お預けかねー。
 ああもう、ホントに良い純愛&成長物語だった。プレイしててほっこり出来る、癒し度の高い超良作です。オススメ。

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