2020/04/10

スマートフォンゲーム雑感:アズールレーン 演習環境について

 前回の記事で駄文を綴ったアズレンだが、演習に対する不満は前回散々書き殴ったので、今回は昨今の演習環境について書いてみようかと。

 現在の演習を席巻している編成として、先日は「天龍門(とその派生)」「ウォスパロイヤル」「長門一航戦」の三編成を挙げた。実際、例えレベル120好感度200のキャラを六人フルで並べていても、スキル・装備面で何のシナジーも考えられていない編成では、此等の強編成を迅速に撃破することは先ず無理と言っていい。
 演習ではキャラのレベリングやスキル強化、装備強化といった「個の戦力」だけでなく、スキルや装備のシナジーまで含めた「戦術」がモノを言う。その点、先の強編成は本当に良く噛み合っており、ぶっちゃけミラー(※相手と同じ編成のこと)を使うのが最も手っ取り早い攻略法とまで言われる始末である。
(尤も、ミラーを使うという選択はアズレンの演習が「攻め側にプラス補正が掛かる」仕様になっていることを考慮すれば、非常にシンプルかつ確実な勝ち筋なのだが)

 演習で主に用いられるキャラは何れも大変強力なステータスないしはスキルを保有しており、特に昨今の演習環境では幾人かキーパーソンとすら呼べる者も居る。
 例えば、

・天城
 「天龍門」編成の要の一人。敵全体の攻撃面に作用するデバフと、味方主力艦への炎上ダメージ及び回避率へのバフ、更に主砲攻撃時の特殊弾幕スキルを備える優秀な巡洋戦艦。バフデバフによる支援と特殊弾幕による攻撃を両立しており、対峙するならば速攻で潰しておきたい難敵。

・ウォースパイト改
 改造前は実艦の戦歴に見合わぬ性能だったが、改造によりステータスとスキルが大幅に強化されたことで現在は最強クラスの戦艦として君臨している。敵主力艦へダイレクトに痛打を叩き込んで逸早く一人落伍させられる、極めて強力な対主力スナイパー。改造に専用のユニークアイテム(※期間限定入手)を要するのが最大の欠点。

・雪風
 防御スキルとズバ抜けた運により、非常に優れた生存性を誇る駆逐艦。味方主力艦への防御バフをも備えるほか、攻撃性能も悪くないという万能っぷり。前衛艦は演習に於いて敵主力の攻勢を引き付けるデコイめいた役割も担っているため、雪風が居るだけで自主力の生存性が大きく変わり得る。

・オーロラ
 その回避性能から演習でも重用される駆逐艦・軽巡洋艦の「最終回避率」を二割もダウンさせるという強力なデバッファー。敵前衛の迅速な撃破は演習の勝敗を強く左右するファクターであり、そこに強く絡み得るオーロラを編成に組み込む意義はデカい。

・ジュノー
 自身が撃破された際に残された味方の損傷を大幅に回復させるスキルの持ち主。ステータス自体は砲火力・雷撃共に大したことはないが、対空値はかなり高めでスキルと合わせて護りに特化したキャラ。持久戦の要中の要。

・飛龍改
 「天龍門」編成の要の一人。改造前から保有している自己蘇生&逆襲スキルが最凶の遅延行為として名高い。改造によりステータスが向上、更に定時(20秒毎)攻撃スキルが付与され攻撃性能が大幅に増したことで、防衛編成への採用率が鰻登り。

 この六名は演習への採用率がかなり高く、出来れば全て揃えてしっかり育てておきたい。何れもそのユニークさから陣営問わず演習用編成に組み込んで使っていけるくらいなので、優先度高め。
 その他、演習で有用なキャラとして、

・長門
 「天龍門」編成の要の一人。現時点で重桜に二人居る陣営バッファーの片割れ。単純にステータスが優れているだけでなく、優秀な陣営バフスキルに加えてやや低確率ながら抜群の破壊力を誇る特殊弾幕スキルもあって、敵に回すと本当に面倒極まりない。重桜を主とした陣営統一編成での旗艦採用率は文句無しトップのはず。

・セントー
 正規空母に匹敵する航空機展開能力(戦闘機4攻撃機4)を、カテゴリならではの高装填で回せる軽空母。航空攻撃時に強烈な鈍足デバフ効果の乗った攻撃機を追加するスキルを持ち、敵前衛を高確率でその場に縫い止められるのが強力。但し、防衛編成ではスキルが上手く働かないため攻め専用。

・大鳳
 ややムラっ気はあるが、上手くハマればスキルで一度に多量の航空機を展開出来る装甲空母。防御スキルにより榴弾や航空攻撃への耐性が高く、旗艦配置にしても思いの外耐えてくれるのは心強い。航空攻撃と装甲防御に特化しており、制空面はそれなりな点に注意。

・フォーミダブル
 航空攻撃発動時に敵の動きを瞬間的とはいえ完全停止させるというとんでもないスキルを保有し、上手く航空攻撃や戦艦の砲撃、前衛の雷撃等を同期させることで敵前衛を一息に消し飛ばすことが可能。その他、浸水付与や自主力ダメージ軽減など中々有用なスキルを併せ持っているが、装填値と制空力が低い点には気を付けたい。

・一航戦(赤城・加賀)
 「長門一航戦」編成の要となる空母姉妹。航空攻撃の装填時間を初回分に限り大幅短縮するスキルにより逸早く猛攻を掛けられるのが最大の強み。天龍門やウォスパロイヤルが台頭したことでかつて程の存在感は無くなったものの、生半可な編成では太刀打ち出来ないのは今でも変わらない。しかも意外と防衛採用者が多いので、対策必須。

・クイーン・エリザベス(QE)
 火力・雷撃・航空・対空・装填・回避の全六種ものステータスを最大15%も引き上げるという無茶苦茶な陣営バフを有しており、しかも旗艦配置を発動条件としないという嬉しいオマケ付き。特殊弾幕・砲撃こそ持ち合わせていないものの、バフにより素のスペックが引き上げられる為使用感は良好。ロイヤル統一編成の要。

・シリアス
 防空艦ということで攻撃能力は程々だが、味方空母への航空バフに加え、味方全体に敵駆逐・軽巡・重巡への命中率バフを付与出来るスキルを備える。味方命中率バフ(敵回避率デバフ)の代表格であるオーロラに比べ上昇率(減少率)は控えめだが、計画艦に多い強力な重巡に対しても効果が見込めるのはメリット。空母主体の編成では必須級。

・神通改
 スキルにより駆逐艦と軽巡の雷撃に強烈なバフを掛けられ、開幕雷撃で敵前衛へ(稀に敵主力にまで)痛打を見舞える雷撃アタッカー兼バッファー。特にオーロラや一航戦とのシナジーは抜群で、一時はこの面子による超速攻編成が環境を席巻していた。バルジで対策すれば有利に立てるが、未だに思いの外リセを強いてくる辺り厄介さは健在。

 此処からは、完成までに多大な手間とゲーム内資源が要求される「特別計画艦」について。

・伊吹
 開幕魚雷装填数が二つという唯一無二のスペックを持ち、スキルで爆発的に強化された二連雷撃は敵前衛を初手から潰しに掛かれる程の破壊力を誇る。砲火力も悪くなく、前衛では屈指のアタッカー。但し耐久面はあくまでも重巡相応な点に留意されたし。

・ネプチューン
 徹甲弾バフによる攻撃性能と自己回復スキルによる継戦能力の攻守両面に優れた軽巡。スタンダードながら穴の少ない高水準なステータスの持ち主で、特に自己回復による継戦性は軽巡でもピカイチ。しかもこれでQEバフが乗るのだからたまったものではない。

・サン・ルイ
 重巡らしからぬ速力と回避性能に加え、主砲砲座+1のおかげで榴弾バフが乗った砲撃を二連射出来るというハイスペックな計画艦。重巡のデメリットを無かったことにしている重巡とも呼ばれ、耐久性の高さから演習では壁役として重宝する。

・モナーク
 演習に於いては同陣営の巡戦フッドのアッパーバージョン宜しく扱われている戦艦。フッドでは通常弾だった投射弾幕が徹甲弾になったことで対主力ダメージ効率が一気に向上しており、特にウォスパ改とのクロスファイアは強力無比。


 ――以上、この辺をキッチリ揃えてしっかり鍛えておけば演習でそれなりに戦えるようになるはず。
 しかし、何も考えずに上記のキャラから六人抜き出しただけでは常勝することは難しい。やはり、しっかりとキャラ間の相性等を考慮した編成が必須である。

 特に、現演習環境に於いて最大の鬼門となる「天龍門」は持久戦寄りの編成としてはある種完成されたシロモノで、コイツを安定して撃破出来なければ元帥を狙うのは大変難しい。上手く接待編成を連続で引き当てられればその限りではないが、運勝負なので安定は望むべくもない。
 重桜勢をメインに組むことで長門の陣営バフの恩恵を存分に受けられ、天城のバフデバフにより長門一航戦の重爆撃すら軽症で済ませ、飛龍は増加した手数とステータスでじわじわと相手を削り、自己蘇生ついでの逆襲空爆でトドメを刺しに来る。前衛は前衛で雪風や伊吹、オーロラやジュノーなど攻守両面で厄介な組み方をしていることが殆どで、このシナジーを突き崩さなければならない。……なんなんだこの無理ゲー。(棒読み

 ところで。
 天龍門には色々と派生編成があり、特に「龍」や「門」は他のキャラと交換しても構わなかったりする。飛龍を「狸」ことウォスパ改に替えて砲撃に特化させた「天狸門」はその代表格とも言え、対主力ダイレクトアタッカーであるウォスパ改の存在によりかなりの速攻力を発揮する。天龍門対策としてもそこそこ有効。
 また天龍門は確かに強力な編成なのだが、その厄介さは天城のバフデバフと飛龍改の自己蘇生+逆襲スキルによって支えられているので、どちらか一方を速攻出来るなら存外あっさり突破出来たりする。そういう意味でウォスパ改は天敵と言えるだろう。


 ――因みに。
 天龍門及び同派生編成は確かに演習に於いて強力な組み合わせだが、現在は更に上を行く編成が既に猛威を振るい始めている。

 それが、ただでさえ面倒な計画艦の中でも文字通りケタ違いの時間を完成に要する、「DR」の二名を利用した編成である。

・吾妻
 「巡戦が前線で暴れている」と形容される程の戦力を戦線に提供する「超甲巡」。前衛にあるまじき超高耐久、投射故にシールドが効かず炎上ダメージが痛い専用の榴弾砲、更に主砲砲座+1、ダメ押しに自己回避・命中バフ持ちときたもんだ。その耐久によって前線を長時間支え、敵前衛どころか敵主力まで容赦無く焼き尽くす圧倒的スペックは味方にすればこの上無く頼もしく、相手にすれば洒落にならん厄介さであろう。

・フリードリヒ・デア・グローセ(FDG)
 元々耐久に秀でたカテゴリにあって尚ぶっちぎりの超高耐久と最高レアリティに十分見合った砲火力を誇る戦艦。ただでさえ高いステータスが二種の自己バフで更に強化されるため攻守共に極めて優秀で、更に被弾or敵接近をトリガーとして放つ特殊弾幕まで備えている。大抵の猛攻を持ち前の耐久でしっかり凌ぎ、返す刀で高火力砲撃を容赦無く叩き込むその姿はまさに「ラスボス」という形容が相応しい。

 上述した天龍門派生の一つ「天狸門」の「門」をFDGに置換した編成は「狸天帝」と呼ばれ、元々演習で凶悪な面子である「ウォスパ改・天城・雪風・ジュノー(軽巡)」に単体スペックがぶっ飛んでいるDR二名を組み込むことで、恐ろしい強さを発揮する。現環境に於ける最凶編成の一角とまで言われる程。
 他、「天龍門」の「龍」とFDGを置換した「天帝門」という組み合わせもあり、こっちも「狸天帝」とほぼ同格の強編成。特に敵に回す際は長門の弾幕発動率が妙に高くなる(気がする)ので、三種類の強弾幕が定期的にぶっ飛んでくることになる。ひでぇ。

 此処まで書くとFDGだけが凄いように聞こえるが、実際の所、FDGを使わず「天狸門」で前衛に吾妻を採用した編成は「狸天帝」や「天帝門」に匹敵する強さであり、吾妻も大概とんでもない。
 また「狸天帝」と「天帝門」で、「帝」を上述の大鳳やフォーミダブル、セントー、エンタープライズといった単体性能の高い空母と組み合わせても、その実かなり強かったり。長門一航戦辺りを相手取るならむしろこっちの方が多少戦いやすいかも。


 アズレンは有名なスマホゲーの中でも比較的後発の作品だが、それでもサービス開始からなんだかんだ今年で三年目。戦力が揃っている指揮官が繰り出す本気防衛は、マジで洒落にならん強さを容赦無く叩き付けてくる。……尤もサービス開始から今の今までずっと、頑なに演習のシステムへ手を入れようとしない運営の姿勢こそ、このコンテンツが抱える最大の問題点である、と思えてならないが……
 経験値稼ぎやキャラ凸資源の入手というメリットを存分に享受するつもりなら、是非とも力を付けて、それこそ元帥タッチを狙えるくらい艦隊を鍛え上げたい。