2021/05/07

オーディオ雑貨色々雑記

<イヤフォン用ケーブル雑感:
  NICEHCK Oalloy 高純度単結晶銅&高純度銅銀合金ミックス4芯ケーブル>
 先日海外版を個人輸入したUnique Melody 3D Terminatorだが、音やコストには大体満足しているものの、どーしても一つ気になってしまう所があった。
 それは――――付属ケーブルのすんごいチープさ。

 海外の有名なレビューサイトによると「銀メッキOCC(=単結晶銅)を使用した4芯ケーブル」ということで、決して安物のいい加減なケーブルでは無さそうなのだが、…………ケーブルスライダーがただの透明チューブってのは、幾ら何でも無いわー。見た目が余りにも貧相過ぎるやろー……(溜息
 因みに、UM 3DTの前に購入し見事我がレファレンスイヤフォンの座を射止めたDUNU Studio SA6は付属ケーブルが非常に豪華(「モジュラープラグ仕様」で「線材は銀メッキ単結晶銅(※単結晶、ってことは少なくともOCC以上のハズ)」で「8芯」!)だった。……だからこそ余計に、UM 3DT付属ケーブルの安っぽさが気になって仕方なかった次第。
 尚コレは海外レビューでも再三指摘されていたり。概ね「イヤフォン本体のクオリティに対してケーブルのソレが見合っていない」って感じ。そりゃそーだわなー。

 そこでふと頭を過ぎった――いや、過ぎって「しまった」のが「リケーブル」という選択肢。以前KZ ZSN Proを購入した際に試して、地味に感心したアレである。
 一応自分は「高々ケーブル如きに二万も三万も払ってられるかーい!」って庶民的?な感覚の持ち主なので、あんま高っ価いケーブルを買うつもりは毛頭無く、精々5k辺りの中国メーカー製ケーブルで手を打とうと考えていた。ついでに「UM 3DTの元々の音を変えたくないなー」とも。純正ケーブルのバランス嫌いじゃないしねー。

 そんな訳で先ずは情報収集からスタート。…………したのだが、線材について調べ始めた辺りで、当初の目算は呆気無く吹っ飛ぶことになってしまった。
 というのも、「線材にOCC以上のモノが使われているとほぼ確実に10k付近まで値上がってしまう」のだ。上述の通りUM 3DTの付属ケーブルは「銀メッキOCCの4芯ケーブル」なのだが、「最低限そのくらいのクオリティは欲しいなー」と思って篩いに掛けていくと、残るのは殆どが10k前後の品ばかり。5k辺りでは「OFC(無酸素銅)」が関の山。えぇ……

 正直、OCC以上の線材を諦めて、5k辺りで手に入る「銀メッキOFCの8/16芯ケーブル」とか「4N(=純度99.99%)の純銀線8芯ケーブル」で妥協しようか滅茶苦茶迷った。しかし有名ブログやら某匿名掲示板の中華ケーブルスレやらでレビューを漁ると、その辺のケーブルだとイヤフォンの音質傾向が結構変わってしまいそうで、躊躇。
 つーか「音質傾向に派手な影響を与えず、イヤフォンが元々持っている良さを堅実に引き出す」って希望はハイレベルな要求なのだと事此処に至ってようやく気付き、散々悩みまくった末、予算を10k前後まで引き上げて再度候補を絞り込んでみた。

 その結果最有力候補に挙がったのが、自前でイヤフォンの販売も行っている「NICEHCK」というメーカーの「Oalloy」というケーブル。
 UPOCC(=Ultra Pure OCC)という6N(=99.9999%)レベルの超高純度単結晶銅と、高純度銅銀合金の二種類の線材をミックスした何とも贅沢なケーブルで、「音を変えるというよりも、より良くする」シロモノなんだとか。正にドンピシャである。
 肝心のお値段は密林で10.9k、本国中国の巨大通販サイト「AliExpress」内のメーカー公式ストアで約14k程。贅沢仕様だけあってイイお値段――って、日尼の方が安いとかマジっすか??(歓喜
 ……しかしNICEHCKについて色々調べている中で分かったのだが、このメーカー、どうやら頻繁に期間限定セールを実施しているらしい。特にAliExpress内の公式ストアではとんでもない値下げをやってたりするようで、Oalloyも最安なら一時期8k辺りで買えた模様。何ともはや…

 Oalloy以外の高級ケーブルについても調べてみたが、何れもある程度「ケーブルそのものの個性が出る」タイプで、自分が求めている「ケーブルそのものの個性が控えめで、イヤフォン自体の良さを引き出せる」って条件に一番合致しそうなのはOalloyっぽい。
 今後セールが行われる可能性が無いわけではないが、モノを考えれば其程悪い金額でも無かろうと思い、密林でOalloyの購入を決断。自分が所有しているUM 3DT(コネクタがqdc2pinの中国版)に合わせ、qdc2pinコネクタかつ4.4mmバランスに対応した仕様を選択して注文した。

 んでついでに4.4mmバランス端子を3.5mmアンバランス端子に変換出来るアダプタも同時購入。…………いやコレにはワケがあって、当初は同種のケーブルを4.4mm版と3.5mm版で二つまとめ買いしてやろうと思ってたのよな。……あくまでも二本買って10k未満に収まれば、の話だが。
 蓋を開けてみればこの通り、Oalloy一本で見事10kを超過しとても二本買う余裕など無い。だが自分のレファレンス環境の最たるADI-2 DAC FSはアンバランス専門の機材であり、4.4mmケーブルだけでは「UM 3DT+Oalloy+ADI-2 DAC FS」という組み合わせでのリスニングが不可能になってしまう。
 そこで、「そーいやどっかでこんなもんがあったのを見たような…」と「バランス端子をアンバランス端子にデチューン?するアダプタ」を探してみると、上手い具合に良い品が見付かった。中国のオーディオメーカーCayinが販売する「3.5mm TRS to 4.4mm TRRRS変換アダプタ PH-35X」である。
 お値段は密林で43k。安価ではないが、製品のニッチさと「ケーブルを何本も買う手間が省ける」コトを思えばべらぼうに高価いわけでも無かろう、と割り切って即決してしまった。


 そんなこんなで、ケーブルやアダプタの為に何と凡そ15kも吹っ飛ばす羽目に。
 嗚呼、懐具合が貧しくなるばかり…………(死魚目


 ブツの到着後、最初に行ったのは「ケーブルの配線が間違っていないかどうか」の確認。「中華ケーブルはしばしば配線ミスあるから最初にテスター当てとけ」という声が某掲示板で散見されたので、道具箱からテスターを引っ張り出して左右の2pinが4.4mmのどこに繋がっているか確認。…………どうやら混線、断線の類は無さそう。良かったー……
 安心出来た所で、早速M3Xを用いてUM 3DT純正ケーブルによる3.5mmアンバランス出力と、OalloyにPH-35Xを噛ませた3.5mmアンバランス出力、Oalloy単独の4.4mmバランス出力をそれぞれ聴き比べてみた。
 簡単に箇条書きすると、

【純正ケーブル→Oalloy】
・低域に重厚感が出る
・相対的に高域が若干大人しいか?
・音の響きがやたら綺麗

【Oalloy3.5mm→Oalloy4.4mm】
・鳴りにメリハリが付く、専ら高域と低域
・分離感が強まる
・音像?がやや明確になるっぽい

 純正ケーブルは「銀メッキOCCの4芯ケーブル」、一方のOalloyは「UPOCCと高純度銅銀合金のミックス4芯ケーブル」。線材毎の音質傾向(※銀は高域、銅はやや低域が強まる?)を踏まえて二者を比較すると、ある意味妥当な変化と言えそうではある。Oalloyは銀を銀メッキではなく銅銀合金として用いているので、銀メッキOCCの純正ケーブルよりも高域が大人しくなるのは成程ね、と。
 むしろOalloyに驚いたのは低域や高域のバランスが変わったことよりも「音の響き、もとい残響が綺麗になった」トコ。多分銅銀合金なんて使ってるからだと思うが、音がよく響いて少し残響を残していくのが面白い。中でも高域は残響のサラサラした感触が何とも心地良い。
 前回の記事でUM 3DTとStudio SA6を比較した際「UM 3DTの方が鳴りが軽い」と評したが、その上で言えばUM 3DTとOalloyの組み合わせはStudio SA6に近いバランスになっている、かも? 正確なところは確り本腰入れて比較試聴しないとダメだが。

 3.5mmから4.4mmの変化も予想通りっちゃ予想通り。原理的に左右のクロストークが一気に下がるのだから、分離感増すのは当たり前だろう。
 ……ぶっちゃけ個人的には「……ちょっとコレ聞き疲れ易いかも?」なーんて感じてたり。聞こえ方が大分明確なもんだから長時間だとしんどそう。気楽に聞き流すならアンバランスの方が適していると思われ。


 ざっくり適当に音の感想述べるとこんな塩梅。純正ケーブル使用時からバランスが激変したりはしなかったので一安心。実際の変化も「鳴りに少々重みが出て、高域の響きがちょい綺麗になる」と好ましい加減なので割と満足。
 残念な点があるとすれば、ケーブルスライダーがスッカスカのユルユルで全然効果を発揮しないこと。また、付属するもんだと思っていたメーカーロゴ入りイヤフォンケースが影も形もありゃしなかったのにはちょっちガックリ来た。AliExpressの公式ストアだったらアレ付属したんかねえ…
(※補足追記:イヤフォンケースは案の定AliExpress販売分だけらしい。トホホ…)

 此処で今更音以外について言及すると、先ず取り回しは良好。某掲示板では「被膜ゴツい」と言われてたが、手に取って見るとかなり柔らかく好印象。
 qdcコネクタの精度や耳掛け部分の曲がり具合、Y字分岐の作りも問題無し。耳掛け部分はUM 3DTの純正ケーブル宜しく針金で曲げるのではなく、熱収縮チューブ?で最初から曲がった形を作ってある為、装着感が格段に向上したのは何気に有難い。
 不満は先程述べたようにケーブルスライダーが御粗末なことと、4.4mmプラグが簡単にバラせる(銀のカバーが接着固定されておらず、反時計に回すと外せてしまう)こと。後者は正直焦った。


 ところで。
 NICEHCKから最近「SpaceCloud」というケーブルがリリースされたのだが、…………ちょっと魔が差して、うっかり購入してしまったんだなーコレが!(ぇ

 SpaceCloudについて説明すると、コイツOalloy以上に豪華な所謂フラグシップモデルのケーブルで、何と「6N銀メッキOCC 及び 7N OCCのミックス8芯ケーブル」という超贅沢仕様。うわぁ……
 で、AliExpressのNICEHCK公式ストアの表記見る限り、普通に買うと20k~30kはするらしい。まあ「6N UPOCCと高純度銅銀合金のミックス4芯ケーブル」のOalloyが10.9kだったから、そのくらいの値が付いてもおかしくはない……の、か??(困惑

 とは言え、幾ら線材が豪華でモノが良さそうでも、自分はたかがケーブルに20kや30kも払う気は全く無い。
 では何故そんな阿呆みたいな高級ケーブルを購入してしまったのかというと、……………………簡単な話である。「めっちゃくちゃ値下げ出来た」のだ。

 上の方で「NICEHCKは頻繁に期間限定セールを実施している」と書いたが、何と自分がOalloyを注文した頃に、丁度運良くSpaceCloudのセールが実施されていた。
 正確に言えば、NICEHCKの公式Twitterアカウントで、SpaceCloudを10k以上も大幅値引きできるAliExpress用プロモーションコードが配布されており、ソレを使うことで本来なら20kは下らないハズのSpaceCloudが、何と四桁台で買えるようになっていたのだから驚く他無い。出血大サービス過ぎる…

 プロモーションコードは複数あり、中には僅か5k足らずまで値下げられるモノもあったようだが、生憎と自分が気付いた時には既に其程凄まじいコードは残っていなかった。
 最終的に自分が掴んだのは7k弱まで値下げられるコード。それでも元値を考えれば14k前後落とせたので、価格破壊、いや価格崩壊もいいトコであろう…

 ケーブルの仕様はUM 3DTだけでなくStudio SA6にも使うことを考えて、敢えてqdcコネクタではなく一般的な0.78mm2pinコネクタをチョイス。端子は4.4mmバランス。PH-35Xを仕入れたおかげで安心して4.4mmバランスケーブルを買えるのはホント助かる。ピンポイントなグッズを有難う、Cayin。

 SpaceCloudの到着は五月ということで、まーだまだ時間掛かりそうな御様子。
 ま、慌ててるわけじゃないからのんびり待つと致しましょー。



<イヤーピース右往左往>

 Studio SA6の購入後に買ったSednaEarfit Light MSサイズを封切りとして、より良い装着感を求めてSednaEarfit Light ShortのMSサイズMサイズを立て続けに購入したのだが、…………まっこと運の悪い事に、Mサイズの方に成形不良(青色不透明シリコンの酷いバリ残り)が見付かって、泣く泣く交換する羽目に。
 というか、SednaEarfit Light MSサイズにも遅ればせながら成形不良(半透明シリコンと白色不透明シリコンの境界面に黒い汚れが噛んでいた)が見付かって、代理店に問い合わせたものの腹立たしいことに全く返事が無く、しかしながら幸いにして購入先である密林がギリギリ交換に応じてくれて、何とか事無き?を得られた。

 …………と、思っていたのだが。

 後日送られてきた交換品のSednaEarfit Light MSサイズとSednaEarfit Light Short Mサイズを確認すると――――――――まさかの成形不良再び。しかも何方も全く同じパターン。おいおいおいおい…………(頭痛
 ものすんごくげんなりしながら再度返品手続きを始めてみると、交換品を更にまた交換、ということにはならず、今度は返金処理になった。まあ仕方無いわな……交換やのうて返金でも応じてくれるだけ有情じゃろうて……(遠目
 なお不幸中の幸いか、SednaEarfit Light ShortのMSサイズには露骨な成形不良が見当たらず、現在Studio SA6とUM 3DT用のイヤピとして使用中。

 …………しっかし、幾ら何でも品質管理がザル過ぎて流石に辟易しきってしまった。SednaEarfitシリーズは医療用シリコンを使っている為か、上手くマッチすればイヤフォンを外耳道に密閉固定出来るので大変気に入っていたイヤピなのだが、こうも連続して成形不良に当たると今後買う気が完全に失せてしまう。
 最近SpinFitがCP100+という医療グレードシリコンを使用した新モデルを発売したらしいが、チューブの内径が4mmで、ステム径が6mm程もあるStudio SA6やUM 3DTにはちょっと使い難いのよなー。開口部も狭いから多分音変わっちゃうし。

 返金が確認出来次第もう一度SednaEarfit Light MSサイズとSednaEarfit Light Short Mサイズ買い直すかなー、どうしたもんかなー…
 いっそSpinFitがCP145+とか出してくれれば本当は即買いするんだけどねえ…


 ――さて、愚痴りはこの辺にして。
 Studio SA6とUM 3DTをバッチリ装着出来るようにする為に色々買い込んだ(そしてその殆どを返品した)イヤピだが、多分イヤフォンに色々拘ってる人がその実最も手間暇掛けてるのがイヤピのチョイスだろうと思われる。
 自分の外耳孔・外耳道の大きさを把握することがイヤピ選びで最重要なのは間違い無いが、他にもイヤフォン次第で千差万別なステム長・ステム角度・筐体デザインによっても装着感は微妙に変わってくるので、イヤフォン毎に適切なイヤピを選び抜くには結構時間も金も掛かるのよなー…

 例えば、すっかりお気に入りになったStudio SA6やUM 3DTは、カスタムIEMを彷彿とさせる耳への収まりに優れたデザインの機種故、イヤピは気持ち小さめの方がより奥深くで固定可能。自分の場合、SednaEarfitシリーズで言えばMSサイズ(11.9mm)だとほぼジャストだった。
 ところが、UM 3DTはSednaEarfit Light ShortのMSサイズで外耳道を密閉出来て、シェル自体も外耳孔に密着出来るのだが、Studio SA6に同じモノを使うと外耳道の密閉感が甘くなってしまった。どうやらStudio SA6はUM 3DTよりステムが若干短いらしく、同サイズなら軸が長めである非Short版のSednaEarfit Lightを、或いは同じShort版なら1サイズ大きいMサイズ(12.6mm)を使う方が嵌まり加減良さそうな御様子。
 一方、AZLA MK2はStudio SA6やUM 3DTとは対照的に耳への収まりがかなり悪く、ステムが外耳道の奥まで入ってこない。なので耳穴の浅い位置、つまり外耳孔の辺りで固定する必要があり、イヤピはやや大きいサイズを選ぶのがベター。自分はSednaEarfitのMLサイズ(13.3mm)で何とか上手く固定出来た。

 ――まあこんな調子で、イヤフォンのデザインによって実際の装着感は目まぐるしく変わる為、イヤピ選びってのは本当に面倒なのだ。
 Studio SA6とUM 3DT相手にアレコレ取っ替え引っ替えしたことで得られた結論は、

・筐体の耳収まりが優秀なら小さめ、悪いなら大きめ
・ステムが長いならイヤピの軸は短め、短いなら軸は長め
・どうしても装着浅くなるなら大きめかつ長めで強引に密閉固定
・小さめのイヤピは同じサイズで軸の長短をバリエーション揃えとくといいかも

 前提として「耳の奥へ突っ込めるならその方がより良い」なら、小さめのイヤピは同サイズに対してイヤフォンのステム長に合わせられるよう長短二種類揃えておきたい。ぶっちゃけSednaEarfit LightとSednaEarfit Light Shortのコトである。
 逆に大きめのイヤピは基本的に耳収まり悪くて奥へ突っ込めない場合の妥協策なので、イヤピ自体の長さはあんま気にしなくて良いんじゃないかなー。筐体が耳からはみ出過ぎるなら軸短め使わにゃならんけど。

 尤も、イヤピの材質によってはより大きめでも問題無い場合あるんで、やはり実際に試して確かめるしかない部分も大きい。一例として、ペラペラなシリコンで出来てるスパイラルドット無印のLサイズ(14mm)と、傘に厚みあってガッチリした作りなSednaEarfitのMLサイズがほぼ同等の密閉感と言えば分かりやすいだろうか。
 まースパイラルドットも++版になってからはペラペラじゃ無くなったかもだが。でも++版は高過ぎるからねえ……四個で2kオーバーは正直ぼったくりだと思います。(真顔 とは言え成型不良少ないならそっちのほうがマシか…?(懊悩

 保有しているサード品イヤピと、それを使用しているイヤフォンの組み合わせを列挙してみると、

【SednaEarfit】
無印Mサイズ(傘径12.6mm、軸長10mm、軸内径5.4mm):TripleFi 10
・無印MLサイズ(傘径13.3mm、軸長10mm、軸内径5.4mm):AZLA MK2
・Light Short MSサイズ(傘径11.9mm、軸長8mm、軸内径4.5mm):Studio SA6、UM 3DT

【SpinFit】
通常径(CP100相当)Mサイズ(傘径12.25mm、軸長9.7mm、軸内径4mm):MDR-EX800ST
細径(CP800相当)Mサイズ(傘径12mm、軸長11mm):Westone4R

【スパイラルドット】
無印Mサイズ(傘径約12mm、軸長7.4mm、軸内径4.5mm):KZ ZSN Pro
・無印Lサイズ(傘径約14mm、軸長8.2mm、軸内径4.5mm):Sennheiser IE8

 一度、ストックしてあるSednaEarfit無印のMサイズとSサイズ(11.2mm)をUM 3DT相手に試してみたが、Mサイズは嵌まりが浅く元々長めの軸が災いして筐体が耳介から飛び出し、Sサイズはスッカスカでロクに密閉出来なかった。この事から、自分の耳は奥まで突っ込むなら12mm程、浅く嵌めるなら13mm弱辺りのイヤピを使うと丁度良いらしい。
 但しAZLA MK2とIE8は例外。何方も耳収まりが芳しくなく、固定するには大きめのイヤピで強引に密閉する必要があった。前者は単純に形状が悪過ぎるとして、後者はそんな奇抜なデザインしてる訳じゃないんだがなあ……ステムの角度が悪いんかね?


※追記:
 結局もう一度SednaEarfit Light MSサイズとSednaEarfit Light Short Mサイズを購入したのだが、…………………………………………成形不良、三度確認。(顔面青筋
 Light MSサイズは白色不透明シリコンの接合不良、Light Short Mサイズは案の定青色不透明シリコンにバリが残りまくっていた。

 …………何なんじゃこの品質管理の甘さはーーーー!!!! AZLAいい加減にしろーーーー!!!!(怒髪天


 三度の不良品にほぼマジギレして頭に血が上り、こうなりゃヤケクソじゃいと密林で憂さ晴らしめいてIYHしたのが以下の二つ。

SpinFit CP145 Mサイズ(傘径12.5mm、軸長9.9mm、軸内径4.5mm)
acoustune AET07 Mサイズ(傘径13mm、軸長8.4mm、軸内径4.4mm)

 んで、届いた二つをしっかり検品してみたが――――――――目立つバリ・キズ・歪みは、全然見受けられなかった。正に無問題。全く以て綺麗なもんだった。
 ……………………AZLAェ……………………。 そんなだから社名冠した機種で大コケしたんちゃうか??

 Studio SA6とUM 3DTでCP145とAET07を取っ替え引っ替えしてみたが、何方も装着感良好。痛みを伴うこと無くちゃんと外耳孔を密閉出来る。CP145もAET07も軸がSednaEarfitシリーズより柔らかく(特にCP145はふにゃふにゃ)、イヤフォンへの装着が非常に楽。最終的に、軸長がより長いCP145はStudio SA6に、より短いAET07はUM 3DTに充てがった。
 肝心の音だが、結論から率直に言えばどっちも悪く無さ気。無論キャラクターの違いはあって、CP145は高域のエッジが丸くなり、AET07はSednaEarfitシリーズに近い鳴り方。ただ何方もSednaEarfitシリーズより大人しめなのは、恐らく開口径(CP145:ほぼ軸内径通り?、AET07:4.86mm、SednaEarfitシリーズ:6mm)と軸の硬さの違いによるものだろう。SpinFitに関して更に言えば、以前Studio SA6にSpinFit通常径(CP100相当)のMサイズを使った際は高域がかなりマスクされたが、CP145ではそのような状態にはならなかった。
 地味に嬉しいのが、CP145もAET07も「耳垢がこびりつき難い」こと。シリコン表面がサラサラしているためか、耳垢がくっつき難く汚れ難い。SednaEarfitシリーズの表面は僅かに粗く、そのおかげでイヤーピース、ひいてはイヤフォンを外耳道内に確り固定出来るのだが、イヤフォンを耳から外した際に耳垢が付着していることが多いのが困り物だったので、コレは実に有難い。
 …………つーか、AET07コスパ良過ぎじゃね? 1k未満で1サイズ3ペア6個とかSednaEarfitシリーズの立つ瀬が無い(※1k前後で1サイズ2ペア4個)と思うのですがソレは……(遠目

 ……何と言うか、もう最初からCP145とAET07買っとけば良かったんじゃ?、って気分になってしまって遣る瀬無さが半端無い。耳垢付着し難いのなんてコロナ禍の余波で潔癖症気味な身にとって気が楽で凄い助かるし。物の見事に「医療用シリコンを使用」って謳い文句に踊らされてたっつーか…
 SednaEarfitシリーズの強みは「開口径の大きさと軸の硬さによるシャープな音」と「医療用シリコンを用いた厚めの作りによる摩擦が効いた装着感」の両立だと思うが、それらには代償として「外耳孔・外耳道に合った適切なサイズとタイプ(LightとShortの有無)の選択が必須」「異物感強め」「耳垢で汚れやすい」って弱点が有るのだと痛感。…………まあ言うまでもなく最大のウィークポイントは「成形不良多過ぎ問題」だが。2種類3パッケージずつ=合計6パッケージの全てで汚れ噛みやバリ残り、接合不良など何らかの異常が見られたのは、品管が余りにも杜撰過ぎて閉口モノである…