2022/04/02

色々雑記

 臨時収入のおかげで一通り音響機器は揃えきっちゃってしまい、当分新規に感想書くことは先ず無いと思うので、間に合わせの気まぐれに最近使っている機器達の所感なんかをつらつら垂れ流してみようと考え付いた罠。
 後、ついでに色々と音響ないしはそれ以外の気になったトピックを書き殴ってみる。

 ……………………ってのを、実はSP-5購入後からずっとちょいちょい下書き溜め続けてたのだが、結局Edition XSをIYHしちゃったもんだから前提条件が脆くも崩れ果てたのよなあ……
 とは言え地味に文字数がそこそこ嵩んでいるんで、少しばかり手を入れた上でそのまま載せちゃおう、とか思ってしまったり。


<最近の使用機器達>

・ADAM Audio SP-5(with YAXI stPad2)
 WP900と交換する形でstPad2を充てがってみた所、割と純正に近め?な感触に音を仕上げられたのでそのまま使用中。専らXD-05 Plus+05BL Proに繋いで、AP80からLDAC飛ばしたのを受ける形でイージーリスニングに重用してたり。
 ゴツい見た目の割にマジで軽量な上、S-Logicの効果だろうが意外と聞き疲れないので地味にハマり中。一昔前のSTGによくあるテクノ系BGM(一本腕とか銀銃とかZUNTATAとか)辺りを聞くのが楽しい。

 ……楽しかった、のだが。
 色々あってSP-5と同時購入したHPSC-35HD500/1.3を手放すことになり、元々付属していたケーブルで凌ごうとしたのだが、どうにもパッとしない音になってしまい、暫く封印するハメになったり。何ともはや…
 代わりとして、onsoのhpcs_01_ub32_120が某家電量販店の通販で安かったんで発注。バヨネットロックは無いっぽいものの、本家UltrasoneのSignature Proで使用可能と公式が明言しているので、じゃあもうコレでいいやと。

 到着後、いつものように端子を接点復活剤(音屋で昔買ったCleansable)でメンテ。2.5mプラグをSP-5に挿し込んでみる。
「…………? hpcs_01_ub32_120の2.5mmプラグのスリーブよりSP-5側の方が開口径デカいのにすんなり入らんぞ?? もうちょっと力入れて――――あ、入った。……入ったがコレ、まさか……」
 挿し込んだ際の感触に思う所があって、突っ込んだ2.5mmプラグをいっぺん抜いてみる。……端子の根本の黒い樹脂部分に擦れたような痕が。SP-5側を覗いてみると、丁度擦れ痕に対応するような位置に「バヨネットロック用の出っ張り」が。あー、成程ねえ…

 つまるところ、メーカーは「ゾネのSignatureシリーズでも大丈夫!使えるよ!」と言ってたが、実際は何だかんだ言ってやっぱ少々強引に突っ込むコトになっちまうらしい。
 ただ怪我の功名と言うべきか、バヨネットロックの出っ張りがhpcs_01_ub32_120の2.5mmプラグをガッチリ押さえ込んでバッチリ固定してくれるので、バヨネットロックが無くてもそうそう簡単に抜け落ちはしなさそう。

 肝心の音だが、SP-5付属ケーブル使って「なぁんか全体的に明瞭感や解像感足らんっつーか、いまいちパッとせんなー、もにょるなー…」とか思ってたのが見事解消。HPSC-35HD500/1.3使ってた時に劣らぬ聞き心地を得られて一安心。
 他、ケーブルがHPSC-35HD500/1.3に比べて圧倒的に細く柔らかい。取り回し易さがダンチ。SP-5は何となくXD-05 Plusと組み合わせて手軽に聞く機会が多いので、こういうトコは地味に嬉しい。

 ……とまあ、一波乱あったがSP-5は元気に活躍中だよ、というお話であった。


・XD-05 Plus(with MUSES03*2)+05BL Pro
 純粋な音質で言えば確実にADI-2 DAC FSの方が格上なんだが、スマホやDAPからLDACやaptX HD受けて簡単に聞いてしまうのが非常に気楽で便利過ぎるのよねえ…
 本体とレシーバーが別々故にバッテリー管理煩雑なのが玉に瑕。

・AP80
 3.5mmにダストキャップ被せてADI-2 DAC FS専用デジタルトランスポートとして絶賛運用中。
 …………ってのは過去の話で、最近はイージーリスニング用に旧機種挿して単体でも運用中。イヤフォンなら音量的には不足無いし。

・Shanling M3X
 ADI-2 DAC FS用デジタルトランスポート及び4.4mmバランス出力用として活用。USBデジタル出力時はHiBy Music(海貝音楽)、4.4mmバランス出力時はデフォルトプレーヤーを使用。
 とかくバッテリー長持ちするのが助かる…

・ATH-WP900(with YAXI fix90)
 主にM3Xの4.4mmバランスで使用。やや硬めでしっかりした感触のstPad2から純正寄りで柔らかいfix90にイヤーパッドを替えたことで、随分と低音が出るようになっちゃってまあ…
 …………と、思っていたのだが。つい最近使ってみたら「――んん? 此奴こんなに低音大人しかったっけ??」と感じてしまって困惑。あるぇこんなに鳴りのバランス良かったっけお前????、的な。確かに低音は結構な量鳴っているものの、よーく聴いていると中域から高域に掛けての鳴りっぷりも十分で、低音過多と安直に断じるのは早計と言うか…
 もしかするとfix90の効果なのかね? 純正と似てるっつっても細かいトコ違うのは間違い無いし。特にパッドの内側、内径部分にペラペラの合皮(CD900STやHA-MX100のイヤーパッドみたいなヤツ)使ってるのは何かしら影響ありそう。

・ADI-2 DAC FS
 モバイルバッテリー(RP-PB201)からUSB PDトリガーケーブルで12V引き出してバッテリー駆動させている我がレファレンス。T60RPやDT1990PRO、TH610は基本的に此奴の担当。
 ヘッドフォン出力はアンバランスオンリーだが、それがどうした?と言わんばかりの情報量を鼓膜に叩き込んでくる凄いヤツ。

・その他ヘッドフォン
 ADI-2 DAC FSでT60RPやDT1990PRO、TH610のレファレンスサウンドをローテーションしてみたり。DT1990PROは当然、T60RPも素性的には納得として、TH610も何処かモニター的中庸さを備えたヘッドフォンだが、決して音色が被ってるワケではないのが面白い。
 一番カドのキツい音を鳴らすのがDT1990PRO、程良く角の取れた音はT60RP、更に聞き易さに振ったのがTH610って感じ。

・その他イヤフォン
 M3Xの4.4mm相手にOracle、FD5、3DT、SA6を取っ替え引っ替え。それぞれキャラ違うのでローテーションが楽しい。
 元気なFD5、明瞭かつ繊細ながら刺激もあるOracle、刺激が少なく明瞭で中域の表現に秀でるSA6、聞き易いがノリの良い3DT、って塩梅。


<高級オーディオ値下げ狂想曲あれやこれや>

 昨年11月中旬に突如として大幅な値引(−25%!)が始まり、しかし値下がった分はあっと言う間に捌けてすぐに元の価格に戻ってしまった、ゼンハイザーの定番高級機HD800S。
 実は自分もかな〜り購入を迷ったのだが、結局見送るに至った。値が高価いのは勿論として、だがそれ以上にある懸念がどうしても引っ掛かってしまったからである。

 その懸念とは――――HD800Sのイヤーパッドに用いられている、アルカンターラ素材の耐久性。

 アルカンターラは自動車のシートにも使われている様な素材だが、ヘッドフォンのイヤーパッドとして使うと汗や皮脂による劣化が激しく、定期的なパッド交換が欠かせないのだとか。
 が、専用設計のイヤーパッドはその造りの独特さ故か交換品の価格がメチャクチャ高価く、ランニングコストが洒落にならんという……値打ちなサードパーティ品は音変わってしまうっぽいし、余りにも維持管理キツ過ぎるのは幾ら音良くてもめんどいなあ、と思って引き下がってしまった罠。

 他、Campfire Audioとその日本代理店であるMixWaveの限定コラボ商品なAndromeda MW10もブラックフライデーセールで随分安くなってたのだが、Bellsing問題とかAndromedaの良いトコが潰れてるなんて声とか色々思う所があって却下したり。
 まあヘッドフォンイヤフォンそのもので初の100k超えするなら、どーせならちゃんとしたの買いたいしねえ…


<尽きぬ物欲>

 冒頭でも述べたように音響機器はもう一通り揃えられた――――はずなのだが、それでも各所でレビューやら新製品やら見てると色々欲しくなってしまう辺りに何とも人の業を感じずにはいられんっつーか。げに恐ろしきは物欲哉…

 例えばすぐ上で名前を出したHD800SやAndromeda MW10とか。前者はヘッドフォンマニアなら最早言わずと知れたド定番だし、後者も販売戦略的にはちょっとコケ気味っぽい?とは言え、どうも内部構成は現行の2020版とそんな違い無さそうだし。もしかしてお得?とか思っちゃったりするわけで。結局見送ることにしたけど。
 その他だとHiBy RS6とか。DACにR2Rという方式を採ったHiByの最新機種で、レビューした人によればChordっぽい音がするとか何とか。まあFPGAにディスクリート構成?の抵抗?回路?組み合わせてるってのは確かにChordを彷彿とさせるが。Mojoとか一時は購入考えたりしてたからちょっち気にはなるものの、M3XとAP80で概ね間に合ってることを踏まえれば、無駄遣いが過ぎるかなー、なんて。
 他。iFi Audioの最新PHPA/DAC、xDSD Gryphonと、愛用しているxDuoo XD-05 Plusの後継機XD05Bal。何方も1000mW/32ohmのハイパワーで、4.4mmバランスや青歯5.0に対応し、入出力も色々選べる、と様々な使い方が出来るのが実に面白そう。とは言え、PHPAはサブスク(専らAMHD)には少々活用し辛いのと、結局バッテリー管理が煩雑化して面倒臭くなるんで尻込み中。

 最も悩んだのはDAP。発端はAndromeda MW10の購入を検討した際「……そういやM3Xって低インピーダンス機でもちゃんと駆動出来るくらいには定電圧駆動出来るんかしらん??」と思ってしまったこと。
 例えばAP80だが、後継機のAP80 Proと概ね同仕様で、凡そ1Vppを出力すると仮定した場合、出力機器のインピーダンス特性が最低30ohm未満へ乱高下されると定電圧駆動が難しくなる模様。対し、価格が100k近いDAPでは10ohmまでなら問題無く定電圧駆動出来るらしく、その辺やはりオーディオって電源とか物量とか大事なんやな……、というか。
 一応、「超低ノイズかつ8~1024ohmまで定電圧駆動可能」というド安定なIEM用出力を備えるADI-2 DAC FSを、バッテリー駆動でトランスポータブル化して大絶賛愛用中な身なので、最悪奥の手としてコレを使えば問題無い。とは言え、イヤフォンはDAPで使ってこその機器だと思うしなー……もしも今後、Andromedaのような10ohm台の超低インピーダンスイヤフォンを入手する場合、ソレをマトモに扱える環境を整えておく必要があるよねー、なんて。

 ……と、まあ色々ぐだぐだ言葉と思考を連ねてるが、多分ほぼ問題は無いだろうな、とも思うワケで。何せ、Shanlingの名を一躍有名にした超小型DAPのM1ですら、1Vppという出力電圧に拘らなければボリュームやゲイン設定如何で10ohm辺りまで定電圧駆動出来たみたいなんで、ソレよりずっと後に出た上位機種のM3Xで出来ん、ってのは流石に無いだろう。
 更に言えば、感度が100dB/mWを超えるようなイヤフォンやヘッドフォンを適正音量の範疇で駆動させる分には1Vppどころか0.5Vppも電圧出せれば十分っぽく、だったら余程の安物DAP使わん限りは何とかなる、ハズ。

 …………いっそのことオシロスコープ買って自分でインピーダンス特性測定してやろうか、なんて一時半ばヤケクソ気味に考えたりもしたが、手持ちの音響機器のスペック調べる為に態々そんな専門外まっしぐらなブツ仕入れるのも流石に微妙過ぎると感じたので、敢え無くボツった次第。残当。


<ヘッドフォン・イヤフォンを「鳴らしきる」?>

 ヘッドフォン・イヤフォンのレビューを漁っていて「鳴らしきる」という表現をちょくちょく見掛けるが、……これ、記述している人は果たしてどういう意図で使ってるのか結構疑問に思ってしまうフレーズである。
 というのも、ヘッドフォン・イヤフォンの「鳴らし難さ」には大別すると二つのタイプがあるようで…

・高インピーダンス、または低能率、或いはその両方故に出力音圧を稼ぎ難い
・低インピーダンス故に定電圧駆動させる事が難しい

 前者はヘッドフォン、後者はイヤフォンでそれぞれ起こりがちな「鳴らし難さ」だが、前者の解決は単純だろう。パワフルなアンプ用意してそっちに繋げば先ず大抵はバッチリなはず。

 問題は後者。此処十年くらいでバランスド・アーマチュア(BA)型ドライバ積んだイヤフォンがめっちゃ増えたことで一気に顕在化したんじゃなかろうか。
 というのも、BAドライバ積んだイヤフォンのインピーダンス特性はメーカーがスペックシートに載せてる数値よりも実態はずっと複雑らしく、出力する信号の帯域に応じて目まぐるしく乱高下するのだ。仮に公称値が32ohmであったとして、しかし最低域から最高域までずっと32ohmを保っている保証は何処にも無く、一部めっちゃ高かったり、或いは逆にめっちゃ低かったりするワケで…

 例えば、ER-4シリーズやKlipsch X10のようなフルレンジのシングルBA機は最低域から1kHzまでなら平坦なインピーダンスを保っているが、それより高い帯域になるとインピーダンスが跳ね上がっていく。ダイナミックドライバ(DD)機の特性が大体真っ平ら気味な事を踏まえると随分極端だなあと一見思えるが、これでも「シングルBA機」故に素直な方。
 では「マルチBA機」はどうかというと、……コレが実に奇々怪々なインピーダンス特性をしていて本当に厄介。一例として、ShureのSE535や、自分が保有するTripleFi 10についてインピーダンス特性を探ってみると、可聴域内でインピーダンスが乱高下しまくっているのが分かる。ぶっちゃけメーカーの公称値なんぞさっぱりアテにならん有様。高域側で10ohm前後までインピーダンスが急降下するとかある種の詐欺ではなかろうか。

 少し上で触れたが、インピーダンスの変動が激しい機器を相手に安定した定電圧駆動を行うには出力元の電源周りに強靭さが求められ、それこそAP80程度のDAPでは最低30ohmまでが1Vppで定電圧駆動出来る限界ギリギリのライン。一方で価格が文字通りケタ違いなADI-2 DAC FSのIEM用出力なら最低8ohmまで真っ平らに定電圧駆動可能、しかも出力電圧は4.5Vpp(1.6Vrms)以上と、正しく物量=カネがモノを言う世界。
 最近のDAPやHPAは出力先のインピーダンス特性が最低30ohm以上のヘッドフォン・イヤフォンなら変動激しくても概ね定電圧駆動出来そうだが、SE535・TF10宜しく局所的に10ohm辺りまで落ち込むようなマルチBA機を低域から高域まできちんと定電圧駆動させるには、DAPであれば100kクラス、PHPAであれば50kクラス以上の電源回路がしっかりした機器が欲しい所。

 ――と、同じ「鳴らし難さ」でも「出力音圧を稼げるか」と「定電圧駆動の可否」では意味合いがまるで変わってきてしまう。
 率直な話、適切な出力音圧を得る事のみに関して言えば「スタジオモニタリング用の高インピーダンスヘッドフォンを小型DAPで使う」とか「高出力を誇る据え置きHPAで超高能率イヤフォンを使う」なんて明らかにチグハグな真似をしない限り先ず問題は無いハズ。
 逆にインピーダンス特性がややこしいマルチドライバイヤフォンを、低域から高域までしっかり定電圧駆動させるのは、上流にそれなりのクオリティを要するという点で手間の掛かる真似なのだ。

 此処でやっとこさ話題の初めに戻ると、ネットのレビューを読んでいて時偶散見されるのが、この二つの異なる「鳴らし難さ」の混同。
 どうも漠然としたイメージ先行型な言葉の使い方が多いっつーか、「やっぱ高級イヤフォンは高級DAPやHPAじゃなきゃ『鳴らしきれない』よなー!」的な文言がやたら多いと言うか……いや、お前さんソレちゃんと入出力それぞれのインピーダンス特性把握してから言ってる??、みたいな……
 幾らオーディオが最終的に個々人の感性次第な趣味だとしても、電子回路な部分は基本ロジカルに断じれるワケで、その辺の線引きってのはちゃんとしておきたいよなー、とか。


<昨今のアズレンの演習について>

 前回アズレンの演習について記述した際は狸天帝+吾妻が最強格的な話をしたと思うが、現在は新要素や新顔によって最強格編成の面子が一新されており、狸天帝+吾妻は強力ではあるものの最早現環境では通用しなくなっている。

 現環境で猛威を奮いまくっているのは「ニュージャージー(以下NJ)+サディア混合型速攻編成」。

・URのニューフェイスであるNJ
・強力な陣営バフを持つサディア所属艦ヴィットリオ・ヴェネト
・それまでロイヤル軽空母パーシュースの特権だった開幕爆撃を行えるサディア正規空母アクィラ
・ヴェネトの主砲装填バフ用数合わせ要員に留まらないスペックを持つドゥーカ・デッリ・アブルッツィ

 ……以上四名を軸とした、開幕からバフ盛々な砲撃・雷撃・爆撃のトライアタックを叩き込み敵編成を速攻瓦解させる編成で、これがまあ洒落にならんぐらい強いのなんのって……
 サディア勢と雷撃要員による開幕攻勢を何とかギリギリ凌いでも、10秒後にNJの殺意マシマシな投射弾幕がすっ飛んで来て前衛なり主力なりが瀕死まで追いやられ、そこへ追討ちを掛けるように装填完了したNJ・ヴェネト・アクィラの砲撃と爆撃が再び襲い掛かる――――
 ……という、悪夢のような波状攻勢が開幕からたった20秒程で展開されるのだから恐ろしいという他あるまい。実際、年末年始に掛けて自分もようやく攻め用編成が仕上がってきたので戦闘消化に駆り出しまくっていたが、開幕雷撃戦でクズ運引く以外で殆ど負けた試しが無い。そりゃこんなもん防衛に据えられたら同格ミラー以外じゃ相手出来んだろいい加減にしろ!!、的な。(遠目

 アズレンの演習は短期決戦故に兎にも角にも速攻が強く、だからこそかつて長門一航戦やリシュリューが大いに輝いていたわけだが、NJサディア速攻編成はそれらともまたケタの違うバ火力を誇るから本当にヤバい。特にNJとアクィラは最早チートに等しい。
 直近では更にやっとこさ実装された島風が尋常じゃない雷撃火力を引っ提げてきて、前衛のくせにNJやUR空母の信濃、最新のDR計画艦空母である白龍と拮抗し得るダメージを叩き出すもんだからもう大変。また白龍と同時期に実装されたPR計画艦重巡アンカレッジが「超回避特化型重巡」という非常に演習向けのスペック(※重巡ならではの高耐久で回避盾が出来てしまう)で、設備のダメコン饅頭と組み合わせた際の生存性がこれまたチートに片足突っ込んだレベルで、…………もうカオスもいいトコである。(なげやり

 一例として、自分が「攻めでのみ」用いている編成がこんな感じ。
 NJ・ヴェネト・アクィラ・アブルッツィの四名は固定として、更に瞬間火力を稼ぐ目的で島風、前衛先頭の回避盾にアンカレッジを起用。
 この編成、ジュノー(軽巡)を使わなくてもジュノー入り防衛を完封出来てしまえるため、最近は久しくジュノー(軽巡)を演習で使わなくなってしまった。

 重要ポイントは島風とアブルッツィの魚雷に兵装開発で手に入る533mmMarkIXを載せること。直進性が高く、連なって一纏まりで進んでいくので、複数発命中し易く敵主力まで到達し得るのが地味にかなり強力。開幕雷撃戦ガチャ次第では初っ端から敵前衛が壊滅したり主力を落伍させられる程。
 また、更にダメ押しとして設備の533mm磁気魚雷を載せておくと命中確率が増す(ような気がする)。と言うのも島風とアブルッツィの場合、開幕で放たれる雷撃は島風2発アブルッツィ1発の計3発分だが、最低でも島風には533mm磁気魚雷を積むと3発分の雷撃に「磁気魚雷(島風1発目)・通常魚雷(島風2発目)・減速魚雷(アブルッツィ)」と速度差が生じて魚雷弾幕に厚みが出るため。無論、アブルッツィにも積めるならその方が良い。

 ――と、新顔の影響で更に激化している演習戦線だが、言わずもがなアズレンの演習の最大の問題点である「ガチ防衛」も尚更先鋭化していてもうほんとカオス。新規や復帰勢からすると「演習は敗北前提でそれでも戦果と経験値を掴みに行くための場所」って状態に成り果てていて、なんつーか溜息しか出ねえ…
 かれこれ二年(56期)以上は元帥を獲り続けている身からすると、単純に元帥を獲るだけならガチ防衛を置く必要は無く、むしろ攻め編成をしっかり仕上げておく事、戦闘回数を零したり敗けたりしない事、そして稼げる地蔵ボーナスは確実に稼ぐ事の方がよっぽど大事。零しや敗北といったロスをしっかり回避し、ある程度の地蔵を稼いでいれば、二週目日曜の18時前なら全消化で簡単に元帥タッチ可能。
 ……まあぶっちゃけ、ガチ防衛を置くのは事実上保有戦力の誇示や他プレイヤーへの妨害にしかならん、と言っていいだろう。そもそも顔も分からん他者の足を引っ張って元帥への駆け上がりを抑制する事に腐心するより、自分が強くなる方が遥かに効率的。そりゃ中にはガチ防衛と戦り合うのが楽しいという戦狂いも居るだろうが、プレイヤー全体から見れば確実に少数派のはずだしねえ…

 とは言え確かに「防衛にどんな編成を据えるか」は指揮官達の裁量次第かつ他者が強制出来るモノでは無い事もまた事実。ガチ防衛も戦狂いには(微々たるものであっても)需要があるし、明らかに練度・実力不足な指揮官への足切りとして機能する部分が無いわけでも無い。
 ……だから問題は、その辺がゲームシステムではなくてプレイヤー個々人の裁量任せになっている、という点に収束する。

 そもアズレンの演習はサービス開始から全く手入れされておらず、新キャラや新装備が実装される度に変化する対戦環境や、かつてより大幅に増えた戦果交換のラインアップをさっぱり考慮していないのが大問題もいいトコ。特に戦果交換の需要は自分のようなガチ?勢より新規・復帰勢の方が圧倒的に高かろうに、演習というコンテンツの旨味を最大限享受出来るのは元帥ガチ勢だけ、ってのは流石にねえ…
 適切な対人対戦環境は、やはりサプライヤー側がシステムという形で提示するのが一番丸く収まるはずで、半ばプレイヤーによる自治めいてしまうとほぼ確実にロクな事にならんのよなあ……大体皆利己的にしか動かないから、環境が良くなるハズも無く。

 海域の自動攻略実装や、デイリー・ウィークリー任務の達成条件緩和、過去の計画艦の建造・強化に掛かる手間暇の緩和等、コンテンツの拡大と並行してプレイ負荷の軽減を少しずつ行っているアズレンだが、どうせなら此処等で演習にも派手な調整を是非入れて欲しい所である。それもガチ勢のためではなく、ライト・カジュアル層や復帰勢の為に。
 自分宜しくゲーム内リソースを散々溜め込んでる古参・ガチ勢にゃ、これ以上演習で得るもんなんぞ最早自己満足以外に無かろうて……(溜息


2022/04/01

開放型ヘッドフォン雑感:HiFiMAN Edition XS ファーストインプレッション

 当分何か音響機器を買うことは無い、的な言葉を以前述べたことがあるな?
 ――あれは嘘だ。

 ……まあ、なんだ。
 性懲りも無く毎度、毎度毎度いつもの衝動買いである。(諦観の境地に達して久しい瞳

 アホ臭い言い訳をするなら、「手持ちの高級機に占める開放型オーバーヘッドの割合が低過ぎる気がした」次第。
 此処最近購入した密閉型が尽く50k以上したのに対し、開放型(半開放型含)は50k未満(※DT1990PROは購入時約49k)ばかりで、「……50k前後の開放型をもう一台は持ってても良いかにゃー?」とか要らん事考えちゃったのが運の尽き。

 しかも何とも御誂え向きっつーか、以前から興味はあった平面駆動型の雄であるHiFiMANから丁度良い価格帯の機種がリリースされたばかり。レビュー調べてみたら「癖が薄目でモニターっぽい?」とか実に自分好みの文言があり、俄然興味が出てしまった。
 そして間の悪い?事に、密林でメーカー日本法人公式が「10%ポイント還元+15%値引クーポン(+ペイディ後払いで更に5%還元)」という大サービスを展開しているじゃありませんか! ほぼ60kの機種が実質40k台! えっマジで!? よっしゃ買うっきゃねえ!

 ……いやあ、我ながら物の見事にHiFiMAN日本法人の販売戦略に引っ掛かっててホント馬鹿だよなーというか。
 だが海外の有名レビューサイトでかなりのハイスコア食らってるだけあって、確かに良いヘッドフォンだったからもう何も言えねー。(乾笑

 そんなワケで、HiFiMAN Edition XSのファーストインプレッションをば。


<梱包>
 届いた密林箱を開けてびっくり。すぐに化粧箱が見えるかと思いきや、目に入ったのはビニテでぐるぐるガッチガチに厳封した段ボール箱だった。フリップの境界面にはHiFiMANのロゴが入った密封?シールが貼られており、えっこれホントに中華メーカーの梱包か??、と困惑してしまった程。
 ビニテをカッターで切っていって箱を開封すると、先ず箱の厚みに驚く。何じゃこの分厚いダンボールは……と思いながら中を覗けば、そこにはEdition XSの化粧箱。そして四方を囲む緩衝材――って緩衝材だと?? 梱包に力入り過ぎてへんか????
 そんで化粧箱をひょいと取り出して更にびっくり。底面にも緩衝材が敷かれており、衝撃対策が余りに抜かり無くて呆然。暫し遅れて感心しまくる。……HiFiMAN、やるじゃん!


<外観>
 化粧箱を開いてEdition XS本体を確認。ベルベット生地?を被ったスチロールフォーム?に埋まり込んでいるのをそっと取り出してみる。

 …………う~~~む、チープ。(苦笑

 ハウジングとヘッドバンドを繋ぐハンガー以外はほぼプラスチック。なので見た目の割に軽量。……だがとてもコレが通常60k近い製品とはやっぱ捉えにくいよなあ……
 一緒に収められていたケーブルも確認。ゴム?っぽい被膜に包まれたごくフツーっつーか、コレと言って特徴無さ気なケーブル。ぶっちゃけ安物に見えなくもない。……リケーブルしろってことかねえコレは……(遠目


<音質>
 一先ず初期不良を確認するくらいの気分で、初っ端はXD-05 Plus(with 05BL Pro)を準備し、AP80から飛ばしたLDACを受けてみた。

 一聴して驚いたのは低域の鳴り方。事前の予想以上に圧力があり、インパクトが確か。緩くブーミーではなく、むしろタイトで引き締まった、瞬発力に優れた響きに思わずニヤリ。
 正直、もっと繊細で柔らかく穏やかな鳴り方を想像していたので、かなり意外。個人的にはむしろ好印象で、嬉しい誤算だった。

 高域は歯擦音や破裂音と言った「刺さり」が、音としてはしっかり聞き取れる一方で「本当に刺さって痛く聞こえはしない」点に感心。おかげで高めのパーカッションなんかの存在を強く感じられ、低域のタイトさと相まってリズム感の演出に一役買っている気がする。
 中域は……なんつーか、癖無さそうとゆーか。高域や低域に掻き消されることなくハッキリと聞き取れる、のは価格帯考えたら最早当たり前か。高域や低域に比べてコレと言った特徴は無いかもしれないが、裏を返せばかなりニュートラルな鳴り方とも言えるので、それはそれでその実かなり優秀な気もする。

 取り敢えず初期不良は無さそうだったので、此処で上流をADI-2 DAC FS(AKM版)+M3Xにチェンジ。じっくり聴き込んでみた。
 すると解像感・情報量・分離感が格段に上昇。所謂音の粒立ち感がよりキメ細かくなって、ダイナミックレンジがもっと広がり、音楽中の「音」を容易く聴き分けられる、的な。完全に好みドンピシャでついつい口角が上がってしまった。
 こういう、XD-05 PlusからADI-2 DAC FSへのステップアップによる変化はお気に入りのT60RPでも感じた事だが、Edition XSはそれがもう少し分かりやすいかもしれない。つまり前評判通り、上流の質に敏感っぽい。限界性能が高い、とも言えるだろうか。

 そのままADI-2 DAC FSで色々な曲を聞いていて思ったが、Edition XSは兎に角「レスポンス」が優秀。メーカー曰く従来の物よりも薄い新型の振動板を使っているらしいが、描写が只管細かく緻密で、解像度的な意味で楽曲の表現性が滅茶苦茶高いのはそれ故だろうか。
 但しヘッドフォン独自の音色、という演出で以て「美しく綺麗に、艷やかに鳴らす」タイプでは無く、「入力情報を極めて正確に、とことん真面目に鳴らす」タイプな印象。美音系ではなくモニター系、という評価は正にその通りだろう。上流のスペックを素直に表し、その変化、「差」という情報を叩き付けてくる辺りなんか特に。

 難点があるとすれば、…………上述した「入力情報を極めて正確に、とことん真面目に鳴らす」ことそのもの、だろうか。
 というのも、ADI-2 DAC FSでEdition XSを鳴らしてこりゃ凄いなーと感心した翌日に、再びXD-05 Plusへ繋いでみたら、何とも味気無いと言うか音がつまらなかったのだ。特に高域の伸びや響き、低域の衝撃感、描写の細かさは明確にグレードの低下を実感してしまい、「一度上がってしまうと下には戻れない」ってのはこういう事かー…、なんて黄昏れてしまったり。
 それでも何だかんだ暫く聞き続けていると耳が慣れてきて違和感無くなってくるのは人間の感覚、その都合良さの賜物だが、ADI-2 DAC FSに繋いでいた際の超高解像度サウンドに喜んだ記憶自体はバッチリ残ってるのがまた何とも。しっかりした上流と組み合わせて、しっかりと音楽鑑賞することをそれとなーく要求してくる?風情が実に高級機的だねえ、なんて。

 インストゥルメンタル、クラシック、ジャズ、テクノ、ロック、ポップス……とライブラリの中から手当たり次第に再生してみたが、特に苦手なジャンルってのは無さそう。真面目なモニター?っぽい鳴らし方なので、ジャンルの得手不得手以上に音源の良し悪しが大事。ADI-2 DAC FSくらいの上流に繋ぐとホントに細部まで見通せるような感覚を得られるので、録音が雑な曲はすぐバレると思われ。注意。


<装着感>
 人によってはかなりクリティカルしそうなのがコレ。側圧がめっちゃ緩い。
 自分は特別小顔ってワケじゃないのだが、殆どヘッドバンドを伸ばさない状態(※最も縮めた状態から一段階だけ引き出したくらい)でジャストフィットしてしまったので、モデル並みに小顔の人なんかはスカスカになってしまう可能性が高い。

 イヤーパッドは肌との接触面にジャージ素材?を使っており、蒸れにくく中々快適。硬さも程々。
 ヘッドバンドがシンプルな構造でハンモックタイプ宜しく圧力を広く分散させるようになってないので、長時間着用し続けていると頭頂部への負担がちと大きめ。定期的に軽く着用し直してバンドの位置を前後にズラせば対処は可能。

 イヤーパッドとヘッドバンドの両方に言えることだが、ガッツリ合皮を使いまくっているので汗っかきさんや夏場は要警戒。涼しい室内で使い、使用後は柔らかいハンカチやタオルで汗や皮脂をきちんと取り除いてから片付けるべし。
 或いはヘッドバンドだけでも密林辺りで売ってるカバーを使うと良いかも。それか夏場はヘッドバンドに小振りなタオルハンカチでも巻いとくとか。


<遮音性・音漏れ>
 殆ど完全開放型と言って差し支えないような構造(※ハウジングがハウジングと言うか恐らくぶっちゃけただの枠)なので、遮音性も音漏れ防止も何もクソもあったものではない。(真顔
 スタンドに引っ掛けてテキトーなプレイリストを流してやれば一昔前のちょっとしたミニコンポの出来上がりである。エコデスネー(しろめ


<その他>
 リケーブルは3.5mmの両出しというありふれた形式なので選択肢は多そう。……むしろ個人的に、今んとこネト通探して引っ掛かってくる対応ケーブルが軒並み15kくらいする高級品ばかり、ってのが目下最大の懸念事項と言いましょうか……
 いやクオリティ考えたらそのくらいハイグレードなケーブル使ったって損は無いと思うが、しかしケーブルに15k払うのは一般人寄り?な金銭感覚持ってる身としてはちょっとしんどいのよねえ…

 今更だが、インピーダンスこそ低い(18ohm)ものの能率が低め(92dB)なので、駆動力に優れたDAP・HPAは必須。DAPならバランス出力に対応しオーバーヘッドの駆動が想定されているもの、PHPAでもなるべく高出力なモデルが欲しいところ。
 一応、XD-05 Plusレベルの駆動力があれば音量は十分稼げる。直近のモデルで言えば、FiiO M17やiFi xDSD Gryphon辺りを使えるなら先ず問題無いだろう。


<まとめ>
 実質で言えば42kという格安価格でこんな調子なので、正直かなり良い買い物出来ちゃったなー、ってのが率直な感想。音質的なコスパはかなり高いはず。
 ミニコンポもかくやという盛大な音漏れと、美音ではなく思いっきり真面目なモニター傾向の鳴り方、合皮製ヘッドバンドの消耗ってのを一通り許容出来るなら大変オススメ。平面駆動型入門にも良さ気。

 自分は音響機器に対して真っ先に「解像感の高さ(≒籠もり曇りの無さ)」を求めるタチなので、その点Edition XSはド直球に好みをブチ抜いてきた。中でも刺さりそうで刺さらない高域と、引き締まった質感が気持ち良い低域は特筆モノ。勿論、その間ではっきり明瞭に聞こえる中域も頗る上質。
 「ミドルクラスの価格でハイエンドの音を味わえる」なんてレビューもあったが、正にその通りな機種だった。いやあホントに良い買い物だったなー……(大二言






※追記[220409]:聴き比べとリケーブルについて

 Edition XSをそこそこ使い続けて音の傾向を大体掴めた所で、同じ平面駆動型であり、我がレファレンスの一角であるT60RPとの聴き比べを実行してみた。
 上流はいつものADI-2 DAC FS+M3X。先ずT60RPで散々色々リスニングしてから、Edition XSにスイッチした。
 すると、

「――ぇ゛、何じゃこの鳴り方は……?!」

 初っ端からEdition XSの鳴りに激烈な違和感を覚えてしまって愕然。フォーカスが定まってないというか、特定の音だけがやたら前に出て来て音楽の全体的なバランスがしっちゃかめっちゃかになってしまっている、っつーか。正直めちゃんこ聞き辛い。どういう事なの……

 此処でふと思い出されたのが、Edition XSの海外レビューを読み漁っていた際にチラホラ見掛けた「中域が希薄」という声。高域と低域がはっきりしっかりしているのに対して中域の存在感がイマイチ、的な感想があったのだ。
 先程自分が感じた違和感とは少々ニュアンスが異なるかもしれないが、もしかしてコレの事か?、と。聴き比べたT60RPは素性がモニター機故に鳴りのバランスが滅法良いので、それこそEdition XSが「中域薄過ぎ!」であれば、T60RPから切り替えた途端強烈な変化を感じ取ってもおかしくは無かろう。

 海外レビューによればこの中域薄杉問題はリケで多少改善出来るっぽいので、早速ケーブルを物色してみた。Edition XSの購入とほぼ同時期に、以前Thieaudio Oracleを購入した中華オーディオセラーLinsoulから「4.4mmバランス端子を6.3mmステレオ標準プラグへ変換する」という非常にニッチなアダプタ(ddHiFi DJ65B)をADI-2 DAC FS用に仕入れたので、折角だから4.4mmバランスケーブルまで含めて捜索。
 そんで引っ掛かったのが、前にSE215やIE8用のケーブルを購入したことがある「NOBUNAGA Labs」から最近発売されたばかりの「霧降」。錫メッキを施したOFC線を使ったというケーブルで、御値段何と約16k! …………そうか、10k超えちゃうかー…………(遠目

 他には先日SP-5用のケーブルを買ったonsoの「hpct_03_bl43」、霧降と同じNOBUNAGA Labsでもう少し値が落とせる「吹割」「華厳」辺りを考えたが、何れにせよ値段は10kオーバー。またモノによっちゃ在庫切れ(hpct_03_bl43)や生産終了品(華厳)になっていたりで入手性があんま良くないと来た。
 此等より安いモノとなると密林の出処がイマイチ不確かな中華ケーブルくらいしか選択肢無かったので、こうなりゃもう覚悟決めようと「霧降」の購入を決意。……まさかオーディオ用ケーブル如きに15kオーバー、即ち諭吉と一葉を一枚ずつも切るハメになるとは……(死魚目

 んで霧降とDJ65Bがほぼ同タイミングに到着してくれたので、早速使ってみた。
 ソースは勿論ADI-2 DAC FS+M3X。霧降にはDJ65Bを噛ませてADI-2 DAC FSの6.3mm出力へ。

 結論から言うと、付属ケーブル使用時に感じた違和感は霧降で解消出来た。但し、霧降の効果で中域が特別濃くなった訳ではなく、むしろ変化が目立ったのは高域や低域。
 具体的に言えば「高域はより高く、低域はより低くまできちんと聞こえる」ようになった。その御蔭か「上から下まで音がハッキリした」他、「鳴りの焦点が標準的な塩梅に落ち着いた」。特に三点目については付属ケーブル最大の難点だったので、此処が改善出来たのはかなりホッとした。
 俗っぽい表現を使うなら、付属ケーブルから霧降へ切り替えると「解像感・明瞭感が向上し、特殊な風情だった分離感や、所謂定位?が落ち着く」って次第。付属ケーブルには特定の音を抜粋して聞かせるような不可思議な性質があるのに対し、霧降にそういう変な癖は無く、単純にどの音もしっかりクッキリハッキリ鳴らすようになってくれた。良い意味かつ高レベルで無難な音、というか。
 自分は気にならなかったが一応の懸念として、Edition XSと霧降の組み合わせでは多少サ行の歯擦音やパーカッション等の破裂音が刺さり易くなる傾向が見られた。レベルとしては丁度T60RPとDT1990PROの間くらい。その辺敏感な人はやや注意。

 霧降と付属ケーブルの聴き比べが出来たところで、T60RP→Edition XSで感じた違和感が本当に付属ケーブル「だけ」によるものなのか、ソレを明らかにするべく今度はEdition XS+霧降とT60RPを聴き比べてみた。
 結果として、やはりT60RP→Edition XSで覚えた違和感は付属ケーブルに起因する可能性が濃厚。T60RPからEdition XS+霧降へスイッチして感じたのはあくまでも二機種間の音色差であって、先述したような「激烈な違和感」は皆無だった。…………事此処に至ると、むしろ付属ケーブルはどういう代物だからあんな聞こえ方をしてしまうのか、そっちの方が気になってくるというか……

 因みに違和感の有無ではなく普通の観点からT60RPとEdition XS+霧降を聴き比べた場合、恐らく振動板のサイズによる所が大きいと思うが、前者は音像が割りかしコンパクトに纏まるのに対し、後者は広大な音響空間のド真ん中に突っ込んでいるような感覚を得られる。全体を俯瞰するのであればT60RPが適しており、音楽を構成する音の要素一つ一つを選り分けたいのであればEdition XS+霧降が最適。
 一例として、イージーリスニングであればT60RPの方が纏まりの良さ故に使い易気。ガッツリ前のめりに音楽を聴き込むならEdition XS+霧降の方が楽しめそう。

 霧降そのものの品質についてだが、流石に16k近いだけあって中々のモノ。プラグのスリーブは全て金属製でマット仕上げ、端子の金メッキはキズも無く綺麗。線の編込みは丁寧で、分岐前と分岐後の何方も柔らかく取り回し易い。
 以前IEM用に色々買い漁った中華ケーブルは実用に差し障り無い範囲の傷やら不具合やらがちょいちょい確認されたのに対し、霧降は凡そパーフェクトと言えるクオリティだった。実際にEdition XSと組み合わせた際の効果も踏まえると、本当に完璧。良い仕事してますねえ。

 ついでにDJ65Bについても。重量感あるしっかりした作りのアダプタで、6.3mm端子(オス)と4.4mm端子(メス)の軸を重ねるのではなく敢えてズラす事でサイズをコンパクトに収めたのが中々巧い。仕上げは綺麗でメッキ不良等は確認されず。
 ……実はddHiFiの製品はFiiO名義のOEM?品(USB-C to C OTGケーブル「LT-TC1」)という形で既に使った事があったり。アレも中々良い製品である。

 しかしまさかSP-5に引き続いてEdition XSでも付属ケーブルからのリケーブルを敢行する羽目になるとは夢にも思わなんだ…………嗚呼累計出費が悍ましい事に…………(乾笑
 だがあの違和感を放ったらかしたままEdition XSを使い続けるのは到底無理だったし、結局は必要経費だったって事か……音響ってのは厄介な趣味よなあ……(溜息