2019/03/31

ヘッドフォン雑感:beyerdynamic DT990PRO ファーストインプレッション

 地元で開催された某オーディオイベントを見物しに行った折、展示品処分市で偶然発見し、諭吉一枚ポッキリという価格で購入。真逆斯様な有名ナンバーが超チープな包装へ雑に突っ込まれた状態で投げ売りされてるとは思っておらず妙に面食らい、咄嗟に衝動買いしてしまったという。
 何時かはやろうと思っていた初の米屋ヘッドフォンがこんなカタチになるとは夢にも思いませんでしたよ私ゃ…

 んで自宅に帰宅後、ヘッドバンドとイヤーパッドを外してクリーニングを決行。特にイヤーパッドは何かヤな感じがしたので中性洗剤で念入りに丸洗いしてやった所、めちゃくちゃキレイになって思わず冷や汗。これだから中古品は油断ならねえ…
 ヘッドバンドは消毒用アルコール染ませたキッチンペーパーで一回拭ったのだが、その途端表面の合皮が急速に劣化し始めたので慌てて中止。急遽応急処置としてイチかバチかプレクサスを吹付け馴染ませてみると、多少容態が安定したっぽいので一安心。……合成皮革にアルコール駄目、ゼッタイ。(戒め
 イヤーパッド乾燥後、現在大絶賛活躍中のxDSDを使っても良かったのだが、何となく最近使っていなかったHP-A3を引っ張り出してMBPに接続。光デジタルで出力しテキトーに音楽掛けて聞いてみた。

 巷でドンシャリとよく言われている990だが、確かにハイとローがよく出ている感じはある。女性ボーカルとか聞くと分かるが、ミッドがちと引っ込んでいる気がしないでもない。尤も引っ込み過ぎている訳ではなく、しっかりはっきり聞こえては来る。
 最近xDSDにHD25を繋いで大音量ドライブさせてみた際、妙に細かく音を拾えて大変驚かされたものだが、990とA3の組み合わせではそういう感覚はなかった。意識を向ければ一応分かるが、向けなければそう分離しては聞こえないというか。そのおかげか、「音」ではなく「音楽」を聞いている感覚が強く得られる。
 面白いのが、ハイとローがしっかり出ているのに音色?は地味っぽい辺り。故にやたらハイテンポのモノよりも、比較的落ち着いたノリの楽曲の方が向いている気がする。とは言えそんじょそこらの安物とはまるで鳴りっぷりが違うはずなので、基本何聞いても然程違和感は無いと思うが。
 総じて「派手なようで地味、しかし大人しいようで激しい」という、何ともアンビバレンスな鳴り方だと感じた。決してハイテンションではないのに音の起伏自体はハッキリしている、というか。

 その内xDSDでFLACを掛ければまた違った感触が得られるかもしれないが、少なくとも現在はこんな印象。中々面白い、の一言。
 側圧強めだがヘッドバンドのカーブが上手く出来ているのとベルベット?調イヤーパッドの良感触が相まって付け心地は上々。プラスチッキー全開でチープな見た目故かヘッドフォン自体が軽く、負担を感じ難いのも良い。その一方造り自体はしっかりしていて多少雑に扱っても大丈夫っぽいから、安心してガシガシ使い込めそう。

 購入経緯はしょーもない調子だが、モノそのものはコスト考えれば十分満足出来そう。
 やる気があればその内比較とかするかもしれない。……やらないかもしれない。(ぇ

2019/03/21

Android(Pocophone)―USBオーディオ(xDSD)間トラブル雑記

 前回の追記の後、USB Audio Player PROの開発者の方へログを送信し、少しばかりやり取りした。
 結論から言うと、PocophoneはUSBオーディオ出力にトラブルを抱えているっぽい。

 曰く、どうやらUSB Audio Class 1.0の状態で接続されるらしい。その為サンプリングレートの上限が96kHzで頭打ちになっちまうようで。
 しかしこれはxDSDがAudio Class 2.0に対応していない、というわけではない。事実、WinとMacではフツーにDSD出力出来る以上、xDSDに異常があるとは流石に考え辛いし。
 そこでGooglePlayから、USBホストモードで接続、認識したデバイスの詳細な情報を得られるアプリをインストールしてxDSDの接続状況を見てみたのだが、……やはり情報の内容がトーシロにはなんのこっちゃサッパリ。ただ少なくとも、データ転送がアイソクロナス転送として接続されていることは分かった。オーディオデバイスとして認識はされている、のかね?

 更に、XDA DevelopersへアクセスしPocophoneのUSBオーディオ絡みのトピックを検索してみたところ、そのものズバリな板を発見。早速読んでみると、Android用プレイヤーアプリで有名なPowerampでUSB-DAC(FiiO Q1 MkII)が使えたよ、というレスを見かけたのですぐに試してみた。……が、そもそもPowerampではxDSD自体を認識しないという有様だった。ちくせう。
 しかし引き続きレスを読んでいると、カスタムROM次第で認識したりしなかったりとか、2018年12月以前のROMなら動いたけどそれ以降はダメだった、なんて報告があった。……ってことはつまり、どっちかってーとハードウェア的な異常じゃなくて、OSやカーネルと言ったソフトウェア的な問題であるっぽい……?

 そういうことなら、いざとなればブートローダーをアンロックしてUSBオーディオ出力をきちんとサポートしているROMを導入してやれば、PocophoneでもxDSDをフル活用できる可能性がある、かもしれないということで。……正直、ちょっとホッとした。
 いやだってさあ、コレでもしハード異常だったらもう最悪としか言い様無いじゃんよー……でもちと時間掛かる(72時間=3日)とはいえ、Pocophoneはアンロックが公式でサポートされてるからカスタムROM焼き放題みたいだし。今んトコ、スマホゲーとかプレイヤーとかインストールしただけでほぼ素の状態で使ってるから、バックアップとかあまり気にせんでいいしね。

 しかし誤算だったなあ、まさかAndroid 9になっても未だUSBオーディオ出力をサポートしていなかったりしていたり、なんて状況とは……これなら、UAPPのUSBオーディオ出力可能端末リストに載ってる機種仕入れるべきだった。具体的に言うとASUSのZenFone 5Zとか。ASUSはZenFoneシリーズに関して言えば全てちゃんと対応しているみたいだし。やはりマザボとか作ってるメーカーはインターフェースがしっかりしてますねえ。
 また、SamsungやLG、HTC、Sonyの端末も概ね対応してるっぽい。Sony、もといXperiaはWalkmanのメーカーが作ってるだけあってその辺は流石ですな。……でもXiaomiの端末もそこそこは対応してるっぽいんですがねえ……何故Pocophoneだけこうもピンポイントで……(血涙
 因みに、USBオーディオ出力という点ではHuawei端末は地雷な模様。かなりシビアな感じらしい。

 まあ、前向きに考えるなら現状のままでもBluetoothや96kHzまでなら問題なく使えるってことなので、殆どがCDリッピング音源の自分にゃ丁度良いとも言えるが。取り敢えず、引き続きXDA辺りのフォーラムを巡回して、USBオーディオ出力をフルサポートするROMが出てきたら報告を見つつ導入でもしてみようかねー。

2019/03/10

ポータブルヘッドフォンアンプ覚書:iFI Audio xDSD

※御詫び[190318]:

 以下、本文の初版部や一部追記箇所が大変見苦しいことになっていますが、私の認識不足やら勘違いやらが色々と酷かったので、自戒を込めて敢えて残してあります。
 非常に読み辛いかもしれませんが、どうか御了承下さい… つーかいっそ読み飛ばしてくれてもいいのよ!(平謝&懇願



 前回のトラブルで無事普通に使えるようになったxDSD。
 ところが、色々やってる内に一つおかしな点があることに気付く。

「…………あれ?これ、NeutronでDSDネイティブ再生出来て無くないか??」

 Neutronには再生中のファイルがどのようにデコードされているか表示する機能があるのだが、DSD128ファイルを再生させるとどうやらPCM96kHz/32bitに変換されているらしく、ネイティブ再生が出来ていない模様なのだ。
 そこで色々と設定を弄ってみるのだが、どう足掻いてもサッパリで、ネイティブ再生が出来る気配が無い。ネットで情報を漁ってみたが、スマホとUSB-DACを接続してのDSDネイティブ再生がNeutron上で成功したという確かな報告は全然見付からない。英語のフォーラムも探してみたが、それらしいレスはやはり見当たらなかった。

 どうにかしてDSDネイティブ再生を実現出来ないかと模索してみたところ、Neutronではなく「USB Audio Player PRO(UAPP)」という先日一度試した有料プレイヤーアプリなら可能性がありそうだと分かり、一度払戻した上での再インストールは再度払い戻せないことを覚悟の上で購入。もう一度試してみた。
 ……が、やはり駄目。それどころか88.2kHzでデコードされているらしく、Neutronよりも悪くなってしまう結果に。

 「やっぱりこれ初期不良なんじゃないの……??」と購入店への初期不良交換依頼をマジで考えつつ、最終確認としてデスクトップPCとの接続試験を準備。fb2kにDSD再生用のコンポーネントを導入し、付属品のUSB3.0ケーブルを使って接続。コレで駄目ならホントに交換してもらうしかねえ、と思いながらDSDファイルの再生を実行。

「――――――――は????
(あるぇ?!普通に再生されるやんけ!しかもちゃんとネイティブで!)」

 何せxDSDのインジケーターがDSD再生時の色で光ってるので間違いない。一体どういうことなのか。
 じゃあファームウェア変えたらどうだ、と前回インストールしたv5.2Bからv5.2Aを試す。…………やっぱりきちんと再生される。インジケーターもDSDの色で光っている。そんな馬鹿な。
 どういうことなのか、と思いつつPocophoneに繋いでみる。更にv5.20にもしてみた。……すると、ファームのバージョンによってNeutronやUAPPで再生出来たり出来なかったりする組合せがあることが分かってきた。尚DSDネイティブ再生はNeutronでもUAPPでも何れにしろダメだった。くそう。
 この時点でようやく、「出力元及びプレイヤーアプリと、xDSD(のファームウェア)の間に相性問題が存在しているのでは」という可能性に思い至り始め、それを確かめるためにファームを出荷時のバージョンであるv5.30へ一度戻してみる。その上でWin(fb2k)、Mac(JRiver Media Center(JRMC)・Audirvana Plus)、Pocophone(Neutron・UAPP)の組合せをとっかえひっかえ試してみた。

 ……結論から言うと、xDSDのファームと出力元との間にはかなりシビアな相性が存在することが分かった。
 以下、分かったことまとめ。

<ファームウェアv5.2B>
・NeutronとUAPPでUSB出力可能、但しDSDネイティブ再生は不可
(DSD128(DSD5.6MHz)の場合、NeutronはPCM96kHz/32bitへ、UAPPは88.2kHzへ変換される)
・NeutronでBluetooth再生可能
・JRMCでDSD再生不可

<ファームウェアv5.20〜5.2A>
・NeutronとUAPPでUSB出力が不可なことがある
・NeutronでBluetooth出力が不可なことがある
・JRMCでDSD再生不可
・fb2kでDSDネイティブ再生(ASIOネイティブ・DoPの両方共)可能 ※追記参照

<ファームウェアv5.30>
・NeutronでUSB出力不可、Bluetooth出力可能
・UAPPでUSB出力可能、DSDネイティブ再生は不可(DSD128は88.2kHzへ変換)
・JRMCでDSD再生不可
・AudirvanaでDSD再生(DoP)可能
・fb2kでDSDネイティブ再生(ASIOネイティブ・DoPの両方共)可能

<ファームウェアv5.3C>
・NeutronとUAPPでUSB出力不可
・NeutronでBluetooth出力不可
・MacでUSB・Bluetoothの両出力不可

<Neutron>
・ファームv5.2BではUSB・Bluetoothの両出力可能
・ファームv5.20〜5.2AではUSB・Bluetoothの両出力で不可なことがある
・ファームv5.30ではUSB出力不可、Bluetooth出力可能
・DSDネイティブ再生は不可(DSD128はPCM96kHz/32bitへ変換)

<UAPP>
・ファームv5.2BではUSB出力可能
・ファームv5.20〜5.2AではUSB出力が不可なことがある
・ファームv5.30ではUSB出力可能
・DSDネイティブ再生は不可(DSD128は88.2kHzへ変換)

<JRMC>
・全ファームでDSD再生不可

<Audirvana>
・ファームv5.30でDSDネイティブ再生(DoP)可能

<fb2k>
・全ファームv5.2A、v5.2B、v5.30でDSDネイティブ再生(ASIOネイティブ・DoPの両方共)可能

 単純に「xDSDを使ってDSDを再生する」ということだけ考えるなら、ファーム問わずネイティブ再生出来そうなfb2kとAudirvanaがどうも最善の選択肢っぽい。スマホはUAPPを使えばv5.2Bとv5.30でネイティブではないが安定再生が可能、Neutronはv5.2Bではないなら基本的にBluetooth専用か。JRMCは問題外。
 ファームはv5.2Bが最も汎用性が高く、v5.30がそれに次ぐ。それ以外はちと安定性に欠ける。特にv5.3Cはウチの環境では使い辛そう。

 いやはや、コレは面倒なことになったもんだ……まさか此程デバイス・アプリ間の相性が面倒な塩梅になっているとはなあ……orz
 Winとfb2kが最善、MacとAudirvanaが次点。スマホはDSD再生についてはかなーり妥協する必要がある、と。……当初の理想(スマホでDSDネイティブ再生)から大きくかけ離れた結果に涙がちょちょぎれそうです。(遠目

 取り敢えず、引き続き検証は進めてみようかと。
 だってBluetoothでも再生不可能ってのは流石におかしいしなあ…



※追記[190311]:

 ファームv5.20を導入して、AndroidとWinで挙動をチェックしてみた。
 すると、

・USB出力はNeutronもUAPPもfb2kも全滅
・しかもBluetoothまでダメ
・v5.20の導入自体はちゃんと上手く行った(Winで実行)
・デバイスはしっかり認識されている

 いやいやいや、なぁにこれぇ……(頭痛
 だって箱の中に入ってるカードには英文で「PCM(DXD)768kHz/DSD11.2~22.4MHzを再生したい場合はファームウェアv5.20をインストールしてね!」って書いてあるじゃんよぅ…

 加えてv5.30において、96kHz/24bitと192kHz/24bitのFLACをUAPP使って再生を試みたら、勝手にリサンプルしようとするらしく、ビットパーフェクトでの再生をオプション指定していたためにエラー出て弾かれてしまうという珍事が発生した。なんでや!
 またONKYOのHF Playerをインストールしてみたのだが、アンロックキーを導入したにも関わらずファイルの再生が出来ないという…

 流石にコレは幾ら何でも異常が過ぎると思えてきたので、現在購入店への返送を準備中。
 進展があったらまた何か書くつもり。



※追記[190312]:

 購入店へ返送。
 他、

・xDSDと同時に買ったiFI純正のType-C USB OTGケーブル自体は多分無問題だった?
(ケーブルにUSB3.0 SDXCリーダ/ライタ挿してPocophoneに突っ込んだらフツーに認識した)
・UAPPの公式HPを覗いてみた所、UAPP内蔵ハイレゾドライバのスマホとの互換性リストにPocophoneがちゃんと記載されていた
・またUAPP(の開発元であるeXtream Software Development)のUSBドライバ動作デバイスリストにxDSDが載っていた

 以上から考えて、やはり今回自分が手に取ったxDSDの挙動はちとおかしかったのではなかろうか。
 大体、ファームv5.20下でxDSDと同等の対応フォーマットを誇るmicro iDSD(BL含)が、スマホ(Xperia)とのペアでキッチリDXD/DSDネイティブ再生に成功している報告が上がっているのだから、Bluetooth以外ほぼ同様のインターフェースである(はずの)xDSDでこの結果はやっぱり不自然なんだよねえ…

 ま、何はともあれ送ってしまった以上は返事を待つしかあるまいて。
 願わくば、マトモな挙動するモノと交換してくれますように…



※追記[190318]:

 土日に購入店から返答があり、……………………特におかしい挙動は認められない、との報告が。おぉ……orz
 しかも、

・iPhone X → CCK → xDSD → NePlayerでDSDネイティブ(DoP)再生が出来る(インジケーターもバッチリ)

 ……この事実を聞いて、「あ、コレはウチ(というかPocophone)との相性問題やな(諦観」と悟ってしまった。
 完全に無駄返送です、本当に有難うございました。_| ̄|○ il||li

 更に、こないだ追記で書いた、

・UAPPの公式HPを覗いてみた所、UAPP内蔵ハイレゾドライバのスマホとの互換性リストにPocophoneがちゃんと記載されていた

 だが。……これ、USB-DACを使う際の話じゃなくて、スマホの内臓オーディオを使う際の話だったらしい。……………………嗚呼…………(自己嫌悪


 整理すると、

・xDSDにおかしいトコは無い
・ファームは(v5.3Cを除き)関係無い
・純正OTGケーブルも問題無い
・UAPPのオーディオデバイス動作リストにxDSDが載ってるのは間違いない
・PocophoneはUSB OTGにちゃんと対応している
・しかしDSDや192kHzのようなハイレゾフォーマットをリサンプルレスで再生不可能

 従って、目下一番の問題は「PocophoneからxDSDへの音楽データ伝送状況を確認し、その上でDSDネイティブ&ビットパーフェクト再生出来るように設定変更する」ってのをどうすれば実現出来るか、である。
 ……どうしたもんだろう……(溜息



※追記[200705]:

 Pocophone F1でUSB-DACを使ってビットパーフェクト再生、出来ました。
 但しxDSDではなく別のPHPAでの話。詳しくは此方の記事を御覧下さい。

2019/03/07

モバイルとかオーディオとか雑感

 まさかの一年以上の放置に我ながら草生えますよwwwwwwwwww



 …………いや、私生活が色々と慌ただしくてですね。プラモは積みっぱだしオーディオも特になーんも買い物してないし。ちゅーか諸事情あって一年通してテンションがだだ下がりでブログ更新する気力が無かったワケでして……(※言い訳になっていません

(実はこっそりと一回だけ更新していたりするのですが、悩んだ末非公開にして引っ込めてあります。ぶっちゃけ読んで楽しい話でもないので……まあ、気紛れで再公開するかもしれませんが)

 しかし、2019年に入ってから買い物を少々致しまして。
 具体的に言うとスマホとポタアン。DAPを兼ねて愛用していたLG V10(LG-H961N)がスマホゲーをプレイ中に突如フリーズ→まさかの   という最悪のぶっ壊れ方を見せつけてくれやがりまして、代替として格安ハイパワースマホ+USB-DAC内蔵ポタアンの組み合わせを検討、実際に仕入れた次第。
 どちらも中々面白い、つーかとても良いモノだったので、簡単に雑感など記させて頂こうかと。


<スマートフォン雑感:Xiaomi Pocophone F1(Poco F1) ファーストインプレッション>

 日本国内で正規に取り扱いのある中国のスマホメーカーで、恐らく最も有名なのはHuawei(ファーウェイ)だろう。OPPO(オッポ)も正規販売されているが、Huawei程の知名度は無いと思われる。
 一方、今回購入した機種の製造元であるXiaomi(シャオミ)は日本国内で正規販売されていないメーカーである。しかし中国国内や欧州のグローバル市場に於いてはそのコスパの良さから人気が高い。日本でも、熱心なガジェッターが欧州や香港、シンガポール等に拠点を置く海外の通販サイトから個人輸入している模様。
 かくいう自分も、かつてV10をEXPANSYSという英国の通販サイトから個人輸入したのだが、今回はEXPANSYSではなくETORENというサイトを利用した。購入手続きは至ってシンプルで、クレカやPayPalアカウントを利用すれば支払いもスムーズ。普段から密林や楽天で買物をしていれば、先ず問題なく購入出来るだろう。

 さて、肝心の機種そのものについてだが。
 此度、V10の代替としてのスマホを買うにあたって考慮したことは、

・ハイパワー
・低価格(出来れば50k以下、最悪でも60k以下)
・microSDカード対応
・USB-C端子搭載
・3.5mmミニプラグ搭載
・Bluetoothコーデックの充実(特にaptX HDとLDAC)
・ハイレゾ音源(DSD等)再生可能

 ……この七つ。尤も、特に重視したのは上から四つまでで、下の三つはあれば良いかな、という程度だったけど。
 そんで色々探した結果、当初はASUSのZenFone 5ZとHuaweiのnova3が候補に上った。ハイレゾ音源への対応は微妙な所だったが、どちらも国内で正規に扱われている機種としては値段とパフォーマンスのバランスが良さ気(Zenfone 5Z:60k前後、nova3:50k前後)で、後は安さを取るかスペックを取るかで悩んでいた。
 そんな時、SamsungのGalaxy Note9が先程の条件の内、価格以外の全てを満たしていることを知り、猛烈に欲しくなったものの日本国内では大手キャリアの内二社(auとdocomo)からしか正規販売されていないことで敢え無く断念――したかと思いきや、中古スマホショップのイオシスで新品同様の品がSIMフリー状態でフツーに買えると分かって混乱し始める。……「いっそ奮発して全部入り買っちゃうのもアリじゃないか…?」とか本気で考え出しては即否定、を何度繰り返したことか。

 Note9の存在を知ってから、どっかで安く買えるショップ無いかなー、とネットを漁り続けていたのだが、そんな時にEXPANSYSでSIMフリーのグローバル版が80kそこそこで陳列されているのを発見。ここでようやく、「かつてV10を買った時と同じ真似をもう一度やる」という選択肢に思い至り、日本国内で正規販売されていない機種も含めて条件に合う機種を再検討。
 すると、一つとんでもない機種が見付かった。今回購入したXiaomiのPocophone F1である。

・ハイパワー(Snapdragon 845+RAM6GB+液冷機構)
・microSDカード対応
・USB-C端子搭載
・3.5mmミニプラグ搭載
・aptX HD、LDAC対応
・大容量バッテリー(4000mAh)

・低価格(ストレージ64GBなら30k台前半、128GBでも30k台後半)

 ――――コレだッッッッッ!!!!!、と思いましたよえぇもう。

 その後、カラバリにArmored Editionというリアにケブラー素材を使用した特殊モデルがあることを知り、これなら方々で言及されていた安っぽさも多少はマシになるかしらん?、と思って取扱店を捜索。先述したETORENを発見し、購入に至った次第。
 尚、Armored Editionはストレージ容量が128GB固定且つ値段がちょい高め(40kちょい)だった。それでもSDM845搭載機としては破格もいいトコだけど。

 長々しく鬱陶しく購入経緯を語ってしまったところでPocophoneの雑感だが、

 なんじゃこのヌルサク感は?!

 現在、通話用のケータイはHuaweiのP10 Liteを使用しており、コイツも中々値段の割にはよく動いてくれる。が、スマホゲーなんかをやっていると結構熱持ってカクついたりすることがしばしば。……それでもお亡くなりになったV10よりは軽快だが。
 しかしPocophoneのレスポンスは正にケタ違い。ブラウジングは当然のこと、ゲームでもほぼカクつきが発生しない。剰え、プレイヤーを起動しバックグラウンドでBluetoothイヤホン使って(aptX接続)音楽聴きつつスマホゲーをプレイしても、殆ど支障が無い。……こんな真似をP10 Liteでやればかなり負荷掛かるだろうし、V10でやろうものなら果たしてどうなったことやら…
 SDM845という現行トップクラスのSoC、6GBの大容量RAM、極めつけにゲーミングマシンさながらの液冷機構というトリオが齎すパフォーマンスは「快適」の一言に尽き、その上4000mAhの大容量バッテリーのおかげでやたらこまめに充電する必要は無いと来た。……正直、これが日本国内で正規販売されようものならXiaomiの天下は確実だろう。だってコスパが化物過ぎるもの。つか安過ぎて笑える。草生えますよwwwww

 彼方此方で言われているPocophoneの欠点、「見た目」「カメラ性能」「対応バンド」だが、私的にはスペック最優先で購入したので殆ど気にならないかなあ。むしろカメラ性能は十分過ぎる程綺麗に撮れるのでとても驚かされた。ま、見た目のチープさと対応バンドの狭さは同意出来るが、どのみちジャケット被せるしバンドもソフバン系がほぼフル対応しているので実用面は問題無いだろう。強いて言えば技適パスしてないの最大の欠点か。個人輸入やる次点で既に分かりきったことだが。
 なんでもXiaomiスマホの中国国内向けモデルはGooglePlayがインストールされていないらしく、グローバル版でないとGoogle系アプリは利用出来ないとか何とか聞いていて、届いて起動する前は内心おっかなびっくり状態だったのだが、ちゃんとPlayストア使えるしChrome入ってるので何の問題も無かった。てか日本で正規流通していないにも関わらずOSが完全対応している辺り、グローバル企業ってのはよく分かってらっしゃる(?)ねえ。

 一つ誤算だったのは、事前にネットで調べて付属する充電器がC型プラグらしいので日本仕様のA型に変換するコネクタ?アダプタ?を購入しておいたのだが、実際に到着したArmored Editionに付属していたのはなんとBF型という……おかげさまでAnkerのQuickCharge3.0対応充電器を別途購入するハメに。トホホ…
 他、ガラスフィルムや耐衝撃ジャケットも購入したので、そういったオプションだけで5k程掛かっていたり。尤も、フィルムとジャケットはPocophoneじゃなくても買い揃えていたはずなので、必要経費のようなモノです。

 70kや80k、或いはそれ以上するようなハイエンド機程見た目のプレミア感は無いが、中身がそれらとほぼ同等で価格は凡そ半額かそれ以下という圧倒的なコスパはやはり魅力的。無論、いざという時の保障は無きに等しいがそれを補って余りあるお買い得さの一台と言えよう。
 所々で言われてるが初めてのスマホ個人輸入にもオススメ。この機会に64GBモデルをサブ機として如何?


<ポータブルヘッドフォンアンプ雑感:iFI Audio xDSD ファーストインプレッション>

 さて。
 スマホを上手い事格安で新調出来たは良いが、V10で再生出来ていたDSDファイルがこのままではストレージの肥やしと化してしまうぞどうしよう、となった次第。

 ……とは言うものの、そもそもそんなにDSDファイルを数多く持っている訳ではないので、ぶっちゃけ無視しても良かった。しかし、これでもなんだかんだ言って一時期イヤフォンヘッドフォンを少ない懐をどうにかやりくりしてチマチマ買い増やしていたくらいにはオーディオを趣味としていた身。どうしてもハイレゾ音源を十二分に再生出来る環境を維持するべく、今度はDAPを捜索することに。

 スマホをどうにか安く抑えられたとは言え、トータルで50k近い出費だった以上、DAPはなるたけ安く抑えたいところ。必然、低価格帯を捜索するわけだが……コレが中々どうしてしっくりこないから困る。かと言って高価格帯はハイスペックな分価格の青天井加減もいいトコで、そんなもん付き合ってられぬ。六桁とか気が狂っとるとしか思えん…
 大体、V10を入手した時も感じたが、「……何で据え置き(デスクトップ)よりポータブルの方がDSD対応してたり環境スペック高くなっとんねん!?」というか……いやHP-A3ってUSB-DACとしては結構初期の方の製品だし、仕方無いこととはいえ…

 んで気付く。
「――あ。そうか、DAPじゃなくてPHPA(ポータブルヘッドホンアンプ)でも良いんか!」

 別にDAPを買わずとも、USB-DAC兼用PHPAを購入してスマホと繋げばポータブルリスニング環境としては申し分無い。スマホではなくデスクトップに挿せばそのまま据え置き環境化するし、自分の使い方にはDAP買うよりもその方がマッチするんじゃないか?、と。
 そこで目を付けたのが前々から気になっていた英国のオーディオメーカー、iFI AudioのxDSDと呼ばれる一台。最大でPCM(DXD)768kHz、DSD11.2MHzに対応し、最近出たばかりのハイレゾフォーマットMQAもドライバ次第で再生可能という超ハイスペック。更にaptX・AACの両Bluetoothオーディオコーデックにも対応し、高級Bluetoothトランスミッターとしても運用可能、と至れり尽くせりな製品である。
 だが如何せん価格が60k弱と結構高く、懐事情が世辞にも豊かとは言えない身ではちと手が出し辛い。Pocophoneと合わせると110kレベルの出費になりかねず、それではGalaxy Note9のSIMフリーを購入したのと大差無くなってしまう。

「むむむ……しかしアレ程のハイスペック(対応フォーマットの幅広さ)とBluetoothによる気軽なワイヤレスリスニングを両立可能な製品って同価格帯だとFiiO Q5くらいしか無いし、DAPでUSB-DACとしても十二分に活躍できそうなのって大分高くなるぞ…」

 ――と、悩んでいた矢先。
 某有名オーディオショップで、偶然にも月末のセールにより何と15%引きでxDSDが買えるようになっているのを目撃してしまった。

 …………まあ、その、なんだ。
 そういうしょーもない経緯(?)で、xDSDをIYH!してしまったのである。

 実際にxDSDを手に取って最初に思ったのは「小ッッッッッさ!?」である。自分の掌に丁度すぽりと収まりそうなサイズで、これで実売60k弱とかオーティオの世界って本当に頭イカれてるんやなって…
 取り敢えず簡単に実験として、Bluetoothから試すことに。ポリュームノブのLEDが青くなるまで長押しして電源を入れ、先ずはPocophoneとペアリング。勝手にaptXで繋がっていることに感心しつつ、事前にインストールしたNeutron Music Playerを起動。文鎮と化したV10から引っこ抜いて中身整理した後にPocophoneへ挿したSDXCから、適当なFLACを選択して再生。尚、出力先はATH-ESW9。

 先ず驚いたのは、こんな小さい筐体の何処に此程の出力があるのかということ。ESW9は別に鳴り難いヘッドフォンではないが、しかし何というか、こう、頭の中や周りにぶわっと音楽が広がる強い感覚があって、決して爆音では鳴らしていないにも関わらず強烈な印象を叩き付けてきた。……我ながら、上手く言葉で表現出来ないのがもどかしい。
 HP-A3やV10も中々の鳴り方をしていたと思うが、xDSDはそれらよりも音が鮮明で、所謂「表現力」的な部分がかなり優れているように感じられた。折角なので手持ちのイヤフォンも色々試してみたが、「あれ?コイツってこんなイイ鳴り方してたっけ?」と何度も思わされて、逆説的にxDSDのポテンシャルを実感することに。
 また、ギャングエラーの心配無く音量を取れるのが地味に有難い。HP-A3は低音量だとかなりギャングエラーがキツく、大抵のイヤフォンや高感度のヘッドフォンでは音量が大きくなりがちだった。一方V10はギャングエラーこそないものの、ボリュームの段階がやや荒く、丁度良い塩梅で調整し辛いのが厄介だった。xDSDはそういった心配をしないで済むので、ストレスフリーである。

 Bluetoothでも此程音が良いなら、USB直結ならどうなるんだろう……とワクワクしつつ、引き続きUSB入力を試すことに。実はxDSDと一緒にiFI純正のType-C USB OTGケーブルを購入しておいたので、それを使用してPocophoneとxDSDを直結。再生を開始。

 ……………………トラブル発生。音が出ねえ。

 ボリュームノブを回して音量を上げても音が出ない。Pocophone本体の音量を上げても変化無し。Neutronの設定をアレコレ弄ってもダメ。というか変なノイズが聞こえてきた。やべえ。
 USBを抜き差ししたり、プレイヤーを一旦タスクキルしてから再起動したり、PocophoneとxDSD自体を再起動したり、Pocophoneをファクトリーリセット掛けたり。兎に角何をやってもダメ。鳴らない。えぇ…
 じゃあファームはどうだ、おぉ丁度良く最新ファームv5.3Cとかあるやんけ試したろ、とファームウェアアップデートを実行。アプデ完了後にもう一度直結して再生。しかしやっぱり鳴らず、Neutronとは相性が悪いのか?、と考えてNeutron以外のUSB出力対応ミュージックプレイヤーアプリを導入してみたが全てダメだった。マジか。
 ならそもそもAndroidとは相性が悪いのか、と思い付属品のUSB3.0ケーブルを使用してMBPに繋いでみる。Audio MIDI設定を開くとちゃんとデバイスが認識されていて安心。しかしこっちでも音が出なかった。……………………なんで??(涙目
 なんだよもう、じゃあBluetoothでしか運用できないじゃんよ、とMBPとペアリングさせて適当に音を出させようする。そして焦る。Bluetoothでも再生できなくなっている。…………ちょっと待てちょっと待てねえちょっと待って……?!

 正直な話、この時点で購入店に初期不良扱いで返送することを本気で考えていた。ああどうしよう不良品掴まされた、くそうやっぱり英国面は信用ならんやはり最近は中華や韓国あたりがベストバイか、なんて思考していた辺り、相当混乱していたのだと思う。
 しかし翌日、そういえばv5.20~5.2Bのファームを使えばMQAは使えなくなるけどDXD768kHzやDSD11.2MHzが再生出来るようになるんだっけ、と思い出し、一縷の望みを託してファームのロールバック(→5.2B)を決行。すると――――――――無事に、音が出た。それもUSB直結で。Bluetoothも問題なかった。バッチリだった。

「――――MQA対応のせいかあああああアアアアアッッッッッ!!!!!」
 MQAなんて要らんかったんや!何だよオーディオ折り紙ってふざけんなコンチクショウ……!!(※酷い言い掛りです

 ……本当ならHP-A3とか未だにポータブルとして愛用しているJ3やnano(6th)辺りと音質比較するのがネタ的に良いのだろうが、流石にこういうアクシデントがあるとそんな気力が残っているはずもなく。その辺はまたいずれということで…
 下らないトラブルでかなり複雑な心境に陥ってしまったものの、きちんと使えるのであれば有線でも無線でもイイ音が楽しめる優秀なデバイスだとは思う。うん。はず。
 その内v5.3のファームに戻してみてもいっかい調子見てみようかな……どうもv5.3Cは公式のアナウンス見るとちょっと仕様が特殊っぽいし…


 このまま引き続き一昨年の年末からやってるスマホゲーの雑感でも書こうかと思ったのだが、流石に長くなり過ぎるので一度筆を置くことにする。
 今年は多少更新出来るといいなあ…