2021/03/18

据置型HPA/DAC複合機雑感:RME ADI-2 DAC FS 3rd(+α)

 New HiBy R6 2020の国内正規流通が始まっても、未だにIYHに踏み切れない今日此頃。
 ……まあそれは兎も角として。

 昨年に購入してそのハイクオリティに仰天したRMEのADI-2 DAC FSだが、実はつい最近までイヤフォンを挿して使ったことが無かったり。
 ずっと憧れだったDT1990PROや、ATH-WP900、T60RP辺りでしか使っていなかったので、此処等で一度ADI-2 DAC FS相手にイヤフォンとっかえひっかえしてみるかー、と画策して実行してみた次第。
 マニュアル見る限り出力インピーダンスが頗る安定しているADI-2 DAC FSなら、インピーダンス特性ややこしそうなBA多ドラだろうがハイブリッドだろうが何でも十全にドライブしてくれるだろうし。それに最近殆どイヤフォン使ってなかったんで。

 比較対象はXD-05 Plus(with MUSES03*2&05BL Pro)。
 音源はFLAC96kHz/24bit。XD-05 PlusはLDACで。
 イヤフォンはKlipsch X10、Westone4R、TripleFi 10を使用。

 先ず最初にXD-05 Plusへイヤフォンを繋いで、ざっくりと各イヤフォンの音を確かめてみた。…………余りにも久しぶりに使うもんだから違和感が凄え。(汗
 この時点で何となく思ったのは、

・……X10曇り過ぎじゃね??(滝汗
・TripleFi 10はバランス良いなー、クリアじゃん
・Westone4Rは聞き始め微妙だけど耳が慣れれば悪くないかなー?

 X10に「コイツこんなしょっぱい鳴り方だったっけ…」と思わず肩を落としながら、ADI-2 DAC FSをスタンバイ。バッテリー(RP-PB201)とUSB PDトリガーケーブル(12V)を繋いでIEMジャックのホコリ防止キャップ外して、先ずはX10から鳴らしてみた。


「――――ぇ、ちょ、何コレ……(震声」
 さっきまでと鳴りっぷりが(良い意味で)まるで違うんですけど一寸一体どういうことなの……?!


 帯域バランス自体は特に変化していないが、所謂「解像度」が全然違う。正にケタ違い。「音像」が非常に明確で微細になった。一瞬別のイヤフォンかと思ってしまった程。
 驚きを引き摺ったままWestone4Rにシフト。…………やはり初っ端からして鳴りっぷりが違いまくり。XD-05 Plusでは微妙だった聞き始めがADI-2 DAC FSなら全く問題無い。うわぁ…
 ラスト。TripleFi 10。元々クリアっぽい聞こえ心地だったが、ADI-2 DAC FSだと更に一皮剥けた感じが得られてしまった。…………何ともはや……(頭を抱える


 結論。
 ADI-2 DAC FS、凄ぇ。


 いやXD-05 Plusも決して悪いアンプではないと思うのだが、……ADI-2 DAC FSは実際に値段の桁が違う(※XD-05 Plus:5桁、ADI-2 DAC FS:6桁)だけあるというか。差ァ在り過ぎ。
 ……そーいや、以前ATH-WP900をADI-2 DAC FSのIEMジャックに挿してみたらXD-05 Plus使用時より自然な聞こえ方してたような気が。特に低音。量はそのまま、輪郭が明確になることで「低音過多」感が随分と薄れていたっつーか。

 …………まあ、価格差考えたらコレくらいの音質差は在って然るべきなのだろうけど。オペアンプ交換してカスタムした上でも40k以内のXD-05 Plusと、現在128kだが元々は160kクラスの製品であるADI-2 DAC FSが同じ音だったら流石に後者の立つ瀬が無さ過ぎる。
 以前、XD-05 Plusと売却したxDSDとを比較して「解像度的にはXD-05 Plusの方が良さそう?」的な感想を述べたように、XD-05 Plusの音も決して悪くはない、はず。…………あくまで、単純に、ADI-2 DAC FSが価格相応に高音質過ぎるだけで。(超遠目



 閑話休題。
 冒頭でちょこっと言及したNew HiBy R6 2020について。

 流石に値段が値段なので(※公式レザーケース込100k)、慎重にTwitterを始めとした野良レビュー等を調べているのだが、…………何故かやたらレビュー少なくて困惑中。
 某匿名掲示板のスレを見ても参考になりそうな情報が殆ど無く、おまけに現在殆どのショップで品を切らしているので衝動的IYHも出来ないと来た。むむむ…

 代わりに現在気になって来ているのが以下の二機種。
・HiBy R5 Saber
・Shanling M3X

 何故にこの二機種を注目しだしたかというと、最近になって「やはりバッテリーは長く保つに限る、…………かな??」と考えてしまったから。
 バッテリーの劣化速度は充電回数に比例するので、やはりこのテのガジェットを長く使い込みたいなら、最初から連続駆動時間の長い機種を買ってしまう方が良かろう、と。

 HiBy R5 Saberは先日New HiBy R6 2020と同時に国内での正規流通が始まった機種で、無印版のマイナーチェンジ、もといブラッシュアップモデル。チューニングやオペアンプの変更により音の傾向が変わっているらしい。
 連続駆動時間が十数時間はあり、New HiBy R6 2020と比較した場合、一回の充電で約二倍の時間使う事が出来るのは魅力的。

 一方Shanling M3Xは未だ国内未発売。しかし代理店からのアナウンスが丁度あって、曰く3/26(日)から発売されるそーな。
 最大の特徴はR5 Saberをも凌ぐ連続駆動時間で、シングルエンドなら20時間以上を謳っているというのだから驚き。バランスでも19時間と相当な長時間。れっきとしたAndroid DAPでこの保ちの良さは出色の出来だろう。


 基本的に自分の手持ちだと、自宅で音楽を聞くならイヤフォンでもヘッドフォンでもADI-2 DAC FSに繋ぐのが音質的には最善である。バッテリー駆動化してるからそこそこ機動力確保出来てるし。
 しかしそうは言っても「家の中を動く分には問題無い」というだけで、聞きながら歩き回るような真似は流石に不可能。XD-05 Plusなら青歯使えばそれっぽいことは出来るが、アレも結構嵩張るのでやはりもうちょっとミニマムな再生環境が欲しい。
 ……まあAP80という超ミニマムな再生環境を既に持っているのだが。とは言えコイツには「ADI-2 DAC FS用USBデジタルトランスポーター」という役割を担わせており、しかもソレに伴って3.5mmジャックをダストキャップで塞いでしまっているので、今更AP80をメインDAPとして重用する予定は今の所無い。

 バッテリーの保ちが10時間以上あり、4.4mmバランス端子を搭載し、サブスクを使えるAndroid OSのDAP、という条件を満たそうと思うと選択肢はそうそう無く、HiBy R5 SaberかShanling M3Xくらいしか候補がないのである。

 ……ところで、我乍ら以前は「ADI-2 DAC FSが対応してるから光出力端子が欲しいなあ」とか言ってたワケだが、…………もう別に無くても良いやろ、というか。(ぇ
 いや光出力を備えてる機種では動作のマトモさと価格を両立出来ないのですよ。やっぱDAPに100kオーバーは幾ら何でも勿体無いって…!(遠目

 取り敢えず、M3Xの発売日がめでたく確定したので毎度の如く少し様子を見る所存。購入するにしても評判を多少確認してからにしたいし。無論海外レビューも含みで。
 AmazonMusicがフツーに安定して使えるなら言うこと無いが、さてどうなるか…