2022/07/21

お買い物々色々雑感

 折角開設した呟き帳が、音響等趣味ネタよりも最近衝撃を受けたとあるトピックに絶賛侵食されまくっているというヲチ。
 いやしゃーないねんあんなん、まさかアレの話題がこんな昨今の国内を騒がすとは思っとらんかったんやて…

 前々回、呟き帳開設のお知らせを挙げた際に、最早恒例行事と成り果てている衝動買いで「CHIKYU-SEKAI[地球世界] 5/COSMOS」と「Symphonium Audio Helios」の二つのIEMを仕入れた事に触れたが、……………………まっことアホな事に、あの後更にもう一つIEMを購入してしまったり。「RAPTGO HOOK-X」である。
 つまり、この短期間に三機種も(一般人目線で言えば)高級イヤフォンを買い漁っているワケで。………………………………まあ、完全に病気ですねえ…………(引攣笑
 既に呟き帳でごく簡単にその音について触れているHOOK-Xだが、使っていて結構面白い機種なんで、ちょっと確り目に文章連ねてみようかと。

 ――で。
 折角の機会だし、この際併せて、

同じく未だ呟き帳でサラッと触れただけの5/COSMOS
ドッと増えた高級機達に見合う物を、と仕入れた少々お高いイヤフォンケース

 更にも一つおまけに、

今年度に個人輸入して現在メイン運用している中華タフネススマホ

 ――と、年度内の購入物を纏めて雑に御紹介する所存。
 ……財布の紐を締めるどころか一層ガバガバになってるって? アーアーキコエナーイ(現実逃避


<イヤフォン雑感:CHIKYU-SEKAI[地球世界] 5/COSMOS>

 去年一昨年から散々衝動買いIYHを繰り返して、その度にもうコレ以上は止めておこうと自戒しているにも関わらず、ユニークな新製品やら評判の良い定番機やらをボーっとネット上でウィンドウショッピングしてしまうのが最早日常と化しているワケだが、5/COSMOSはそんな折に見付けたIEMである。単純に、清流を思わせるその透き通った見た目に惚れてしまい、思わずポチッとな。
 その頃は丁度、未だ始まって間も無いHeliosのプロモーションイベント割引に乗っかるか否か悩んでいた時で、しかも偶々偶然、密林で50k未満まで値下がりしていたもんだから、「……Heliosの、円で100k超って値よりは安い、安い!」とか要らん事考えちゃったのがダメだった。冷静に考えれば「いやナニ言ってんのお前??」って話でしかない。(乾笑
 そも、「てかその後結局Heliosも買っちまってんじゃねーか!?」と言うね……(遠目



 さて5/COSMOSだが、既に呟き帳で触れているように、実は中域以下が想像以上に確り鳴るタイプのIEMだったり。見た目だけだと中域以上にフォーカス置いたスッキリサッパリサウンドを予想し易いが、割と逆の傾向故に注意。
 ただ、中域以上が曇ってる籠もってると言う事は決して無く、むしろ解像感高く明瞭に鳴らしてくれる。まあ中域以下が強いのは、ロックとか掛けるとベースなんかの量感が凄くてびっくりする一方、ジャズやクラシックなら重厚感を演出してくれもするし、ぶっちゃけ曲次第だろう。

 筺体は軽量で小振り。DUNU Studio SA6Thieaudio Oracle程ではないがそこそこ外耳孔周辺に沿った形状をしており、適切なイヤピを使用すれば装着感は問題無い筈。一点、ノズルにイヤピ保持用の引っ掛かりが無いのには気を付けるべし。
 付属ケーブルは3.5mmプラグの純銀線。バランス接続したいならリケ必須。自分は当初、ストックしてあるNICEHCK SpaceCloudを使っていたが、どうせなら線材を付属と揃えようと思い、FD5で愛用しているKBEAR Limpid Pro KBX4913の4.4mm2pin仕様を追加購入して使用中。しかしどうやらSpaceCloudを使う方が鳴りにメリハリは出るっぽく、全体的に音を引き締めたいなら銀線は非推奨かも。

 5/COSMOSの後に購入したHeliosは非常にモニター(ヘッドフォン)ライクな音だったが、アレと比較した場合5/COSMOSはかなりリスニング寄り。手持ちの同価格帯ならOracleやSA6の方が未だなんぼかモニター的。5/COSMOSは低音の量感がDDを積むハイブリッド機のOracle以上でちと過剰。
 一応、中域〜高域の質感自体は明瞭かつ繊細で解像感も高いので、低域が控え目な曲を選べばシェルの透明感を彷彿とさせる音を味わえるが……手持ちだと5/COSMOS以上に低域が強いと感じる機種がFD5くらいなもので、フルBAだの見た目だのと言った前情報と余りに裏腹なバランスに少々困惑気味。
 上述したが、何故か純銀線よりもSpaceCloudのような銅線の方がメリハリが効いてむしろ低音の過剰感が薄れるので、付属ケーブルもとい純銀線の音に首を傾げるならリケを強く薦める。インピーダンス特性が複雑な多ドラ構成、かつ非常に高能率低抵抗(109dB/7.7ohm)な機種なので、ケーブルに影響を受けやすいのだろうか……?

 ――と、此処迄随分と5/COSMOSをディスってしまったが、その実そんな気に入って無いワケじゃ無かったりする。
 と言うのも、先程引き合いに出した手持ちの同価格帯であるOracleとSA6に対して、5/COSMOSには「Oracleの、ESTに由来?する高域の目立つシャリ付きが無い」「SA6の、中域以上に感じられる鳴りの粗っぽさと、低域の薄さが無い」というアドバンテージがある故。それでいてBA機らしいキメ細かさも備わっている為、ホントは割と気に入っていたりするんだなーコレが。

 ケチ付けたいのかそうじゃないのかよく分からん調子になってしまったが、とどのつまり「正直意外だったけど速攻売り飛ばす程悪くは決して思ってない」ってトコ。何だかんだ言って直近の機種なだけあり解像感もといHi-Fi感、或いはハイレゾ感はあるし、フルBA機ながらハイブリッド型やDD機に匹敵する低音を鳴らせる、ってのはやっぱ優秀。
 ミドルクラス(¥50k前後辺り?)でイヤフォンを探しているなら、購入候補に入れる価値は十分あるかと。中域~高域の明瞭感と、低域の量感を両立させたいなら良い選択じゃないかねー。


<イヤフォン雑感:RAPTGO HOOK-X>

 つい先日(22/07/08)発売されたばかりの、「14.2㎜平面駆動ドライバ+18レイヤー(両面9層?)圧電(PZT)ドライバ+オープンバック(開放型)」という、全く聞いた事の無い非常にユニークな構成の機種。
 どうやら此処最近、平面駆動型IEM、それもアンダー40kの比較的リーズナブルな価格帯の製品が中国メーカーから色々と発売されてるようで、HOOK-Xはその中でも構成の独自性が一際目立つシロモノ。

 恐らく、このカテゴリの先駆者は昨年八月に発表された「7Hz Timeless」だろう。平面駆動型イヤフォン自体は米国AUDEZEがiSINEシリーズをとうの昔に発売しているが、外耳孔周辺に収まるサイズのIEMで平面駆動ドライバを積み、その上でドライバーサイズが14㎜クラスというモノは、自分が知る限りではTimelessが最初だったハズ。
 そして現在、「TINHIFI P1 Max」や「MUSE HiFi POWER」、「LETSHUOER S12」、「TRN Kirin」等、14㎜クラスの大型平面駆動ドライバを載せた機種が矢継早に発売されている。HOOK-Xは此等の中でも最も高価、また最も構成が特殊って事で、……ついついうっかりIYH欲を抑え切れなかった次第。(煤笑


 受領して先ず驚かされたのはパッケージングの丁寧さ。モジュラープラグは2.5/3.5/4.4㎜端子の全てに保護キャップを被せてあり、箱の造りや感触も凝っている。イヤピが豊富に付属するのもポイント高め。
 以前SA6を手に取った時も思ったが、「中国製品は安かろう悪かろう」なんて時代はもう終わったのだな……と、つい黄昏てしまったり。

 呟き帳でも既に触れたが、事前に海外レビューをありったけ読み込んで「解像感に振った鳴り方ではない」事は承知済だった。それでも、実際にその音を聞いてみるとマジにその通りで思わず苦笑。
 解像感の暴力めいた容赦無いモニターサウンドを展開するHeliosや、低音の量感こそ豊かだが上から下まで緩くは鳴らさない5/COSMOS等、直近に解像感が確かな機種を使っていたからこそ、それは一層よーく分かった。特にHeliosはあからさまに解像感が違い過ぎて、このくらい差ァありゃオーディオに興味無い人でも絶対分かるだろうなー…、なんて。

 ではHOOK-Xは曇ってたり籠ってたりする悪い意味で鈍い音なのかというと、断じて否。
 むしろかなり面白いというか、一聴しただけでは良さが分かり難く、じっくり長く聞き込み使い込む事でその強みを理解出来る、スルメめいたイヤフォンだろう。

 解像感こそ確かに特別高くはないHOOK-Xだが、意外な事に分離感が滅法優秀で、音楽の構成要素を想像以上にきっちりバラしてくる。加えて圧電ドライバ、またの呼び名をピエゾドライバの効果か、高域にOracle(のESTドライバ由来?)のシャリ付きにも似たザラつきを感じられ、解像感を抑えた緩めの鳴り方の中に適度な刺激を伴った、何ともユニークな音像を体験出来る。
 また、crinacle等で周波数特性を見ると低域の出方が中々強そうに見えるが、実際は確かに量感こそあれど、圧が適度に抜けた聞き易い響き方をしている。グラフ上では何とFD5と同レベルの強さで、向こうは「ズドンシャリ」という形容に違わぬ重い低音が聞き疲れを招き易いのに対し、HOOK-Xは長時間でも問題無く聞き流せる。構造上抜けが良く圧を逃がし易い、開放型ならではの利点と言えよう。
 更に、シェルの形状が絶妙で外耳孔周辺への収まりが頗る良好。この「抑え目な解像感+開放型故の負担の少なさ+優秀な装着感」という三点の相乗効果により、長時間の聞き流しが大変快適。原音というより、良質なスピーカーからフロアに流れているBGMをながら聞きしているような、そんな感覚でリスニングを楽しめる。

 ――と、此処迄結構べた褒めだが、流石に(一般人目線で)高級イヤフォン入門初っ端の一本にHOOK-Xを選ぶのはオススメしない。
 何故なら、本機は「開放型」である。そりゃもうフツーに音が漏れまくる。開放型ヘッドフォンよろしくスピーカーもかくや、って程では無いが、それでもガッツリ音漏れするので基本的に屋内や、周辺に人の居ない環境下での使用が推奨される。
 彼方此方狭っこく他人との物理的距離を取り辛い日本では、こーゆータイプの音響機器は大っぴらに使えるシーンが限られてしまう。通常、イヤフォンによるリスニングは屋内より屋外がメインのハズで、それを踏まえるとHOOK-Xは「イヤフォンの癖に外で使い辛い」という、随分ニッチでマニアックな製品なのだ。

 それにまあ、イヤフォン沼の最初の一本なら、もっと安直にハイファイ的というか、所謂高解像度やフラットバランスを評価されている機種の方が良かろうよ。Moondrop[水月雨]のBlessing2やKATOとか、最近のだとSoftearsのVolume辺りも良いんじゃないかねー。
(何気に国内・欧米メーカーから30k前後のIEMが全然出てなくて、殆ど中国メーカーばっかになってるのが切ないっつーか…)
 HOOK-Xは自分のようにIEMを複数持っている酔狂な人間が、その風変わりな構成に興味を覚えてポチり、その聞き易く整った鳴り方に感心しサブ機の常用枠に据えて、専ら自宅でのトランスポータブルリスニングに駆り出すような、そんなイヤフォンではなかろうか…、なんつって。

 一点、HOOK-Xを取扱う時に注意したいのが「ケーブルが布巻である」事。
 別にHOOK-Xに限った話じゃないが、布巻シースは「ベルクロに滅茶苦茶引っ掛かり易い」。そして一度引っ掛かってしまうとそこから簡単に解れていってしまう。後述するイヤフォンケース等、中の仕切りにベルクロ使ってるトコへHOOK-Xもとい布巻ケーブルを仕舞う時は要注意。マジで絶対注意。


<イヤフォンケース雑感:MITER キャリングケース>

 昨年にSA6を購入してからというもの、我乍ら高級IEMが怒涛の勢いで増えている。

・DUNU Studio SA6
・Unique Melody 3D Terminator
・FiiO FD5
・Thieaudio Oracle
・CHIKYU-SEKAI[地球世界] 5/COSMOS
・Symphonium Audio Helios
・RAPTGO HOOK-X

 ……いや幾ら何でも増えすぎだろ!?
 つーかコレ合計額なんぼ――――ぇ゛、30万オーバー? つーか40万が危ういって??
 う、うごご…………(悶絶

 …………懐が加速度的に貧しくなっている事にはこの際目を瞑るとして、問題は「収納」である。イヤフォンそのものの。
 基本、どの機種にもイヤフォンケースやポーチの類が付属しているっちゃいるが、モノによっては到底使い難い場合がままあり、都度個別にケースを購入するのもぶっちゃけ辛気臭い。
 そこで複数機を纏めていっぺんに収納出来る、大型のキャリングケースの購入を決断。今回紹介する、韓国メーカーMITERのケースに行き着いた。武蔵野レーベルという国内ブランドにも同様の製品があり、そっちの方が少し多機能だったが、今回は洒落っ気を採ってMITERのモノを御買上げ。


 手に取ってみた感じ、成程確かに確りした造り。外側の合皮、内側の起毛素材(スエード)、何方も質感良好。
 付属する大小合計五つのパーティションを全て使う事で、収納スペースを最大六分割でき、自分は六分割した上で上述の七機の内FD5とUM 3DTを除く五機を収納することにした。FD5とUM 3DTは付属ケースが優秀なのでこっちに入れる必要は無かろう、と。

 単なるイヤフォン用キャリングケース如きに7kも出すのはそこそこ抵抗感あったが、しかし1.2kくらいするハードケースをIEMの数だけ購入してもそんな値が変わらないのよなー。だったらこっちの方が見た目スマートかねえ、と奮発してみたが、実際狙い通りになったので概ね満足。磁石で閉じられたフリップを開けて、パーティションで区切られた中からIEMを取り出す様は、宛らジュエリーボックスのよう。
 ……と言うかコレやってる事完全にジュエリーボックスの拡張版である。まあ自分が仕舞ってるIEMの値を考えると最早ちょっとしたジュエリーじみてもいるし、こんなもんかもしれぬ…

 注意点は「布巻ケーブル」を仕舞う時。パーティションの末端にはベルクロが貼ってあり、此奴がケース内側の起毛素材を噛む事で位置を固定する仕組みだが、HOOK-Xの項で触れたように、布巻シースを採用するケーブルはシースがベルクロに滅茶苦茶引っ掛かり易い。
 引っ掛かりが浅ければ軽傷で済むが、深々と噛んでしまった場合ほぼ確実にシースがほつれてしまう為、布巻ケーブルを収納するならケースへ入れる前に薄袋へ突っ込む等、ワンクッション置かないと危険。自分は家族に裁縫が得意な人間が居るので、イヤフォン用に小さめの巾着袋を縫ってもらい、HOOK-Xはそれに入れてから仕舞うようにしている。


<タフネススマホ雑感:UMIDIGI BISON GT2 Pro 5G>

 日々持ち歩く通話主体のメイン機として、長らくHUAWEI P10 Liteというスマホを運用してきた。だが如何せんそこそこ古い上に、元々ロースペック帯の機種なので、近頃は動作のもたつきや経年によるスタミナの減少にやきもきするようになっていた。
 サブ機であるXiaomi Pocophone F1をメイン機へ繰上する事も考えたが、かつてそのスペック(とコスパ)に驚いたPocophoneも、最早現行のミドルスペックにすら敵わないくらいで一時凌ぎにしかならんのは確実。……だったら、いっそ新機種買っちゃうか!、と久々の携帯購入を決意した次第。

 その上で、前々から興味があったタフネススマホを今回は仕入れてみよう、と。
 そもそも頑丈に作ってあるのでケース・ジャケット要らず、完全防水で丸洗いもへっちゃらなタフネススマホは、コロナ禍が始まってからというもの、スマホの清掃に余念が無い我が身にとって是非共手に入れたいガジェットだった。流水で濯げばキレイに出来るなんてお手軽で最高じゃん?
 専ら中国メーカーが群雄割拠しているタフネススマホ市場だが、今回はその中でもスペックを最重視して、SoCにMediaTek Dimensity 900というかなりハイスペックなものを積んだ「UMIDIGI BISON GT2 Pro 5G」をチョイスした。

 ……さて。
 自分はBISON GT2を発売解禁日当日(22/02/21)にAliexpressで注文したのだが、…………間の悪い事に、丁度その頃の中国は新型コロナ感染者の発生によるロックダウン等で大いに混乱中。同時期に注文したBISON GT2の発送は、ド派手にその煽りを食うハメになってしまった。

 具体的に言うと――――――――到着まで三ヶ月掛かった

 いやあ、流石に三ヶ月はちと長かった…………正直待ち草臥れた…………
 ……まあその御蔭で得もしたけど、それについては後述。

 やっとこさ受領したBISON GT2。かれこれ二ヶ月間メイン機として運用しているが、タフネススマホの中でもかなりスペックに振った仕様は伊達じゃなく、中々快適。アズレン程度の負荷なら全く問題無し。
 尤も、受領直後のバージョンは結構不具合が多く、数回のアプデを経てようやく安定した感じ。直近の22/07/15にメジャーアップデートが来てOSがAndroid 11から12に更新され、現在様変わりしたUIに苦戦しつつ安定性を様子見中。

 肝心の「タフネス」についてだが、……いやあ正直びっくり。ホントにどんだけ水ブッ掛けても平気で笑ってしまった。洗う時にハンドソープ使っても全然問題無し。水没させても無問題。米軍事規格MIL-STD-810GとIP68/IP69Kの防水防塵性能への適合はガチガチのガチだった。
 中華タフネス、凄ぇ。

 気に掛かる点があるとすれば、やはりアプデ前の動作の不安定さか。初っ端は温度計機能が使えず、またアプデしても未だイマイチな部分(タスクマネージャーが不安定、時折画面がブラックアウトする)がちょいちょいあり、こういうトコがクオリティよりもコストを採ってる中国製品らしいなあ、とか。

 …………だが、例えちょっとした不具合があろうとも、端末が完全にタダで手に入ってしまったなら文句等あろうはずも無い。
 は??、と思うだろうが、実は自分、このUMIDIGI BISON GT2 Pro 5Gを無料で入手してしまっている。正確に言えば注文時に一度きちんと代金は支払っているのだが、とある理由によりその支払分が全額返金されてしまった。
 その上で商品は確り届いているので、つまり全額タダ。実質もクソも無く、ガチの無料で、スマホを一台手に入れてしまったのだ……!

 何故そんなことになってしまったのか??という話だが、その実、Aliexpressやセラー(UMIDIGI公式ストア)からこの件について何も説明されていないので、詳細は不明。取り合えず分かっている事を一通り書こうと思う。
 先ず大前提として、Aliexpressでの注文には30日(一ヶ月)と60日(二ヶ月)で区切りがあり、セラーは注文から30日迄に商品を発送、注文から60日迄に商品を到着させなければならない模様。それが出来ない場合、注文者に代金が全額返金される――というのが基本的なシステムっぽい。

 んで今回注文したBISON GT2だが、発送処理自体は30日が経過するまでに取り敢えず為されたものの、何故か後日その発送が中断されてしまい、メーカーが再度商品を発送し直すというトラブルが起きた。
 問題は此処からで、どうやらセラー側が「商品の再発送を今回の注文に対して再登録しなかった」らしく、結果として今回の注文は「発送が中断されたまま、注文から60日が経過してタイムアウト」という扱いになってしまった。その為注文時の支払金額が全額返金されたにも関わらず、商品自体は再発送で無事届き、しかしその再発送は注文に含まれない為、代金は請求されない――という、何が何だかよく分からない、摩訶不思議な事態が起きてしまった。
 商品が到着するよりもそこそこ前に返金処理の完了を確認したので、ブツが届くまで「ま、まあ万が一届かなかったとしても金銭的損失は全く無いし……(困惑」なんてわけわかめな心境でいたワケだが、…………長年通販使ってるがこんなケース初めてだよ! 果たしてどうリアクションすりゃいいかサッパリだよ!(遠目

 そんなこんなで、最新型のスマホを期せずしてガチのタダで入手してしまった次第。
 そりゃ確かに三ヶ月も待たされたけどさ、幾ら何でも40k近い額が完全無料ってお前…………状況が状況だからとても素直に喜べんっちゅーねん。

 ……取り敢えず、二言だけ。
 「有難う、Aliexpress。そしてごめんね、UMIDIGI。(土下座」



 以上、本年度の上半期お買い物報告集でした。
 ……ま、どーせ今後も音響機器を中心にIYHは繰り返すと思うので、その都度呟き帳か徒然帳のどっちかにぼちぼち書き込んでいく所存。
 さてはて、次の衝動買いは一体どんな代物になることやら……(吹っ切れた瞳


2022/07/09

イヤフォン雑感:Symphonium Audio Helios ファーストインプレッション(+α)

 先月(六月)半ばのこと。

 んで今月(七月)入ってHeliosが届いたので、就寝前リスニングでじっくり試運転中。以下適当に感想。
 ……当初はもっと短く纏めて呟き帳へ投げるつもりだったが、何時の間にやら大長編と化していたので、敢え無く徒然帳へ投稿する羽目に相成り申したとさ。(遠目


 初聴時思ったのは「癖の無い音」。無着色的というか、明るいとか暗いとかそういう個性的な部分を探し難いタイプの鳴り方だなあ、と。
 少なくとも曇り籠もりは一切感じなかったので、その辺は好印象だったが。

 何曲か聴き流して「へーこんな調子なのねー」と分かった気になった所で、直近の常用機である5/COSMOSにスイッチ。
 途端、「――あれ?此奴こんな雑い鳴り方だったか……??」と違和感を覚えて困惑。暫くして再びHeliosに戻ると、鳴りが格段に落ち着く感覚を得て驚き。

 具体的に言い表すと、5/COSMOSは「ビビッドでメリハリの効いた像が目前に展開される」のに対し、Heliosは「非常にキメ細かく正確な像を、若干距離を置いて冷静に観察する」ような風情。後者を基準にすると前者は騒がしく喧しいとすら思えてしまう程。
 IEMでこのような演出が為されるのは初体験で戸惑ったものの、何故か「この感じ、何処かで……?」とも思い、少し悩んで――ピンと来た。

 そう、5/COSMOSからHeliosへスイッチした際の感覚には覚えがある。「IEMからオーバーヘッドへ聞き変えた」時の変化だ。
 IEMにありがちな頭内定位感が弱く、音像をゆとりを持って捉えられる為、良い意味でIEMっぽくない。繊細で滑らかな中域~高域、タイトでアタック感が確かな中域~低域を、俯瞰するように落ち着いて聞き込める辺りが、モニターっ気のあるオーバーヘッドと似ている。

 そも設計に於ける余裕が桁違いな二者の直接比較はナンセンスかもだが、しかし個人的見解として、IEMはオーバーヘッドよりも解像感等でやや劣る印象を受けがち。音質だけで言えば確実に後者の方がコスパで勝るはず。
 我乍ら元々後者から沼に嵌り込んだ身で、基本的にその音をレファレンスとしているが故に、HeliosのIEM離れした音の感触には舌を巻かされた。思えば初っ端の「癖の無い音」という感想は、私的により馴染み深いオーバーヘッドに通ずる要素を感じた所為だろう。
 折角なので5/COSMOS以外の手持ちから、帯域バランスに共通性が見られる(※crinacle調べ)OracleSA6とも聴き比べた。
 案の定というか「音の質(≠音質)」はHeliosが極上。繊細で滑らかで引き締まっていて、刺さらず粗が無く緩さも無い、と完璧。一応、音の質感など部分的な類似が無くは無いが、それでもHelios程の「優秀さ」は感じられず。
 OracleとSA6も良い機種なのだが、まあ価格差(※2倍以上!)がね……

 ついでに改めてHeliosと5/COSMOSの比較だが、これはもう完全に別物。OracleとSA6以上にまるで違うのがすぐ分かる。IEM的喧しさ全開、っちゅーか。
 以前5/COSMOSとOracle・SA6を比較した際は「5/COSMOSはOracleとSA6の中間的な音」なんて宣ったものだが、Heliosを基準に考えると到底そうは思えず、…………いやはや人間の感覚って、ホンマ何もアテになれへんなあ……(自嘲

 ……此処迄5/COSMOSの株を下げに下げた気がするので念の為言うと、決して悪いモノではなくむしろかなり良い機種である。フルBAながら低域はよく響くし、中域~高域も鮮やかに楽しめる。
 それでもHeliosと比較してしまうと、……なまじ彼方がモニターヘッドフォンライクな私的好みドンピシャサウンド過ぎてね、もうね……(伏目

 ではOracleとSA6、更に5/COSMOSは御役御免かと言えばそうではなく、Heliosには無い刺さりや粗さ、膨らみが個性として良い味を出しており、面白味があってコレはコレで悪く無い。
 無論、雑味が殆ど無く、レファレンス足り得るHeliosの鳴りは当然素晴らしい。正直完全にド嵌りしたけども、……しかしソレはソレとして雑味がマシマシなのも良いよね……、みたいな?w

 Heliosをレファレンスとして各機の音を表現するとこんな↓感じ。
・Oracle:高域がちょっとシャリ付いて、中域以下は少し強く 質感滑らか
・SA6:中域以上を盛って主張を強化 全体的に鳴り荒め
・5/COSMOS:中域以下、特に中低域辺り?を増量 中域以上は明瞭で丁寧
 最もHeliosに食らい付けそうなのはOracle。恐らくはESTドライバに由来するであろう、高域のやや細く刺さる感じがもう少し弱ければバッチリだった。

 個人的にHeliosは、日頃常用するより「温存しておいて、基準点として何時でも戻れるようにしたい」ポジションかなー、と。価格的にもガシガシ使う気にゃなれんし。
 他の個性的な機種を散々聞きまくった後で、「嗚呼やっぱコレがレファレンスよなー…」と感覚のリセットに使いたくなる、とゆーか。

 しっかし、モニターヘッドフォンと似た聞き心地のIEMとか、果たしてチューニングにどれ程手間掛けたのやら……そりゃ100k超えるわこんなもん。納得。
 こうなると姉妹機のTritonの音も気になってしまうが、……流石に円安がね……(悲哀
 音以外の点について。能率/抵抗値は104dB/8.5ohmと非力なソースでも鳴らし易い――なんて数値だけ見て安直に考えたら大間違い。むしろ滅茶苦茶鳴らし難い。ADI-2 DAC FSのIEM出力だとギリギリなレベル。えぇ……
 一応、M3Xの4.4mm出力なら、ハイゲインの60/100辺りで確りした音量を取れる。何れにせよ、駆動にかなりの出力を要するので要注意。

 一つ良い知らせがあって、Helios(及びTriton)にはFLATという独自技術が用いられており、多ドラBA or ハイブリッド機ながら「インピーダンス特性が平面駆動型並にフラット」だったりする。大変珍しいというか、何気にとんでもない技術なよーな…
 つまり出力インピーダンスが少々高めのHPAを使っても問題無く駆動出来るワケで、自分の手持ちで言えばXD-05 Plusのようなヘッドフォン向け高出力PHPAでも組合せ易い次第。

 ところで、Heliosと今回聴き比べた機種(と、ついでにUM 3DT)とで音量の取れ方を雑に比較すると、

 Helios[High60]=Oracle[High50]=UM 3DT[High35]=SA6[High33]=5/COSMOS[Low32]
 ※全てM3Xの4.4mm出力で、Heliosのリスニング音量と聴感上同程度になるよう調整

 ……ざっくばらんにこんなトコ。5/COSMOS鳴らし易過ぎィ!
 しかし5/COSMOSって、スペック的には109dB/7.7ohmでHeliosと然程大差無い筈なんだが…

 Heliosに弱点があるとすれば、それはやはり装着感だろう。非常にシンプルなラインで構成されており、CIEMライクで複雑なシルエットを持つOracleやSA6のような、耳介にすぽっと嵌る装着感は残念だが望むべくもない。
 幸いなのは筐体が金属製の割に重さがそれ程な事。金属と言ってもアルミなのが功を奏したのだろう、ステン製筐体で見た目小振りなFD5の方が余程重いくらい。


 とうとう100kオーバーするイヤフォン買っちまったよー、しかもヘッドフォンより先だよどーするよー、……なんてIYH当初は思っていたのだが、実際にその音を体験してみたら「――嗚呼、そりゃこのチューニングならコストも掛かるってもんだわ……」と、あっさり納得してしまう辺りマジで自分チョロ過ぎっつーか。(溜息
 だが流石にこのモニター系な音作りはズルい。どう足掻いても好みまっしぐらで気に入るに決まってるやんけ…

 今回はレビュアーとメーカーがタイアップしたプロモーションイベントのキャンペーンって名目で、ドル換算だと相当値下げられており、それ故円換算でも昨今急激に進む円安の中にあって、ちょっと前の相場くらいの価格でHeliosを入手出来て中々幸運だった。しかもおまけのケーブルが後日発送されるらしいし、ソレも加味すれば尚の事値打ちである。
 ……正直Tritonの方も気になってしまっているが、イベントが終了済でもう正規価格でしか入手出来ず、また海外レビュー漁った感じではHelios程のインパクトは無さそうなので、今は見送るのがベターかなー、と。


  


 此処からは蛇足になるが、上述した「おまけのケーブル」に纏わる話を一つ。
 あんま面白い話じゃないんで、どーしても気になる方のみ続きをどーぞ。