2019/10/30

スマートフォンゲーム雑感:アズールレーン

 自分がこれまで課金までして遊んだソーシャル/スマートフォン/ブラウザゲームはそんなに多くはなく、精々片手で数えられる程しか無いが、多分一番そこそこ課金し続けて遊んでいるのが今回記述する「アズールレーン」、通称アズレンだろうか。

 簡単にこのテの「基本プレイ無料!」系ゲームの遍歴を辿ると、

「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」

「艦隊これくしょん -艦これ-」

「グランブルーファンタジー(グラブル)」と「Fate/Grand Order(FGO)」

「アズールレーン」

 ――と、こんな感じ。
 ……うん、我ながら実に経験数が少ないな……

 パズドラは丁度在学中にクラスで流行ってて便乗したものの、元々パズル系がやや苦手だったため長続きしなかった。同様にグラブルやFGOも友人から勧められて始めてみたは良いが、ゲーム性にどうにも馴染めずやはり続かなかった。
 一方、艦これは何だかんだ言って二年くらい持続していたんで結構長くプレイした方だろう。せっせと遠征に精を出し、溜め込んだゲーム内資源を一気に吐き出してイベを攻略しに掛かり、レア艦堀に勤しんでいた。
 だが如何せん艦これは「攻略に」運要素が強く絡むゲームで、練度的には足りていてもリアルラック不足でイベの甲勲章を逃す、という事が続くようになり、その頃からモチベが急速にダウンして提督業から足を洗った。

 んでアズレンだが、これは2017年の年末から始めた。アズレンのサービス自体は同年の8月か9月辺りから開始していることを踏まえると、指揮官としてはそこそこ古い部類になっているかもしれない。
 所謂「艦これフォロワー」と思われるアズレンだが、あっちよりも攻略時の運要素が軽い点は個人的にとても有難い。いやキャラや装備のドロップは相変わらずというかこのテのゲームの宿命めいて渋いが、それでも基本的に「攻略に必要なものはリアルラックよりも練度」なバランス故に、ゲーム性が割と素直で遊びやすい点はホント助かる。最高ランク(SSR)のキャラが比較的入手しやすかったり、限凸のハードルが低いのも好印象。
 とは言え、自分のように比較的初期の頃からプレイ出来ているなら兎も角、最近始まったばかりのアニメに影響されて入った御新規さんはやること多くて大変な気もするが……コンシューマー作品宜しく買い切りのゲームと違って、こういうネットワークに繋がっている為に内容が流動的な作品は、後から参加しようとすると否応無く敷居上がってしまうのは如何ともし難い。尤も、それはこのテのゲームの常なので割り切るしか無いのも事実だが…

 アズレンで感心する点として、「着せ替えをあまり別キャラ化しない」事が挙げられる。コレは他作品と比べれば分かりやすいだろう。
 例えば自分がかつてプレイしたFGOやグラブルでは「同一キャラクターの別衣装(水着など)は別ユニット扱い」されていて、気に入ったキャラクターの着せ替えはその都度ガチャを回して引き当てなければならなかった。
 しかしアズレンはあるキャラクターの着せ替えを別キャラ化するのではなく、「課金アイテムによるスキンの追加購入」という形態にして、「キャラクターの入手(ガチャ)」と「衣装の追加(課金)」を若干切り離しているのが中々面白い。なので着せ替えによるユニットスペックの変化等は一切生じず、ただ「見た目が変わるだけ」に徹しており、要は攻略に集中するなら衣装はガン無視で構わないようになっている。……ぶっちゃけこのテの業界では中々割り切ったやり方ではなかろうか。

 ……ちなみに、近日中に開催予定のイベで実装される新キャラ(μ兵装)が「……コレ同キャラの着せ替え別枠化じゃねえの??」と当初かなーり訝しんだのだが、どうもμヒッパーの解説見る限り「平行世界の別人」という位置付けっぽいので、「同キャラ」の着せ替えとはちょっと違う、……の、か……?(懊悩
 いやまあ空母加賀の過去としての戦艦加賀とか、まさかの公式ロリ化をやらかしたリトルシリーズやちゃんズという前例が有る上、アズレン自体が本家とクロスウェーブ、アニメでそれぞれパラレル設定っぽいんで、その辺何でもアリっちゃアリなんだが…


 そんなアズレンだが、かれこれ丸二年近くプレイしていて正直好きになれないコンテンツが有る。
 唯一のPvP要素、「演習」である。

 システム等詳細は攻略Wiki辺りを参考にしてもらうとして、演習の何が気に入らないかと言うと、どーにも「マッチング」がイマイチなこと。
 勝敗に関わらず得られるポイント「戦果」とのアイテム交換、燃料や資金の消費無く得られる経験値など、演習が結構有益なコンテンツであることは否定しない。だが、対戦相手とのマッチングで彼我の戦力差や指揮官Lvを一切考慮せず、単純にランクスコア(勝利時にのみ得られる、戦果とは別のポイント)だけを参照するため、戦力が十分に揃っていない内に手を出すと徒に対戦勝率を下げるばかりになってしまうのは正直頂けない。
 中には防衛編成にネタ編成や武装解除した面子を置いておくなど、「接待」仕様にしてくれている親切なプレイヤーもいるが、それはあくまで少数派。殆どは高Lv艦からなる「ウォスパロイヤル」「天龍門」「長門一航戦」といったガッチガチの強編成を防衛に置いているので、匹敵する戦力無しに此等へ挑んでも瞬殺されるだけである。
 無論、勝率をガン無視して強引に経験値と戦果を稼ぐのもアリだが、そういう潔い割り切りが出来るプレイヤーはそれこそ少数派だろう。ランクスコアだけでマッチングを行うのではなく、演習/防衛編成の戦力数値や、指揮官Lvなども考慮に入れれば、今よりは多少マシになると思うのだが…

 尚、本記事の記述時点で最も幅を利かせている防衛編成は「天龍門」。次点で「長門一航戦」。おまけに「ウォスパロイヤル」。
 天龍門は防衛に強編成を置く上での主目的「戦闘時間を長引かせる」にこれ以上無い程適合した編成で、ラインギリギリで「元帥タッチ」を狙う際にコイツに出会すことはタッチ失敗を意味する。長門一航戦は天龍門以前に最強格だった編成で、現在は天龍門程大きな脅威ではなくなったものの、生半可な練度の編成であれば持ち前の速攻性と火力で瞬く間に屠られること請け合い。ウォスパロイヤルも強烈な編成で、改造により強化されたウォースパイトが凄まじい火力で主力を次々にぶち抜いてくるのが恐ろしい限り。
 攻略Wikiの演習編成考察ページを見ると他にも色々な編成が日夜研究されているので、どうしても演習に勝ちたいと思うなら一度覗いてみると良い。但し完成済みの計画艦やSSRの改造、Lv120艦の好感度200状態など、相当なやり込みを平然と要求される世界なので、初心者には決してオススメしない。

 ……と、不満を長々と語ったところで言うのもアレだが、多分自分がアズレンで一番手間を掛けているコンテンツが正にその実この演習だったり。
 詳細は省くが、演習でランクスコアを稼いで最終的にサーバー内ランキング十位以内に納まると階級「元帥」を獲得でき、その過程で結構な戦果を荒稼げるのだ。今年から始まった「艦船技術」という要素を進める上で限凸に欠かせない「紫/金鰤」が結構な数要求されるため、これらと交換出来る戦果は可能な限り貯蓄しておきたい、という動機で自分は演習にそこそこ力を入れている。


 つらつらと語ってみたアズレンだが、ぶっちゃけこんなつまらん雑文読むくらいなら、折角アニメが放送されてるくらいなので御試しがてらプレイしてみるのが一番分かりやすかろう。あくまでも個人の主観であり絶対的な評価でないことを承知して貰いたいが、無課金~微課金でもそこそこ遊びやすい作りになっていると思うので、このテのスマホゲーが苦手な人も一度インストールしてみては如何だろうか?

2019/09/02

イヤフォン雑感:RHA CL750 ファーストインプレッション

 また性懲りもなく衝動買いだぜIYHーーーーーーーーーー!!!!!



 …………。
 えー、今回購入したのは以前ちょこっとだけ紹介した「MA750」のメーカー、英国RHAが先日生産を終了した「CL750」。
 生産終了品故か異様に値下がっており、かつては10k後半だったモノが9k前後で買えるようになってしまっているのだから恐ろしい限り。

 パッと見、MA750と酷似した(というか恐らく同一な)ステンレスの筺体を使用しているので兄弟機っぽく見える。
 ……が、中身は全くの別物だそうで。それを示すように、何とイヤフォンでは珍しいハイインピーダンス(150Ω)仕様、というかなりマニアックな製品。それ故、アンプの使用が推奨されるという相当ニッチなシロモノ。
 同時期にはPHPAの「Dacamp L1」や、筺体にセラミックを採用しリケーブル可能なインナーイヤー「CL1 Ceramic」が販売されており、後者はCL750と同様のハイインピーダンス・イヤフォン。……なんつーか、あからさまに「ぜひともこの辺揃えて使ってみてね!!」というメーカーの思惑が透けて見える。尚、残念ながら此等も生産終了済。
 特にCL1はミニXLRバランスケーブルが同梱されており、そしてDacamp L1にはミニXLRバランス出力端子が備わっていたため、この二つ組み合わせて使えと言わんばかりの仕様だったり。一方CL750はMA750と同様にリケーブル不可、端子は3.5mmステレオミニなので、インピーダンス以外はごく普通のイヤフォンである。

 CL750の前に、見た目がよく似ているMA750について所感を少々。
 かなり前の記事で軽く雑感を記述したが、MA750は12k前後(※本記事執筆時点)の比較的ローコストながらバランスに優れたD型イヤフォンである。MMCX辺りでリケーブル可能な作りや、BA型マルチないしはハイブリッドドライバの採用がトレンドの昨今にあって、「ドライバはD型一発のみ」「やたら弾力のある着脱不可のぶっといOFCケーブル」など、かなり硬派な仕様で勝負している。
 若干ドンシャリ気味、という汎用性の高い帯域バランスで多方面に使いやすく、結構出番は多め。ステンレス製のハウジング故かシャキッとした音色だが、耳を突く程キツい鳴りはほぼ無いので聞き疲れ難い点が好印象。D型一発ならではの滑らかで自然な響きも相まって、かなり聞きやすいタイプの音である。

 そんな感じで気に入っているMA750と同メーカーの製品なので、レビュー漁ってみた限り高評価の多いCL750もきっと良い音を鳴らすのだろう、と安直にIYHしてしまった次第。
 …………つい先日中華イヤホン(KZ ZSN Pro)買ったばっかなんですがねえ、ナニしてんでしょーねえ我ながらホント莫迦やなー……(遠目


 さて、本題となるCL750の感想を以下に。
 環境はAP80+xDSD、音源はFLAC。イヤピは付属のLサイズを使用。

 前提として。
 CL750はMA750と見た目こそ似ているが音の傾向は全然違う、ということは承知していたつもりだった。……が、使ってみるとホントに全く違っていて正直意表を突かれた。

 先ず思ったのは明瞭感の良さ。と言っても「明るい」ではなく「澄んでいる」方。要はかなりシャープでクリアな音。見晴らしの良い鳴り方で、曇り籠もりがほぼ無い。
 しばらく使っていて分かったが、特に中~高域がMA750よりも随分出るようになっているっぽい。シンバル辺りがシャンシャン鳴りまくる曲を聞くと違いが顕著に分かるはず。

 そんな高域が出るなら低域はさぞ出ないことだろう、と思うことなかれ。イヤピ合わせてしっかり耳塞ぐと、結構下まで響いているのが感じられた。量はそう多くないものの、ビシッと制動の利いた良質な低音が割としっかり鳴ってくれる。

 MA750以外にも今回は久々に手持ちを色々引っ張り出して聴き比べてみたが、CL750の鳴りは全体的に閉塞感が少なくスッキリした風情で、不思議にも音の感触がイヤフォンと言うよりヘッドフォンのソレに近い気がした。「耳の中で音が鳴っている」感覚が薄め。手持ちのインナーイヤーで比較的同様の感触が得られたのはHiDefJax。だがアレは最早半開放型に等しいのでちと例外な気がしないでもない。
 しかしバスレフポートがハウジング下部に空いているとはいえ、あくまでも密閉型イヤフォンでこの鳴り方は珍しいし面白い。未だに現役かつリファレンスとして重用しているHD595からオーディオの世界へと転がり堕ちた身としては、かなり好感の持てる音色である。

 但し、チェロやコントラバス、バスドラムが大いに主張するような大編成のクラシック辺りを聞くと、低音の量感の少なさ故迫力が一気に減衰してしまうきらいは、正直無いとは言い難い。中~高域にかけてのクリアさやシャープさには目を見張るものが確かに在るが、それと低音の響きや迫力がトレードオフになっている点は否めない。
 その辺、手持ちのER-4Bに似ていると言えなくもない。アレは凄まじく澄んだ音を奏でてくれるインナーイヤーだが、その分低音の量感は相当犠牲になっている点が悩ましい一本なのだ。尤も、この辺はBA型とD型の違い故だろうが、ER-4BよりはCL750の方がしっかりした低音を鳴らしている。逆にER-4Bの方が高域の繊細さは勝るので、まあ一長一短というか。

 ところで。
 レビューを漁る中で「無音部分で『音が無い』ことがよく分かる」というニュアンスがあって、思わずうんうんと頷いてしまった。

 中々言い表し難い感覚だが、特にオーケストラやライブ音源等を聴けば分かりやすいはず。強いて言うなら、音のストップ・アンド・ゴーがはっきりしている、という感じ。
 低音に関して「制動が利いている」と上述したが、それは低音に限らず高音でもそうで、キレイに響くが余計な残響は残さない、という印象を持った。真面目な音、とも言えるかも?


 元々17k前後で売られていたCL750だが、音質考えると現在の10k未満という価格はちょっとした価格破壊な気がしないでもない。しかもコレ、ショップ独自の価格ではなく代理店のナイコムが公式に発表しているのだから、色々と凄いというか何と言うか…

 低域の迫力が抑えめなことを除けば、かなり上等な鳴り方をしてくれるイヤフォンなので、ヘッドフォン出力がパワフルなDAPやPHPAを持っているならオススメ。
 一応、xDSDを使わずAP80単体でも聴いてみたが、音量不足とかパワー不足を感じることは大して無かったので、そこそこの出力が有れば多分大丈夫なハズ。

2019/07/25

お買い物とファーストインプレッション色々

 密林のプライムデーで中華イヤフォン買ったり、後日ケーブルも買ったり、マウスを新調したり。
 以下、簡単に1stインプレなど。


<マウス雑感:Logicool G304

 2015年初頭に購入してから長い事使い続けていたLogicoolのG602だが、最近チャタリングが酷く、シングルクリックがダブルトリプルにオート連射したり、ドラッグアンドドロップが途中で途切れてあらぬ場所へファイルフォルダ放り投げちゃって慌てたり。正直絵に描いたような末期症状が表れており、購入履歴から保証期間探ると見事に去年で失効していたのでこれはもうマウスを買わねばと。
 G602はDPI変更用も含めて11個ものボタンを備える多ボタンマウスだったので、当初は同じ路線で買い替えようかと思ったのだが、そうすると価格が凄いことになりそうだったので却下。なるたけ安いゲーミングマウスを物色した結果、G304に落ち着いた。

 ところで。
 自分、ゲーミングマウスをメインで使っているが、そのテのゲーム(所謂FPS辺り)はぶっちゃけ全くプレイしなかったりする。

 じゃあなんでわざわざゲーミングマウスなんだと思うかもしれないが、
「ゲーミング用謳ってるくらいの基礎スペックがあれば、日常使用においてストレスフリーだし、長く使える」
 ――という考え方に拠る。特にトラッキング精度とスイッチの耐久性はマウスの要中の要なので、此処に重きを置くとゲーミング以外の選択肢がかな~り限られてしまうのは痛い所。

 尚、ポインティングデバイスは他にもKensingtonのSlimBladeというトラックボールを持っていたり。が、此方はどっちかってーとベッドに寝転がりながらMBPで動画視聴とかダラダラやるためのもの、というポジションで、フツーにPC操作するならやっぱマウスかなー。
 アレはアレで右手でも左手でも好きなように使えるから快適なんだけどね。

 さてG304の感想だが、……………………申し訳ないが、あんまりない。

 そもそも余りマウスとかキーボードに対して深い拘りが無いので、強いて言えば、
「軽い」「単3電池1個でいい」「精度は良さそう」「やっぱボタン少ねえ」「あ、チルト無いやん!」くらいの感想しか無いのよなあ……そもそもがコイツ、デザインからしてとても無難かつシンプルなマウスだし。
 尤も、拘りが薄いからこそコスパ良さそうなのを物色していたわけで、その意味では悪い買い物ではなさそうだが。

 まあ後々何か書きたくなったら書こうかなー。……多分無いけど。


<イヤフォン+リケーブル雑感:KZ ZSN Pro+KB EAR 4842 16芯 銀メッキケーブル(QDC3.5)>

 中華イヤフォンというカテゴリが評判になっているのはちょい前から知っていたが、偶々密林のプライムデーで「KZ ZSN Pro」が2000以下で買えるようになっていたので、毎度の事ながら懲りずに衝動買いをキメてしまった。……最早病気である。(とおめ
 んでその際抱き合わせで同じセラーから「YYX4822 8芯 銀メッキケーブル(QDC 3.5mm)」ってケーブルも購入したのだが、開封してみると分岐部のケーブルスライダーが成形不良品で、突っ返す羽目に。代わりに後日注文したのが「KB EAR 4842 16芯 銀メッキケーブル(QDC3.5)」という次第。

 先ずZSN Proだが、BAとD型の各ドライバを一つずつ積んだハイブリッド式のイヤフォンで、一見カスタムIEMっぽく見えるユニバーサルIEM、みたいなデザイン。一昔前なら確実に10kはしていただろうに、これが僅か2k前後で買えるってんだから本当に恐ろしい時代になったと言うか…
 自分はグレーカラーを購入したのだが、造りは思った以上に綺麗かつ丁寧で、シェル内部にやたら目立つような気泡やホコリ、濁りの類は無く、金属(ジュラルミン)製のフェイスプレートにも傷は無かった。パッと見、コレで本当に2kなのかと思ってしまう程。

 ケーブルは未だに愛用し続けているW4Rや10proと同様の2pin式でリケーブル可能。……そう、約2kの格安イヤホンでまさかのリケーブル対応なのである!なんともはや…
 コネクタはピンだけで挿すのではなく、樹脂のカバーでしっかりかっちり嵌まるようになっており、ピンが破損し難くなっているのは嬉しい所。中国のカスタムIEMメーカーがこういう端子形状を採用しているからか、QDC型と言うらしい。

 KB EAR 4842は銀メッキした細い銅線を多数(16芯というなら16本なんだろうか?)編んで作られたケーブルで、触ってみた感じ非常に柔らかくて取り回し良好。銀メッキ線ならではの真っ白な見た目が個人的にとてもツボ。成形不良で突っ返したYYX4822と違ってケーブルスライダーが恐らくは金属(アルミ?)で出来ており、プラグ部も金属製なので質感が大変宜しい。
 注文直後は「やっべYYX4822の倍以上してんじゃんよorz」と衝動買いを悔いたものだが、現物見ると見た目上々で衝動買い万歳!と手のひらがクルックル回っておりまする。(ぉ

 さて、ここから肝心の音質について。
 使用機器はAP80、音源はFLAC。

 音出し初っ端の感想は、
「…………すげぇ分かりやすい『ハイファイサウンド』やな…………(苦笑)」
 ――って感じ。鳴り方が非常に明瞭且つかなりの高能率で、普段使ってる機種の音量そのままで鳴らすと音デカ過ぎて多分ビビる。良くも悪くもちと喧しい類。
 だがまあ、個人的にこのテの明朗快活な鳴りっぷりは嫌いじゃない。音量絞れるからDAPの電池持ち良くなるし。シャッキリスッキリサッパリを地で行くような音なので、そういう傾向が合う人にはかなりハマるんじゃなかろーか。

 此処でケーブルを付属品からKB EAR 4842にチェンジ。すると、…………ほぅ。面白い、コレは中々面白いぞ……?
 付属品と比較して鳴り方が若干明るく軽くなり、低域が多少落ち着くことでバランスの良い音に変化。見晴らしが良くなるっつーか、聞きやすくなった。それでも重低音の類はしっかり鳴ってくるので低音至上主義な人でも安心。
 もっかい初期付属ケーブルに戻してみると、まあこっちでも聞けるっちゃ聞けるけど、全体的に鳴り方が重く暗く感じる。ハイファイ感出すために明瞭な鳴り方にはしてあるんだろうが、些か纏まりに欠けるというか、……うん、やっぱ「喧しい」の一言に終止してしまう。そんでKB EAR 4842へ交換すると、多少喧しさや重さ暗さが低減されて、良い意味で「すっきりした」鳴り方に変わる。……成程、コレがリケーブルの面白みか……

 音質以外の部分として、差し当たって装着感だが、至って良好な嵌め心地だった。付属ケーブル、KB EAR 4842共にShure掛けを前提としてケーブルにクセを付けてあるのでタッチノイズは全く心配ナシ。
 遮音性はイヤピを塞ぐとかなり音漏れが抑制されることから、バカみたいな大音量で鳴らさない限りはそう心配するコトも無かろう。ただフェイスプレートにベントが設けられているのでそこんトコは注意。

 取り敢えず、現在COWON J3に最近再リッピングしまくったFLAC音源を軒並み突っ込み、ZSN Proを繋いで片っ端から電池の保つ限り鳴らしまくってエージング中。
 如何せん明瞭な鳴り方なので聞き疲れやすいのが難点だが、手持ちのどのイヤフォンとも傾向の異なる音で使っていて面白い。何より安いのが最高に気軽でイイ。
 ……中華イヤフォンのレビュー記事を矢継ぎ早に上げまくっているブログがちょこちょこ散見される理由、何となく分かってしまった。自分は沼に嵌らんよう気を付けんとなあ……

2019/07/16

DAP雑感:Hidizs AP80 ファーストインプレッション

 前回の記事でポータブル環境の自己考察をした際、結論としてHidizsのAP80を買うのが最適な選択であろうとなり、実際に仕入れてしまった罠。

 まあ、何だ。
 とどのつまり、衝動買いである。…………お前いっつもこんなんばっかやな!?(溜息

 しかし実際に手にとって弄ってみると、コレが中々良い出来で感心させられてしまった。操作感や音質もさることながら、USB入出力機能やBluetooth入出力機能など「オーディオデバイス」としての機能が此程コンパクトに纏め上げられてるって事にちと脱帽。
 このクオリティで20k割るってんだから、中華デバイスの進化スピード、パねぇ…

 取り敢えず、ファーストインプレッションってことで簡単に。


<パッケージング>
 何と初めからシリコンジャケットが付属する他、本体の表裏両面(恐らくガラス製?)に予め保護フィルムを大変綺麗に貼り付け済みというのだからびっくり。しかもフィルムは予備分まで同封されていてとってもユーザーフレンドリー。
 シリコンジャケットは際の部分の処理が些か甘めではあるものの、落下衝撃の低減や傷の防止という点に限って見れば十分過ぎるシロモノ。わざわざサードパーティのオプションを密林辺りで捜索する手間が省けるので大変有難い。……ぶっちゃけ日本の企業にも見習って欲しい姿勢である。

<外観>
 手のひらにすっぽり収まるサイズ。向かって右側面には押し込みで画面/電源のON/OFFボタンを兼ねるボリュームノブと、再生/一時停止、曲送り、曲戻し、それぞれのボタンが存在。画面見なくても簡易的な操作が出来る物理ボタンはやはり便利なのです。
 今回仕入れたのはアルミボディのグレーカラーだが、実際はグレーっつーか鈍目のシルバーといった出で立ちで、案の定無難な色だからかよく売れているっぽい。SS(ステンレススチール)モデルも検討しなくはなかったが、個人的にDAPの筐体の材質が音質に与える影響ってのにイマイチ懐疑的なのと、コスト面で今回は妥協した。某所じゃ通常モデルとSSモデルで音質あんま変わらんって報告もあったっぽいしね。
 速攻でジャケットを被せてしまったのでパッと見だが、工作精度や仕上げ処理が極端に甘いとか雑と感じる部分は無かった。むしろ綺麗に出来ている。ボリュームノブが本体と擦れてしまうようなこともなく、シンプルかつ堅実に作られている感じが好印象。

<ソフトウェア>
 HiBy OS 3.0ってのを搭載している模様で、コイツが思った以上に使いやすくレスポンス良好。どうもLinuxベースのオーディオデバイス向けシステムらしいが、成程悪くない使い心地。目立つ引っ掛かりやもたつきは今んトコ感じず。
 何より感動したのは、外部DAC(xDSD)を繋ぐとあっさりしっかりUSBオーディオデバイスとして認識・接続してくれた点。Pocophoneではどう足掻いても出来なかった真似なので凄く感動してしまった。これだけでも買った価値があるというもの。
 HiBy Linkも試してみたが、成程こりゃ便利だと思わされた。スマホからAP80の中を覗いている感じが新鮮。これからはBluetoothレシーバーとか買うよりこういうLink機能を搭載している小型DAPの方がベターかもしれんね。更に音質高めたいならDAC繋いで重ねてもいいわけだし。

<拡張性>
 内蔵ストレージは備わっていないものの、最大1TBのmicroSDに対応しているので無問題。むしろ内蔵ストレージ備わってるとファイル管理ややっこしいので個人的には無い方が好き。但しmicroSDスロットは挿し難めなんで注意。
 USB-DAC機能は使っていないので割愛するが、xDSD繋いでUSBトランスポーター利用はしてみた。xDSDには入力された音楽データのフォーマットに応じてLEDインジケータ表示色が変わるギミックが存在し、DSD128の音源を再生させてみたところ、ちゃんとDSD64/128の表示色であるシアン(水色)に発光してくれた。……………………嗚呼、やっとポータブル環境でこの発光色と出会えたよ…………(感無量

<音質>
 比較対象と使用楽曲、使用イヤフォン・ヘッドフォンは以下の通り。
 音量は比較に使った楽曲以外で概ね同じになるよう調整してから比較に臨んだ。

[比較]
COWON J3・iFi xDSD(AP80からUSB出力)

[楽曲]※共にFLAC音源
Aimer「I beg you」(「I beg you/花びらたちのマーチ/Sailing」より)
QUEEN「Killer Queen」(「Bohemian Rhapsody The Original Soundtrack」より)

[機器]
Westone4R・DT990 PRO

 結論からぶっちゃけると、J3以上xDSD以下って感じ。最早過去の機種であるJ3よりは、所謂解像度的な部分が時代相応に優秀なものの、xDSDに勝てるほどじゃない。
 特にI beg youの大サビ周辺をDT990で集中的に聴き比べてみた際、J3とAP80では余り感じられなかった「曲の空気感」みたいなモノがxDSDでは思いっきり伝わってきて、なまじ曲調が曲調だけに背筋がゾッとするような寒さを覚えさせられた。流石の表現力である。
 ……と、これだけだとAP80の音質が大した事無いように聞こえてしまうが、決して悪くないのでどうかご安心を。価格とサイズ考えたらむしろ上々な部類のはず。そもそも単体DACであるxDSDと小型DAPのAP80を比較するのは流石にやり過ぎ感あるし…

 驚かされたのはAP80単体でも出力が相当に強力な点。ハイゲイン出力なら250ΩあるDT990でもやすやすと鳴らしてくれるのはちょっと意外だった。少なくともイヤフォンであれば先ず鳴らすのに困らないだろう。
 他、搭載しているDACチップ(ESS Technology製 ES9218P。Shanling M0と同型)の関係だろうが、アンチエイリアシングフィルタが多数用意されており好みで選択出来るようになっている。真剣に試してないので効果の程はよく分かっていないが、こういう機能が用意されている事自体は個人的に好ましいかなー。
 音弄りの機能も充実。イコライザーは勿論の事、MSEBと呼ばれる独自の音質調整機能を備えており、色々遊べそう。

<まとめ>
 元々、「Pocophone+xDSD」という組み合わせが失敗したことでその埋め合わせめいて急遽仕入れたAP80だが、ポータブルオーディオデバイスとしてかなり出来良く纏まっているので大変気に入ってしまった。特にUSB/Bluetooth入出力周りがしっかりサポートされているのは、無線による気楽な聞き流しからUSB-DACを組み合わせた真剣な聴き込みまで、幅広いリスニングスタイルに対応可能という点でとても好印象。
 自分の場合、ハイスペックPHPAの中でもかなり小型なxDSDと組み合わせるにはAP80くらいのミニマムさがベストだったので、結果的に良い買い物になった。ちゃんとしたUSBトランスポーター機能と、Link機能によるスマホのリモコン化が両方使える上に、DAPそのものの音質も中々と来ればむしろお釣りが来るレベルである。


 絶賛気味かもしれないが、コレは自分が元々USBトランスポーター機能とLink機能を目当てにしていたからってことでどうか勘弁願いたい。
 ……まあ方々で音質良いよ!って言われてるから大丈夫、大丈夫!(楽観



※追記[190718]:



 xDSDと重ねてみた画像が此方。イイ感じ。
 接続には林檎の「USB-C - USBアダプタ」を、AP80とxDSDを束ねるのには密林で仕入れた日清紡のモビロンバンド(70×3mm)を使用した。

 積んだ状態で色々触っていた折、DSD128の再生中にFLAC192kHzを選択した途端xDSDがバグってしまったので、ふと思い立ってファームの書き換え(v5.30→v5.20)を決行してみたらアッサリ直った。
 …………やっぱMQAのサポートなんて要らんかったんとちゃうのん??(怪訝顔

 また、ちょこちょこ存在する和訳のおかしさ故に効果の分からない設定項目が幾つかあったのだが、マニュアル(英文)を熟読しつつ触ってみたところ、

<システム設定→待機する>
 ディープスリープ機能のON/OFF

<システム設定→記録ステップ>
 歩数計機能のON/OFF

 ――という意味だったらしい。
 但しディープスリープ機能は復帰時にスクリーンロックが解除出来なくなったことがあり、少々不安定かも。注意。


 …………注意と言えば、AP80を充電する際についうっかりスマホ(Pocophone)用に使っている「Anker PowerPort+ 1 Quick Charge 3.0 & PowerIQ【改善版】」をそのまま挿しちゃったのだが、40分くらい充電したところでAP80が凄まじく発熱していることに気付き、慌ててプラグを抜くというハプニングがあった。
 実はコレに関してもマニュアルよく読めばちゃんと書いてあるのだが、

高電圧で充電すると機器を痛める可能性あるから5V/2Aでチャージしてね!

 ――と注意してくれているので、皆さんもAP80の充電に今流行りの急速充電器を使わないようくれぐれも注意して下さいね?(真剣
 モバイルバッテリー辺りでゆるゆる充電するのが吉かと。

2019/07/08

(ポータブル)オーディオ環境構築思案メモ

_人人人人人人_
> 突然の死 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

 ――――を迎えてしまったLG V10(LG-H961N)の代わりに、Xiaomi Pocophone F1とiFi Audio xDSDを仕入れて、ファイナルアンサーだッ!! …………と思っていたのに、結局相性問題で完全な代替とはならず、ポータブルのハイレゾネイティブ再生環境が宙ぶらりんとなってしまった現在。
 ……取り敢えず、自分がポータブルオーディオに求める要素とかを書き出して整理でもしてみようかなと。

 ぶっ壊れてしまったV10は何が便利だったかと言うと、やはりちゃんとした独立DACチップ積んであってK701でも割としっかり鳴らせた点に尽きる。そして対応フォーマットの幅。WAVやMP3は勿論の事、ハイレゾFLACやDSDまで再生出来るってのはまさにオールインワンで、ホント色々融通効いた。つか、我が家で176.4kHz以上のハイレゾ音源はV10しか再生出来なかった。……だからこそ、そんなもんが使用不能になってしまえば当然ながら一悶着あるわけで。
 そんなV10の後釜に、Pocophone+xDSDというトリッキーな仕様を想定してしまったのは、まあ、色々と理由があるというか…

・据え置き環境の刷新
 V10は確かに便利だったが、アレ自体をUSB-DACとして使うような機能は流石に無かったため、我が家の据え置き環境の対応フォーマットはHP-A3の上限(PCM96kHz)で頭打ちになっていた。そこでポータブル環境をスマホ+USB-DACという形にして、ハイレゾ環境をスマホだけで完結させてしまうのではなく、据え置きにも流用可能なようにしようと考えたのである。
 因みにxDSDを選んだ理由は、Bluetooth(apt-X)が使える多機能性と対応フォーマットの幅広さ、ポータブルに不足無いサイズ感、そして余裕のある再生出力を好ましく感じたから。要はちっこいのに万能なトコ。……まあ、USB入出力端子がAオスというむっちゃマイナー仕様なのは如何ともし難いが……

・高スペックの必要性
 現在とあるスマホゲーをそこそこ熱心にプレイしており、コレがアプデの度に結構な高スペックを要求してくるため、どうしてもスマホそのものの処理能力の高さを確保しておく必要があった。つーか多分V10がぶっ壊れた理由もこの辺にあるし。
 Pocophoneは自分が購入したArmored Editionでなければ三万円台(現在は二万円台の場合も!)で買える程リーズナブルなハイスペックマシンなので、コスパの点ではベストに近い選択肢だった。他のSDM845搭載機より10k以上安かったしなあ…

・Androidに於けるUSBオーディオ環境への認識の甘さ
 ぶっちゃけ此処二年くらいに発売された機種ならUSB Audio Class 2.0なんぞとっくに須く対応してるもんだと思っていた。USB-DACさえ繋ぎゃ何とでもなると思っていた。
 ――――甘かった。激甘だった…………_| ̄|○ il||li

 しかし改めて、Androidオーディオって全ッ然未成熟なんだなあと思い知らされたっつーか。iPhoneはとっくにその辺パスしてるんだものなあ…

 事此処に至り、いっそxDSDを売っ払って他のちょい惹かれたモノを狙い直すのもアリかにゃー?、とか若干思ったのだが、コスト考えてやっぱ却下。つーかPocophoneは兎も角xDSDはメーカーのポリシーとか実際の使用感が結構気に入ってるので手放す気無いし。

 ところで、将来的な採用も見据えて考え中なポータブル環境は幾つかあって、しかし何れも一長一短なのがもどかしい。

<Chord Mojo+Poly>
◎音質の良さは折り紙付き
◎幅広い対応フォーマット
◎低能率オーバーヘッドも何とかなる高出力
◎バランス出力非搭載
スマホを無線コントローラーとして使えるネットワークプレイヤー機能
△MojoだけならまだしもPolyくっつけるとかなりデカくなる
 (フットプリントがスマホ並み)
▼ネットワークプレイヤーとして使う場合、現状Androidだと対応フォーマットが限られる
×高価すぎる(二つ合わせて100kオーバー)

<HiBy R6 Pro>
◎DACとしてもトランスポーターとしても使える
 (USBオーディオ入出力をサポートしている)
○音質は良さ気
○対応フォーマットは必要十分
○高出力
○程々のサイズ感
○Android端末として見ても悪くないスペック
○HiBy Linkによるスマホを利用したワイヤレスプレイヤー機能
△4.4mmバランス出力搭載(2.5mmよりはマシだが…)
▼値が張る(100k弱)

<HiBy R5>
◎恐らくR6 Proと共通するであろう使い勝手
△未だ少々高い(50k程度?)

<FiiO M11>
○音質は概ね大丈夫そう?
○対応フォーマットは必要十分
○程々のサイズ感
○Android端末として見ても悪くないスペック
△FiiO Linkによるスマホを利用したワイヤレスプレイヤー機能
 (但しHiByより出来が甘いらしい)
△2.5mm/4.4mmバランス出力搭載
 (全部載せは面白いが、個人的にバランス出力自体が規格濫立の様相を呈していて嫌)
△未だ少々高い(50k〜60k程度?)

<Hidizs AP80>
◎DACとしてもトランスポーターとしても使える
 (USBオーディオ入出力をサポートしている)
やっすい!(17k)
◎バランス出力非搭載
○音質は良さ気
○対応フォーマットは必要十分
○ちっこい!(手のひらサイズ)
○HiBy Linkによるスマホを利用したワイヤレスプレイヤー機能

 バランス接続に関してだが、ぶっちゃけ自分は否定派というか敬遠派。特に業界内で規格がイマイチ定まりきってない辺りがホント嫌いで、剰えハイスペックPHPAメーカーの代表格であるiFi AudioとChordが採用に積極的でないことから、余計に懐疑的。
 トランスポーター機能はxDSDを手放すなら要らない子だが、自分はあくまでもxDSDを手元に残して活用していきたいので必須。むしろxDSD使うからUSB-DAC機能の方が要らないくらい。

 そして見逃せないのがHiBy LinkとFiiO Link。DAPと同系統のプレイヤーアプリをスマホにインストールしておくことで、スマホからDAPをコントロール出来るという機能である。
 スマホとDAPを無線(Bluetoothを使うらしい)で接続し、スマホをあくまでもリモコンとしてのみ利用することで、ストレージからのデータ読み出し→DAC変換→音楽信号の再生という音楽再生のプロセス自体をDAPだけで完結させる。そのため一般的なBluetoothレシーバーを用いる時と違って、無線転送に伴うダウンサンプリングの類が発生しないというメリットがある。
 HiByとFiiOの違いはメーカーは無論のこと、Link機能自体の完成度や安定性にも差があり、どうやらFiiOよりもHiByの方がその辺は優秀らしい。DAP用システム開発の点で、長らくOEMを請け負ってきたHiBy側に一日の長がある、ということだろうか?


 …………つーか此処迄書いていて思ったのだが。
 コレ、自分の場合AP80一択なのでは…………????


 機能と予算と好み考えたらベストバイどころか最早マストバイやんけ!
 う~~~~~~~~~~む……………………



※追記[190710]:

 AP80、買 い ま し た 。(ぇ
 所感はまた追々記す腹積もりなので、しばしお待ちをば…

2019/06/18

AndroidカスタムROM導入備忘録 for Pocophone 後編

 前編からの続き。




AndroidカスタムROM導入備忘録 for Pocophone 前編

 以前の記事で
「カスタムROM導入すればPocophoneでもDSDネイティブ再生出来るかも?」
 と書いたわけだが、今回実際にそれを実行してみた。

 …………結論から言うと、DSDネイティブ再生は出来なかった。
 _| ̄|○ il||li

 ただまあ、初めての「ROM焼き」で久々に色々と調べ物して実践して、中々面白かったので折角だしメモっておこうと思い付いた次第。


※かなり長くなったので前後編に分けてあります



2019/03/31

ヘッドフォン雑感:beyerdynamic DT990PRO ファーストインプレッション

 地元で開催された某オーディオイベントを見物しに行った折、展示品処分市で偶然発見し、諭吉一枚ポッキリという価格で購入。真逆斯様な有名ナンバーが超チープな包装へ雑に突っ込まれた状態で投げ売りされてるとは思っておらず妙に面食らい、咄嗟に衝動買いしてしまったという。
 何時かはやろうと思っていた初の米屋ヘッドフォンがこんなカタチになるとは夢にも思いませんでしたよ私ゃ…

 んで自宅に帰宅後、ヘッドバンドとイヤーパッドを外してクリーニングを決行。特にイヤーパッドは何かヤな感じがしたので中性洗剤で念入りに丸洗いしてやった所、めちゃくちゃキレイになって思わず冷や汗。これだから中古品は油断ならねえ…
 ヘッドバンドは消毒用アルコール染ませたキッチンペーパーで一回拭ったのだが、その途端表面の合皮が急速に劣化し始めたので慌てて中止。急遽応急処置としてイチかバチかプレクサスを吹付け馴染ませてみると、多少容態が安定したっぽいので一安心。……合成皮革にアルコール駄目、ゼッタイ。(戒め
 イヤーパッド乾燥後、現在大絶賛活躍中のxDSDを使っても良かったのだが、何となく最近使っていなかったHP-A3を引っ張り出してMBPに接続。光デジタルで出力しテキトーに音楽掛けて聞いてみた。

 巷でドンシャリとよく言われている990だが、確かにハイとローがよく出ている感じはある。女性ボーカルとか聞くと分かるが、ミッドがちと引っ込んでいる気がしないでもない。尤も引っ込み過ぎている訳ではなく、しっかりはっきり聞こえては来る。
 最近xDSDにHD25を繋いで大音量ドライブさせてみた際、妙に細かく音を拾えて大変驚かされたものだが、990とA3の組み合わせではそういう感覚はなかった。意識を向ければ一応分かるが、向けなければそう分離しては聞こえないというか。そのおかげか、「音」ではなく「音楽」を聞いている感覚が強く得られる。
 面白いのが、ハイとローがしっかり出ているのに音色?は地味っぽい辺り。故にやたらハイテンポのモノよりも、比較的落ち着いたノリの楽曲の方が向いている気がする。とは言えそんじょそこらの安物とはまるで鳴りっぷりが違うはずなので、基本何聞いても然程違和感は無いと思うが。
 総じて「派手なようで地味、しかし大人しいようで激しい」という、何ともアンビバレンスな鳴り方だと感じた。決してハイテンションではないのに音の起伏自体はハッキリしている、というか。

 その内xDSDでFLACを掛ければまた違った感触が得られるかもしれないが、少なくとも現在はこんな印象。中々面白い、の一言。
 側圧強めだがヘッドバンドのカーブが上手く出来ているのとベルベット?調イヤーパッドの良感触が相まって付け心地は上々。プラスチッキー全開でチープな見た目故かヘッドフォン自体が軽く、負担を感じ難いのも良い。その一方造り自体はしっかりしていて多少雑に扱っても大丈夫っぽいから、安心してガシガシ使い込めそう。

 購入経緯はしょーもない調子だが、モノそのものはコスト考えれば十分満足出来そう。
 やる気があればその内比較とかするかもしれない。……やらないかもしれない。(ぇ

2019/03/21

Android(Pocophone)―USBオーディオ(xDSD)間トラブル雑記

 前回の追記の後、USB Audio Player PROの開発者の方へログを送信し、少しばかりやり取りした。
 結論から言うと、PocophoneはUSBオーディオ出力にトラブルを抱えているっぽい。

 曰く、どうやらUSB Audio Class 1.0の状態で接続されるらしい。その為サンプリングレートの上限が96kHzで頭打ちになっちまうようで。
 しかしこれはxDSDがAudio Class 2.0に対応していない、というわけではない。事実、WinとMacではフツーにDSD出力出来る以上、xDSDに異常があるとは流石に考え辛いし。
 そこでGooglePlayから、USBホストモードで接続、認識したデバイスの詳細な情報を得られるアプリをインストールしてxDSDの接続状況を見てみたのだが、……やはり情報の内容がトーシロにはなんのこっちゃサッパリ。ただ少なくとも、データ転送がアイソクロナス転送として接続されていることは分かった。オーディオデバイスとして認識はされている、のかね?

 更に、XDA DevelopersへアクセスしPocophoneのUSBオーディオ絡みのトピックを検索してみたところ、そのものズバリな板を発見。早速読んでみると、Android用プレイヤーアプリで有名なPowerampでUSB-DAC(FiiO Q1 MkII)が使えたよ、というレスを見かけたのですぐに試してみた。……が、そもそもPowerampではxDSD自体を認識しないという有様だった。ちくせう。
 しかし引き続きレスを読んでいると、カスタムROM次第で認識したりしなかったりとか、2018年12月以前のROMなら動いたけどそれ以降はダメだった、なんて報告があった。……ってことはつまり、どっちかってーとハードウェア的な異常じゃなくて、OSやカーネルと言ったソフトウェア的な問題であるっぽい……?

 そういうことなら、いざとなればブートローダーをアンロックしてUSBオーディオ出力をきちんとサポートしているROMを導入してやれば、PocophoneでもxDSDをフル活用できる可能性がある、かもしれないということで。……正直、ちょっとホッとした。
 いやだってさあ、コレでもしハード異常だったらもう最悪としか言い様無いじゃんよー……でもちと時間掛かる(72時間=3日)とはいえ、Pocophoneはアンロックが公式でサポートされてるからカスタムROM焼き放題みたいだし。今んトコ、スマホゲーとかプレイヤーとかインストールしただけでほぼ素の状態で使ってるから、バックアップとかあまり気にせんでいいしね。

 しかし誤算だったなあ、まさかAndroid 9になっても未だUSBオーディオ出力をサポートしていなかったりしていたり、なんて状況とは……これなら、UAPPのUSBオーディオ出力可能端末リストに載ってる機種仕入れるべきだった。具体的に言うとASUSのZenFone 5Zとか。ASUSはZenFoneシリーズに関して言えば全てちゃんと対応しているみたいだし。やはりマザボとか作ってるメーカーはインターフェースがしっかりしてますねえ。
 また、SamsungやLG、HTC、Sonyの端末も概ね対応してるっぽい。Sony、もといXperiaはWalkmanのメーカーが作ってるだけあってその辺は流石ですな。……でもXiaomiの端末もそこそこは対応してるっぽいんですがねえ……何故Pocophoneだけこうもピンポイントで……(血涙
 因みに、USBオーディオ出力という点ではHuawei端末は地雷な模様。かなりシビアな感じらしい。

 まあ、前向きに考えるなら現状のままでもBluetoothや96kHzまでなら問題なく使えるってことなので、殆どがCDリッピング音源の自分にゃ丁度良いとも言えるが。取り敢えず、引き続きXDA辺りのフォーラムを巡回して、USBオーディオ出力をフルサポートするROMが出てきたら報告を見つつ導入でもしてみようかねー。

2019/03/10

ポータブルヘッドフォンアンプ覚書:iFI Audio xDSD

※御詫び[190318]:

 以下、本文の初版部や一部追記箇所が大変見苦しいことになっていますが、私の認識不足やら勘違いやらが色々と酷かったので、自戒を込めて敢えて残してあります。
 非常に読み辛いかもしれませんが、どうか御了承下さい… つーかいっそ読み飛ばしてくれてもいいのよ!(平謝&懇願



 前回のトラブルで無事普通に使えるようになったxDSD。
 ところが、色々やってる内に一つおかしな点があることに気付く。

「…………あれ?これ、NeutronでDSDネイティブ再生出来て無くないか??」

 Neutronには再生中のファイルがどのようにデコードされているか表示する機能があるのだが、DSD128ファイルを再生させるとどうやらPCM96kHz/32bitに変換されているらしく、ネイティブ再生が出来ていない模様なのだ。
 そこで色々と設定を弄ってみるのだが、どう足掻いてもサッパリで、ネイティブ再生が出来る気配が無い。ネットで情報を漁ってみたが、スマホとUSB-DACを接続してのDSDネイティブ再生がNeutron上で成功したという確かな報告は全然見付からない。英語のフォーラムも探してみたが、それらしいレスはやはり見当たらなかった。

 どうにかしてDSDネイティブ再生を実現出来ないかと模索してみたところ、Neutronではなく「USB Audio Player PRO(UAPP)」という先日一度試した有料プレイヤーアプリなら可能性がありそうだと分かり、一度払戻した上での再インストールは再度払い戻せないことを覚悟の上で購入。もう一度試してみた。
 ……が、やはり駄目。それどころか88.2kHzでデコードされているらしく、Neutronよりも悪くなってしまう結果に。

 「やっぱりこれ初期不良なんじゃないの……??」と購入店への初期不良交換依頼をマジで考えつつ、最終確認としてデスクトップPCとの接続試験を準備。fb2kにDSD再生用のコンポーネントを導入し、付属品のUSB3.0ケーブルを使って接続。コレで駄目ならホントに交換してもらうしかねえ、と思いながらDSDファイルの再生を実行。

「――――――――は????
(あるぇ?!普通に再生されるやんけ!しかもちゃんとネイティブで!)」

 何せxDSDのインジケーターがDSD再生時の色で光ってるので間違いない。一体どういうことなのか。
 じゃあファームウェア変えたらどうだ、と前回インストールしたv5.2Bからv5.2Aを試す。…………やっぱりきちんと再生される。インジケーターもDSDの色で光っている。そんな馬鹿な。
 どういうことなのか、と思いつつPocophoneに繋いでみる。更にv5.20にもしてみた。……すると、ファームのバージョンによってNeutronやUAPPで再生出来たり出来なかったりする組合せがあることが分かってきた。尚DSDネイティブ再生はNeutronでもUAPPでも何れにしろダメだった。くそう。
 この時点でようやく、「出力元及びプレイヤーアプリと、xDSD(のファームウェア)の間に相性問題が存在しているのでは」という可能性に思い至り始め、それを確かめるためにファームを出荷時のバージョンであるv5.30へ一度戻してみる。その上でWin(fb2k)、Mac(JRiver Media Center(JRMC)・Audirvana Plus)、Pocophone(Neutron・UAPP)の組合せをとっかえひっかえ試してみた。

 ……結論から言うと、xDSDのファームと出力元との間にはかなりシビアな相性が存在することが分かった。
 以下、分かったことまとめ。

<ファームウェアv5.2B>
・NeutronとUAPPでUSB出力可能、但しDSDネイティブ再生は不可
(DSD128(DSD5.6MHz)の場合、NeutronはPCM96kHz/32bitへ、UAPPは88.2kHzへ変換される)
・NeutronでBluetooth再生可能
・JRMCでDSD再生不可

<ファームウェアv5.20〜5.2A>
・NeutronとUAPPでUSB出力が不可なことがある
・NeutronでBluetooth出力が不可なことがある
・JRMCでDSD再生不可
・fb2kでDSDネイティブ再生(ASIOネイティブ・DoPの両方共)可能 ※追記参照

<ファームウェアv5.30>
・NeutronでUSB出力不可、Bluetooth出力可能
・UAPPでUSB出力可能、DSDネイティブ再生は不可(DSD128は88.2kHzへ変換)
・JRMCでDSD再生不可
・AudirvanaでDSD再生(DoP)可能
・fb2kでDSDネイティブ再生(ASIOネイティブ・DoPの両方共)可能

<ファームウェアv5.3C>
・NeutronとUAPPでUSB出力不可
・NeutronでBluetooth出力不可
・MacでUSB・Bluetoothの両出力不可

<Neutron>
・ファームv5.2BではUSB・Bluetoothの両出力可能
・ファームv5.20〜5.2AではUSB・Bluetoothの両出力で不可なことがある
・ファームv5.30ではUSB出力不可、Bluetooth出力可能
・DSDネイティブ再生は不可(DSD128はPCM96kHz/32bitへ変換)

<UAPP>
・ファームv5.2BではUSB出力可能
・ファームv5.20〜5.2AではUSB出力が不可なことがある
・ファームv5.30ではUSB出力可能
・DSDネイティブ再生は不可(DSD128は88.2kHzへ変換)

<JRMC>
・全ファームでDSD再生不可

<Audirvana>
・ファームv5.30でDSDネイティブ再生(DoP)可能

<fb2k>
・全ファームv5.2A、v5.2B、v5.30でDSDネイティブ再生(ASIOネイティブ・DoPの両方共)可能

 単純に「xDSDを使ってDSDを再生する」ということだけ考えるなら、ファーム問わずネイティブ再生出来そうなfb2kとAudirvanaがどうも最善の選択肢っぽい。スマホはUAPPを使えばv5.2Bとv5.30でネイティブではないが安定再生が可能、Neutronはv5.2Bではないなら基本的にBluetooth専用か。JRMCは問題外。
 ファームはv5.2Bが最も汎用性が高く、v5.30がそれに次ぐ。それ以外はちと安定性に欠ける。特にv5.3Cはウチの環境では使い辛そう。

 いやはや、コレは面倒なことになったもんだ……まさか此程デバイス・アプリ間の相性が面倒な塩梅になっているとはなあ……orz
 Winとfb2kが最善、MacとAudirvanaが次点。スマホはDSD再生についてはかなーり妥協する必要がある、と。……当初の理想(スマホでDSDネイティブ再生)から大きくかけ離れた結果に涙がちょちょぎれそうです。(遠目

 取り敢えず、引き続き検証は進めてみようかと。
 だってBluetoothでも再生不可能ってのは流石におかしいしなあ…



※追記[190311]:

 ファームv5.20を導入して、AndroidとWinで挙動をチェックしてみた。
 すると、

・USB出力はNeutronもUAPPもfb2kも全滅
・しかもBluetoothまでダメ
・v5.20の導入自体はちゃんと上手く行った(Winで実行)
・デバイスはしっかり認識されている

 いやいやいや、なぁにこれぇ……(頭痛
 だって箱の中に入ってるカードには英文で「PCM(DXD)768kHz/DSD11.2~22.4MHzを再生したい場合はファームウェアv5.20をインストールしてね!」って書いてあるじゃんよぅ…

 加えてv5.30において、96kHz/24bitと192kHz/24bitのFLACをUAPP使って再生を試みたら、勝手にリサンプルしようとするらしく、ビットパーフェクトでの再生をオプション指定していたためにエラー出て弾かれてしまうという珍事が発生した。なんでや!
 またONKYOのHF Playerをインストールしてみたのだが、アンロックキーを導入したにも関わらずファイルの再生が出来ないという…

 流石にコレは幾ら何でも異常が過ぎると思えてきたので、現在購入店への返送を準備中。
 進展があったらまた何か書くつもり。



※追記[190312]:

 購入店へ返送。
 他、

・xDSDと同時に買ったiFI純正のType-C USB OTGケーブル自体は多分無問題だった?
(ケーブルにUSB3.0 SDXCリーダ/ライタ挿してPocophoneに突っ込んだらフツーに認識した)
・UAPPの公式HPを覗いてみた所、UAPP内蔵ハイレゾドライバのスマホとの互換性リストにPocophoneがちゃんと記載されていた
・またUAPP(の開発元であるeXtream Software Development)のUSBドライバ動作デバイスリストにxDSDが載っていた

 以上から考えて、やはり今回自分が手に取ったxDSDの挙動はちとおかしかったのではなかろうか。
 大体、ファームv5.20下でxDSDと同等の対応フォーマットを誇るmicro iDSD(BL含)が、スマホ(Xperia)とのペアでキッチリDXD/DSDネイティブ再生に成功している報告が上がっているのだから、Bluetooth以外ほぼ同様のインターフェースである(はずの)xDSDでこの結果はやっぱり不自然なんだよねえ…

 ま、何はともあれ送ってしまった以上は返事を待つしかあるまいて。
 願わくば、マトモな挙動するモノと交換してくれますように…



※追記[190318]:

 土日に購入店から返答があり、……………………特におかしい挙動は認められない、との報告が。おぉ……orz
 しかも、

・iPhone X → CCK → xDSD → NePlayerでDSDネイティブ(DoP)再生が出来る(インジケーターもバッチリ)

 ……この事実を聞いて、「あ、コレはウチ(というかPocophone)との相性問題やな(諦観」と悟ってしまった。
 完全に無駄返送です、本当に有難うございました。_| ̄|○ il||li

 更に、こないだ追記で書いた、

・UAPPの公式HPを覗いてみた所、UAPP内蔵ハイレゾドライバのスマホとの互換性リストにPocophoneがちゃんと記載されていた

 だが。……これ、USB-DACを使う際の話じゃなくて、スマホの内臓オーディオを使う際の話だったらしい。……………………嗚呼…………(自己嫌悪


 整理すると、

・xDSDにおかしいトコは無い
・ファームは(v5.3Cを除き)関係無い
・純正OTGケーブルも問題無い
・UAPPのオーディオデバイス動作リストにxDSDが載ってるのは間違いない
・PocophoneはUSB OTGにちゃんと対応している
・しかしDSDや192kHzのようなハイレゾフォーマットをリサンプルレスで再生不可能

 従って、目下一番の問題は「PocophoneからxDSDへの音楽データ伝送状況を確認し、その上でDSDネイティブ&ビットパーフェクト再生出来るように設定変更する」ってのをどうすれば実現出来るか、である。
 ……どうしたもんだろう……(溜息



※追記[200705]:

 Pocophone F1でUSB-DACを使ってビットパーフェクト再生、出来ました。
 但しxDSDではなく別のPHPAでの話。詳しくは此方の記事を御覧下さい。

2019/03/07

モバイルとかオーディオとか雑感

 まさかの一年以上の放置に我ながら草生えますよwwwwwwwwww



 …………いや、私生活が色々と慌ただしくてですね。プラモは積みっぱだしオーディオも特になーんも買い物してないし。ちゅーか諸事情あって一年通してテンションがだだ下がりでブログ更新する気力が無かったワケでして……(※言い訳になっていません

(実はこっそりと一回だけ更新していたりするのですが、悩んだ末非公開にして引っ込めてあります。ぶっちゃけ読んで楽しい話でもないので……まあ、気紛れで再公開するかもしれませんが)

 しかし、2019年に入ってから買い物を少々致しまして。
 具体的に言うとスマホとポタアン。DAPを兼ねて愛用していたLG V10(LG-H961N)がスマホゲーをプレイ中に突如フリーズ→まさかの   という最悪のぶっ壊れ方を見せつけてくれやがりまして、代替として格安ハイパワースマホ+USB-DAC内蔵ポタアンの組み合わせを検討、実際に仕入れた次第。
 どちらも中々面白い、つーかとても良いモノだったので、簡単に雑感など記させて頂こうかと。


<スマートフォン雑感:Xiaomi Pocophone F1(Poco F1) ファーストインプレッション>

 日本国内で正規に取り扱いのある中国のスマホメーカーで、恐らく最も有名なのはHuawei(ファーウェイ)だろう。OPPO(オッポ)も正規販売されているが、Huawei程の知名度は無いと思われる。
 一方、今回購入した機種の製造元であるXiaomi(シャオミ)は日本国内で正規販売されていないメーカーである。しかし中国国内や欧州のグローバル市場に於いてはそのコスパの良さから人気が高い。日本でも、熱心なガジェッターが欧州や香港、シンガポール等に拠点を置く海外の通販サイトから個人輸入している模様。
 かくいう自分も、かつてV10をEXPANSYSという英国の通販サイトから個人輸入したのだが、今回はEXPANSYSではなくETORENというサイトを利用した。購入手続きは至ってシンプルで、クレカやPayPalアカウントを利用すれば支払いもスムーズ。普段から密林や楽天で買物をしていれば、先ず問題なく購入出来るだろう。

 さて、肝心の機種そのものについてだが。
 此度、V10の代替としてのスマホを買うにあたって考慮したことは、

・ハイパワー
・低価格(出来れば50k以下、最悪でも60k以下)
・microSDカード対応
・USB-C端子搭載
・3.5mmミニプラグ搭載
・Bluetoothコーデックの充実(特にaptX HDとLDAC)
・ハイレゾ音源(DSD等)再生可能

 ……この七つ。尤も、特に重視したのは上から四つまでで、下の三つはあれば良いかな、という程度だったけど。
 そんで色々探した結果、当初はASUSのZenFone 5ZとHuaweiのnova3が候補に上った。ハイレゾ音源への対応は微妙な所だったが、どちらも国内で正規に扱われている機種としては値段とパフォーマンスのバランスが良さ気(Zenfone 5Z:60k前後、nova3:50k前後)で、後は安さを取るかスペックを取るかで悩んでいた。
 そんな時、SamsungのGalaxy Note9が先程の条件の内、価格以外の全てを満たしていることを知り、猛烈に欲しくなったものの日本国内では大手キャリアの内二社(auとdocomo)からしか正規販売されていないことで敢え無く断念――したかと思いきや、中古スマホショップのイオシスで新品同様の品がSIMフリー状態でフツーに買えると分かって混乱し始める。……「いっそ奮発して全部入り買っちゃうのもアリじゃないか…?」とか本気で考え出しては即否定、を何度繰り返したことか。

 Note9の存在を知ってから、どっかで安く買えるショップ無いかなー、とネットを漁り続けていたのだが、そんな時にEXPANSYSでSIMフリーのグローバル版が80kそこそこで陳列されているのを発見。ここでようやく、「かつてV10を買った時と同じ真似をもう一度やる」という選択肢に思い至り、日本国内で正規販売されていない機種も含めて条件に合う機種を再検討。
 すると、一つとんでもない機種が見付かった。今回購入したXiaomiのPocophone F1である。

・ハイパワー(Snapdragon 845+RAM6GB+液冷機構)
・microSDカード対応
・USB-C端子搭載
・3.5mmミニプラグ搭載
・aptX HD、LDAC対応
・大容量バッテリー(4000mAh)

・低価格(ストレージ64GBなら30k台前半、128GBでも30k台後半)

 ――――コレだッッッッッ!!!!!、と思いましたよえぇもう。

 その後、カラバリにArmored Editionというリアにケブラー素材を使用した特殊モデルがあることを知り、これなら方々で言及されていた安っぽさも多少はマシになるかしらん?、と思って取扱店を捜索。先述したETORENを発見し、購入に至った次第。
 尚、Armored Editionはストレージ容量が128GB固定且つ値段がちょい高め(40kちょい)だった。それでもSDM845搭載機としては破格もいいトコだけど。

 長々しく鬱陶しく購入経緯を語ってしまったところでPocophoneの雑感だが、

 なんじゃこのヌルサク感は?!

 現在、通話用のケータイはHuaweiのP10 Liteを使用しており、コイツも中々値段の割にはよく動いてくれる。が、スマホゲーなんかをやっていると結構熱持ってカクついたりすることがしばしば。……それでもお亡くなりになったV10よりは軽快だが。
 しかしPocophoneのレスポンスは正にケタ違い。ブラウジングは当然のこと、ゲームでもほぼカクつきが発生しない。剰え、プレイヤーを起動しバックグラウンドでBluetoothイヤホン使って(aptX接続)音楽聴きつつスマホゲーをプレイしても、殆ど支障が無い。……こんな真似をP10 Liteでやればかなり負荷掛かるだろうし、V10でやろうものなら果たしてどうなったことやら…
 SDM845という現行トップクラスのSoC、6GBの大容量RAM、極めつけにゲーミングマシンさながらの液冷機構というトリオが齎すパフォーマンスは「快適」の一言に尽き、その上4000mAhの大容量バッテリーのおかげでやたらこまめに充電する必要は無いと来た。……正直、これが日本国内で正規販売されようものならXiaomiの天下は確実だろう。だってコスパが化物過ぎるもの。つか安過ぎて笑える。草生えますよwwwww

 彼方此方で言われているPocophoneの欠点、「見た目」「カメラ性能」「対応バンド」だが、私的にはスペック最優先で購入したので殆ど気にならないかなあ。むしろカメラ性能は十分過ぎる程綺麗に撮れるのでとても驚かされた。ま、見た目のチープさと対応バンドの狭さは同意出来るが、どのみちジャケット被せるしバンドもソフバン系がほぼフル対応しているので実用面は問題無いだろう。強いて言えば技適パスしてないの最大の欠点か。個人輸入やる次点で既に分かりきったことだが。
 なんでもXiaomiスマホの中国国内向けモデルはGooglePlayがインストールされていないらしく、グローバル版でないとGoogle系アプリは利用出来ないとか何とか聞いていて、届いて起動する前は内心おっかなびっくり状態だったのだが、ちゃんとPlayストア使えるしChrome入ってるので何の問題も無かった。てか日本で正規流通していないにも関わらずOSが完全対応している辺り、グローバル企業ってのはよく分かってらっしゃる(?)ねえ。

 一つ誤算だったのは、事前にネットで調べて付属する充電器がC型プラグらしいので日本仕様のA型に変換するコネクタ?アダプタ?を購入しておいたのだが、実際に到着したArmored Editionに付属していたのはなんとBF型という……おかげさまでAnkerのQuickCharge3.0対応充電器を別途購入するハメに。トホホ…
 他、ガラスフィルムや耐衝撃ジャケットも購入したので、そういったオプションだけで5k程掛かっていたり。尤も、フィルムとジャケットはPocophoneじゃなくても買い揃えていたはずなので、必要経費のようなモノです。

 70kや80k、或いはそれ以上するようなハイエンド機程見た目のプレミア感は無いが、中身がそれらとほぼ同等で価格は凡そ半額かそれ以下という圧倒的なコスパはやはり魅力的。無論、いざという時の保障は無きに等しいがそれを補って余りあるお買い得さの一台と言えよう。
 所々で言われてるが初めてのスマホ個人輸入にもオススメ。この機会に64GBモデルをサブ機として如何?


<ポータブルヘッドフォンアンプ雑感:iFI Audio xDSD ファーストインプレッション>

 さて。
 スマホを上手い事格安で新調出来たは良いが、V10で再生出来ていたDSDファイルがこのままではストレージの肥やしと化してしまうぞどうしよう、となった次第。

 ……とは言うものの、そもそもそんなにDSDファイルを数多く持っている訳ではないので、ぶっちゃけ無視しても良かった。しかし、これでもなんだかんだ言って一時期イヤフォンヘッドフォンを少ない懐をどうにかやりくりしてチマチマ買い増やしていたくらいにはオーディオを趣味としていた身。どうしてもハイレゾ音源を十二分に再生出来る環境を維持するべく、今度はDAPを捜索することに。

 スマホをどうにか安く抑えられたとは言え、トータルで50k近い出費だった以上、DAPはなるたけ安く抑えたいところ。必然、低価格帯を捜索するわけだが……コレが中々どうしてしっくりこないから困る。かと言って高価格帯はハイスペックな分価格の青天井加減もいいトコで、そんなもん付き合ってられぬ。六桁とか気が狂っとるとしか思えん…
 大体、V10を入手した時も感じたが、「……何で据え置き(デスクトップ)よりポータブルの方がDSD対応してたり環境スペック高くなっとんねん!?」というか……いやHP-A3ってUSB-DACとしては結構初期の方の製品だし、仕方無いこととはいえ…

 んで気付く。
「――あ。そうか、DAPじゃなくてPHPA(ポータブルヘッドホンアンプ)でも良いんか!」

 別にDAPを買わずとも、USB-DAC兼用PHPAを購入してスマホと繋げばポータブルリスニング環境としては申し分無い。スマホではなくデスクトップに挿せばそのまま据え置き環境化するし、自分の使い方にはDAP買うよりもその方がマッチするんじゃないか?、と。
 そこで目を付けたのが前々から気になっていた英国のオーディオメーカー、iFI AudioのxDSDと呼ばれる一台。最大でPCM(DXD)768kHz、DSD11.2MHzに対応し、最近出たばかりのハイレゾフォーマットMQAもドライバ次第で再生可能という超ハイスペック。更にaptX・AACの両Bluetoothオーディオコーデックにも対応し、高級Bluetoothトランスミッターとしても運用可能、と至れり尽くせりな製品である。
 だが如何せん価格が60k弱と結構高く、懐事情が世辞にも豊かとは言えない身ではちと手が出し辛い。Pocophoneと合わせると110kレベルの出費になりかねず、それではGalaxy Note9のSIMフリーを購入したのと大差無くなってしまう。

「むむむ……しかしアレ程のハイスペック(対応フォーマットの幅広さ)とBluetoothによる気軽なワイヤレスリスニングを両立可能な製品って同価格帯だとFiiO Q5くらいしか無いし、DAPでUSB-DACとしても十二分に活躍できそうなのって大分高くなるぞ…」

 ――と、悩んでいた矢先。
 某有名オーディオショップで、偶然にも月末のセールにより何と15%引きでxDSDが買えるようになっているのを目撃してしまった。

 …………まあ、その、なんだ。
 そういうしょーもない経緯(?)で、xDSDをIYH!してしまったのである。

 実際にxDSDを手に取って最初に思ったのは「小ッッッッッさ!?」である。自分の掌に丁度すぽりと収まりそうなサイズで、これで実売60k弱とかオーティオの世界って本当に頭イカれてるんやなって…
 取り敢えず簡単に実験として、Bluetoothから試すことに。ポリュームノブのLEDが青くなるまで長押しして電源を入れ、先ずはPocophoneとペアリング。勝手にaptXで繋がっていることに感心しつつ、事前にインストールしたNeutron Music Playerを起動。文鎮と化したV10から引っこ抜いて中身整理した後にPocophoneへ挿したSDXCから、適当なFLACを選択して再生。尚、出力先はATH-ESW9。

 先ず驚いたのは、こんな小さい筐体の何処に此程の出力があるのかということ。ESW9は別に鳴り難いヘッドフォンではないが、しかし何というか、こう、頭の中や周りにぶわっと音楽が広がる強い感覚があって、決して爆音では鳴らしていないにも関わらず強烈な印象を叩き付けてきた。……我ながら、上手く言葉で表現出来ないのがもどかしい。
 HP-A3やV10も中々の鳴り方をしていたと思うが、xDSDはそれらよりも音が鮮明で、所謂「表現力」的な部分がかなり優れているように感じられた。折角なので手持ちのイヤフォンも色々試してみたが、「あれ?コイツってこんなイイ鳴り方してたっけ?」と何度も思わされて、逆説的にxDSDのポテンシャルを実感することに。
 また、ギャングエラーの心配無く音量を取れるのが地味に有難い。HP-A3は低音量だとかなりギャングエラーがキツく、大抵のイヤフォンや高感度のヘッドフォンでは音量が大きくなりがちだった。一方V10はギャングエラーこそないものの、ボリュームの段階がやや荒く、丁度良い塩梅で調整し辛いのが厄介だった。xDSDはそういった心配をしないで済むので、ストレスフリーである。

 Bluetoothでも此程音が良いなら、USB直結ならどうなるんだろう……とワクワクしつつ、引き続きUSB入力を試すことに。実はxDSDと一緒にiFI純正のType-C USB OTGケーブルを購入しておいたので、それを使用してPocophoneとxDSDを直結。再生を開始。

 ……………………トラブル発生。音が出ねえ。

 ボリュームノブを回して音量を上げても音が出ない。Pocophone本体の音量を上げても変化無し。Neutronの設定をアレコレ弄ってもダメ。というか変なノイズが聞こえてきた。やべえ。
 USBを抜き差ししたり、プレイヤーを一旦タスクキルしてから再起動したり、PocophoneとxDSD自体を再起動したり、Pocophoneをファクトリーリセット掛けたり。兎に角何をやってもダメ。鳴らない。えぇ…
 じゃあファームはどうだ、おぉ丁度良く最新ファームv5.3Cとかあるやんけ試したろ、とファームウェアアップデートを実行。アプデ完了後にもう一度直結して再生。しかしやっぱり鳴らず、Neutronとは相性が悪いのか?、と考えてNeutron以外のUSB出力対応ミュージックプレイヤーアプリを導入してみたが全てダメだった。マジか。
 ならそもそもAndroidとは相性が悪いのか、と思い付属品のUSB3.0ケーブルを使用してMBPに繋いでみる。Audio MIDI設定を開くとちゃんとデバイスが認識されていて安心。しかしこっちでも音が出なかった。……………………なんで??(涙目
 なんだよもう、じゃあBluetoothでしか運用できないじゃんよ、とMBPとペアリングさせて適当に音を出させようする。そして焦る。Bluetoothでも再生できなくなっている。…………ちょっと待てちょっと待てねえちょっと待って……?!

 正直な話、この時点で購入店に初期不良扱いで返送することを本気で考えていた。ああどうしよう不良品掴まされた、くそうやっぱり英国面は信用ならんやはり最近は中華や韓国あたりがベストバイか、なんて思考していた辺り、相当混乱していたのだと思う。
 しかし翌日、そういえばv5.20~5.2Bのファームを使えばMQAは使えなくなるけどDXD768kHzやDSD11.2MHzが再生出来るようになるんだっけ、と思い出し、一縷の望みを託してファームのロールバック(→5.2B)を決行。すると――――――――無事に、音が出た。それもUSB直結で。Bluetoothも問題なかった。バッチリだった。

「――――MQA対応のせいかあああああアアアアアッッッッッ!!!!!」
 MQAなんて要らんかったんや!何だよオーディオ折り紙ってふざけんなコンチクショウ……!!(※酷い言い掛りです

 ……本当ならHP-A3とか未だにポータブルとして愛用しているJ3やnano(6th)辺りと音質比較するのがネタ的に良いのだろうが、流石にこういうアクシデントがあるとそんな気力が残っているはずもなく。その辺はまたいずれということで…
 下らないトラブルでかなり複雑な心境に陥ってしまったものの、きちんと使えるのであれば有線でも無線でもイイ音が楽しめる優秀なデバイスだとは思う。うん。はず。
 その内v5.3のファームに戻してみてもいっかい調子見てみようかな……どうもv5.3Cは公式のアナウンス見るとちょっと仕様が特殊っぽいし…


 このまま引き続き一昨年の年末からやってるスマホゲーの雑感でも書こうかと思ったのだが、流石に長くなり過ぎるので一度筆を置くことにする。
 今年は多少更新出来るといいなあ…