以前の記事で
「カスタムROM導入すればPocophoneでもDSDネイティブ再生出来るかも?」
と書いたわけだが、今回実際にそれを実行してみた。
…………結論から言うと、DSDネイティブ再生は出来なかった。
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ただまあ、初めての「ROM焼き」で久々に色々と調べ物して実践して、中々面白かったので折角だしメモっておこうと思い付いた次第。
※かなり長くなったので前後編に分けてあります
<ブートローダーアンロック>
ROM焼きする上でやらなきゃいけないのがコレ。ブートローダーってのはOSをストレージから読み込んで起動するためのプログラムで、自作PC辺りでマルチOSをやったことがある人ならお馴染みのシステムだろう。
AndroidをROM焼きするなりroot化するなりして好き勝手やりたい場合、先ずはコイツに掛かっているロックを外してやる必要があるのだ。
んでPocophone、というかXiaomi端末の場合、ちと面倒臭いことに以下の準備が必要っぽい。
・SIMを挿してモバイルデータ通信が出来るようにする
Wi-Fiじゃダメなのかよ!?、と思ったがダメらしい。Pocophone(というか大概の海外モデル?)はソフバン回線だとバンドのマッチングが良い。本記事の作成時点であればLINEモバイルが安くてオススメ。密林辺りでエントリーパッケージを仕入れると手数料浮いてお得。
・Mi Accountの作成とサインイン
Xiaomiの公式アカウントの開設が必須。作り方は殆どのインターネットサービスと変わらないので割愛するとして、重要なのは「携帯番号(SMS専用可)の登録」が必須ということ。ココを忘れると後々詰まるので注意。
開設したらPocophoneの設定を開き、「Miアカウント」からサインインしておく。
ここまでやったら後は以下の通り。
因みに、Androidは端末によって項目の表記が多少ブレるのでその辺は臨機応変に。
また、記事作成時点に於ける手順なのでもし何か変わっているとしても悪しからず。
1.Androidの開発者オプションを有効化
「設定-端末情報」下の「ビルド番号」を何回か叩くと出現する。但しどこに出現するかは端末によりけりなのでよく探してみよう。
2.OEMロック解除(とUSBデバッグ)の有効化
「開発者オプション」に項目があるのでアクティブにしておく。警告が出るが容赦無く有効化。
3.アカウントとデバイスの登録
「開発者オプション」にMi Unlock状態という項目があり、開くとアカウントとデバイスの追加(MiアカウントとPocophoneとの紐付け)を行えるのでそのように。
4.公式アンロックツールの入手
Xiaomiが公式に配布しているアンロックツールをPCに導入しておく。
PCでここにアクセスして真ん中の「Unlock Now」をクリックし、Miアカウントにサインインする。ニックネームの登録を求められるので適当に決めてやり、先程のページに戻って「Unlock Now」をもう一度クリック(或いはこちらにアクセス)。すると公式アンロックツールのダウンロードリンクがあるのでPCに保存。
Windowsの場合、インストーラーではなくZIP書庫なので適当な場所で解凍。中にあるmiflash_unlock.exeを実行すればオーケー。Macは詳細不明だが、恐らく要領は同じはず。
プログラムが起動するとMiアカウントのサインインを求められるので、そうしておく。
5.fastbootモードの起動
Pocophoneの電源を一旦落とし、音量-ボタンと電源ボタンを同時押しして起動すると、fastbootモードで立ち上がる。
注)この後PCと接続してアンロック処理を行うのだが、アンロック処理を行うと「端末内の全データが消える(≒出荷時に戻る)」。なので、写真や音楽など何か大切なデータを既に保存しているなら絶対に予めバックアップを取っておく。
6.アンロック処理
fastbootモードの端末をPCと接続し、アンロックツールからアンロックを実行。警告が二回程出るがひたすら進む。
7.待機
アンロック処理の進行具合がパーセンテージで表示される。…………で、確実に99%でストップし、アンロック出来ないと言われる。だがコレ、別に失敗したのではないので大丈夫。
実はアンロック処理を完了するにはここから一定時間の待機が必須であり、表示内容を読み下せば分かることだが、今までの工程を順調に進めていたなら「72時間(=三日間)待て」と表示されているはずである。これは短縮のしようが無いモノなので、大人しく三日間待つべし。
じゃあ三日間PCと端末繋いだまま画面も表示させたままにしなきゃならんのか、と言うとそうではなく、72時間経った所でもう一度アンロック処理を実行してやればいいだけなので御安心を。但しこの間に端末のリセットなどを行うとややこしい事態になるっぽいので注意。
8.再挑戦
たっぷり三日以上経過したらもう一度アンロック処理を実行。前回は99%で止まっていた処理がきちんと完了され、端末のリセットと再起動が掛かる。
無事に処理が完了すると、端末起動時の(Pocophone by Xiaomi)の下に「Unlocked」の表示が出ているはず。念を押すなら開発者オプションのOEMロック解除を見て、グレーアウトしているのを確認出来れば完璧。
お疲れ様でした~。
……と、ここまでが「端末を好き勝手出来るようにする」ための第一段階。
ある意味、本題はここからである。
<カスタムリカバリ導入>
晴れてブートローダーをアンロック出来たら、今度はカスタムリカバリを導入する。大抵の場合、AndroidスマホにはノートPCと同様に純正のリカバリシステムが組み込まれているのだが、コレをサードパーティーのプログラムに置き換えてしまうのである。
その為に必要な準備は以下の通り。
・CUI用プログラムの導入
リカバリシステムの置き換えにはCUI(WinのcmdとかMac/Linuxのターミナルとか)でコマンドを叩いて使用するプログラムを導入する必要があり、かつてはAndroid開発環境(Android SDK)のインストールが必要だった。が、現在はリカバリシステムの置き換えで用いられる「adb」「fastboot」コマンドだけを手っ取り早く使えるように出来る「Minimal ADB and Fastboot」というツールがあるので、ソイツを使う。インストーラー版とポータブル版があり、個人的な好みで後者を採用した。
最新版のファイルを入手したら任意のフォルダへ書庫を解凍し、CUI立ち上げてカレントディレクトリをプログラム(adbとfastboot)のあるフォルダに合わせておく。それだけ。後々の手間を省きたいなら、ドライブ直下に「adb_fastboot」みたいな分かりやすい名前でフォルダ作ってそこで書庫を解凍すればよし。
注)カレントディレクトリの合わせ方だが、CUIでcd辺りを叩いてディレクトリを移動する昔ながらのやり方もあるが、Minimal ADB and Fastbootに入っている「cmd-here」というプログラムを実行する方がずっと簡単。管理者権限持たせるならコンテキストメニューから実行する。
・カスタムリカバリの入手
今回はカスタムリカバリでも特に有名な「TWRP」を使用。何とPocophone用のプログラムが用意されているので最新版をPCに保存しておく。ホームページはコチラから。
ダウンロードしたファイル(.imgファイル)は「Minimal ADB and Fastboot」のadbとfastbootファイルが存在するフォルダに入れておく。
さて、ここまで出来たら後は比較的シンプル。
1.端末をfastbootモード起動し、PCと繋ぐ
2.CUIのディレクトリがMinimal ADB and Fastbootのファイル一式とTWRPのファイルが存在するフォルダを指定していることを確認
3.「fastboot flash recovery [TWRPの.imgファイル]」と入力し、実行
4.CUIにFinishedと表示されたら置き換え完了
5.「fastboot reboot recovery」と入力し、実行
6.TWRPが起動する
7.初回起動画面が表示されるので、一番下の「全ての変更を許可する」をスワイプ
8.メニューが表示される
コマンドやファイル名を叩き損ねると大変なことになりかねないので、不安ならコピペすると安心。
無事にメニュー画面まで行けたら、PCとの接続を切っても取り敢えずは大丈夫。電源を落としたい場合、メニューからRebootをタップすると電源を切るための項目があるのでソレを使うと良い。
尚、何処かのタイミングでTWRPのアプリをインストールするかどうかを聞いてくるかもしれないが、その辺はお好みで。個人的には要らなかったので止めといた。
今後はfastbootモード起動と同じ要領で「音量+ボタンと電源ボタンを同時押しして起動」すればTWRPが立ち上がるので、PCに繋ぐ必要がなくなる。これはこの後ROM焼きで結構効いてくる部分だったり。
TWRPは導入するファイルによっては日本語化可能だったりもするが、しかし基本的には完全英語のプログラムなので注意。尤もそんな難しい内容は出てこないので、義務教育をしっかり修了していれば概ね理解できるだろう。
後編へ続く。
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