2020/09/21

据置型HPA/DAC複合機雑感:RME ADI-2 DAC FS ファーストインプレッション


 DT1990PRO(※未到着)から始まった、臨時収入による散財の第二弾。
 当初は真空管内蔵DAP or サブスクに完全対応したAndroidDAPのハズが、何時の間にか据え置き機の導入になって出費が大幅増しになるという…

 ……何はともあれ。
 ヘッドフォンやイヤフォンに凝り始めた頃に買ったHP-A3以来となる、久々の据え置き機である。しかも御値段は怒涛の六桁。ワクワクしないわけがない。
 休日の午前に受け取って早々箱出しし、事前に接点復活剤で端子をメンテしておいたオーディオグレードUSBケーブル「FURUTECH GT2 USB(1.2m)」を用いて、専用ドライバインストール済のデスクトップPCとADI-2 DAC FSを接続。foobar2000でASIO出力してみた。
 出力先にはリファレンスとして重用しているT60RPを選択。設定はハイパワーモードをONに。イコライザやラウドネス、クロスフィード等は一切未使用。


――――――――ぇ、何コレすっご…………(震声


 ……もうホント只管良い意味で兎に角滅茶苦茶びっくりした。今まで聴いてた音は何だったの????、というか。
 数曲聞き終わった頃には顔のニヤけと背筋のゾクゾク感が止まりませんでしたよええもう。我ながら気持ち悪いこと限りないけれども。

 XD-05 Plus(with MUSES03*2)とT60RPも中々の鳴り心地だとは思うが、……流石に相手が悪過ぎる。ADI-2 DAC FSは次元違いと言って過言ではないクオリティだった。
 何と言っても解像感と分離感が異常。ディテール感凄まじ過ぎ。音楽の中の要素としての「音」の一つ一つを、余りにも簡単に捉えられて正直頭が混乱した。確かにコレなら、プロ仕様のAD/DA機器をベースにリスニング用途に最適化した、という設計思想にも合点がいく。モニターサウンドってのはこういうコトか…
 表現力も流石の一言。迫力ある音から繊細な音までしっかり描き分けてくれる。この辺はハイレゾ音源以上に44.1kHz/16bitの一般的なCD音源だと差を感じやすいかもしれない。「この音源ってこんなに情報多かったっけ……??」ってコトがしばしば。RME謹製のフェムト秒精度クロックが成せる技なのだろうか?
 ……なんつーか、XD-05 PlusはT60RPのスペックを十全に発揮出来ていなかったんだな、と痛感させられた。まあXD-05 PlusとADI-2 DAC FSの価格差考えたら当たり前っちゃ当たり前なのだが…

 他に驚いた点として、音量調整の細かさにむっちゃ感心させられた。ギャングエラーを一切出さずに極小から極大までスムーズにボリュームを弄れることが此程気楽とは! その上リモコンでも調整可能とか豪華過ぎじゃねコレ??
 更にノイズ。「はァ? そんなもんウチにゃねぇよ」と言わんばかりの静けさが良い。試しにIEMの個人的リファレンスであるWestone4RをIEM出力に挿してみたが、完全に背景真っ黒。まあW4Rは特別敏感なイヤフォンじゃないので参考にならんかもしれんが、説明書でIEM出力について書かれたトコ読むと、高感度で有名なCampfire AudioのANDROMEDAに触れてるくらいなので、恐らく問題は無かろうて。
 複数の出力(Line・Phones・IEM)を同時に使えるのも地味に有難い。特にPhonesとIEM。流石に音量調整はそれぞれ別に出来ないものの、比較試聴での挿し替えや、鳴らし込みを複数台行う際の手間を省けるので。こういうトコはやはり出力に余裕がある据え置き機ならではですな。
 そして今更だが――――すんごくコンパクト。HP-A3を横に二台並べたくらいの大きさしか無い。A4どころかB5ノートより小さいとかどういうことなの……それでいてこの音質とか、まさに「ドイツの技術力は世界一ィィィ!」と言うべきか。

 強いて難点を挙げるとすれば、元がプロフェッショナルユースの多機能な機器故に、弄れる設定項目が非常に多くその辺の把握がかなり大変なこと。操作はアレコレとカチカチやってる間にすんなり体得出来たが、流石に全設定項目の詳細を一つ一つしっかり把握するのは骨が折れそう。
 尤も、基本的にはUSB挿して電源入れてヘッドフォンやイヤフォン繋いで、プレイヤーで出力デバイスちゃんと定めた上で曲再生すればフツーに使えてしまうのだが。そこはHP-A3と同じである。

 fb2kを使う際の注意点として、ASIO出力用のコンポーネントは「foo_out_asio2」ではなくて「foo_out_asio」をオススメする。海外のフォーラムでアップされてる方ではなく、fb2k公式から落とせる旧い方である。
 当初、更新日時が新しいという理由でfoo_out_asio2を使っていたのだが、曲が切り替わる際にサンプリングレートが異なっていると、何故かノイズ混じりのスロー or 早回し再生と化す異変に遭遇し「え゛、初期不良!?」と滅茶苦茶焦らされた。DAC側の設定がおかしいのかと思って説明書片手に設定を色々と弄り回したものの、結局原因っぽいモノは見当たらず、では逆にこっち(PC側)か、と試しにfb2kの設定からfoo_out_asioを選択し直してみると、異変はすっかり治まってくれた。ほっ…
(……恐らく、foo_out_asio2もレイテンシー等の細かい設定をしっかり定めれば問題無いのだろうが、生憎とその辺詳しい知識無いのでパスした次第)


 現在、モバイルバッテリーを利用したトランスポータブル化を実行するべく、必要な物資を方々に発注して到着を待ちに入ってたり。……昨日今日届いて音出ししたばっかなのに最早ソレを試みるのはちと拙速じゃなぁい?、と我ながら思わないでもないが、余りの音の良さに「コレをトランスポータブルで何処でも使えたら面白いじゃん!? 面白いって絶対!!」と気が逸ってしまったと言うか…
 実際、ADI-2 DAC FSは持ち運びを全く考えられない程の体積・重量ではなく、むしろすっぽり収まる耐衝撃ケースの類でもあれば容易く旅行先へ持って行ける程度なのよなあ。だから人によってはトランスポータブルを真剣に考慮する価値、あるのではなかろーか。
 因みに自分は家の中でならやらないでもない。外は値段的に却下。こんな高価いもん外に持ち出すとか恐過ぎるわ!?(ぇ

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