2020/09/06

雑記

 のっけからで何だが。

 臨時収入でDT1990PRO、買 い ま し た 。


 …………まあ、尤もブツ自体は手元に無いんだけどね。発注掛けたのが代理店で「取り寄せ(※納期未定)」の時だったし。さていつ触れるのやら…
 その代わりと言ってはアレだが、税込50k以下で注文出来た。かなり底値に近い額だと思うので、思い切ってIYHしてしまったのである。臨時収入って恐い……(黒笑

 尚、臨時収入がそこそこの額だったため、DT1990PRO以外にも何か買ってやろうかしらんと画策したり逡巡したり。
 具体的に言うとDAP。「SHANLING M6 Pro」と「Cayin N3 Pro」。

 M6 Proは以前発売前にちょこっと取り上げたが、所謂流行りのAndroid DAPである。OSにAndroidを用いることでAmazon Music HDのようなサブスクリプション方式の音楽配信サービスをフルに楽しめるようになっている。
 一方N3 Proは独自OS(恐らくHiBy OSベース)を採用した一見普通のDAP。が、本機のユニークな点は「真空管」を載っけていること。それもNutubeのような最新式のものではなく、ビンテージものの真空管を積んでいるという変わり種。

 臨時収入的にはこの二つを纏めて買っても何とかなりはするが、流石にそれは幾ら何でも無駄使いし過ぎ、ということでどちらか一方に絞ろうと思っているのだが、コレが中々難しい。
 現状、N3 Proに少し気持ちが傾いているが、しかしM6 Proも捨て難く…

 そもそも、サブスクリプション方式の音楽配信サービスが果たして自分の音楽鑑賞に対するスタンスと合致しているか否か、と言う問題がありまして。
 元々「アニメ、ドラマ、ゲーム等で聞いた事のある楽曲」をメインに音楽を楽しんでいる身で、コレは裏を返せば「未経験の音楽への興味が薄い」コトに繋がる。別な切り口で表現すると「歌手や作曲者繋がりで音楽を開拓しない」のだ。我ながら「お、この歌イイねえ。同じ歌手の別の曲も聞いてみっか!」という心理にならないのである。
 サブスクは「音楽鑑賞に於ける興味の幅を常日頃からアップデートすることに貪欲」な人程オトクになっていくと思うので、故にその辺自分と致命的に合わないのではなかろうか、という懸念がどーしても拭えないのである。実際にAmazon Music HDをお試し価格払ってサービスを使用して、余計に強くそう感じてしまった。

 サブスクを使わなくても良いとなると、ぶっちゃけM6 Proを選ぶメリットは一気に薄くなる。むしろ真空管サウンドを体験出来るN3 Proの方が面白味が強かろう。
 ただ、M6 Proはサブスク抜きでも割と良い作りをしているっぽく、M6 Proでサブスクのフル活用が出来るようになったならソレはソレで結局そこそこ使い込むようになるのではないか、と思ったりもするわけで。
 う~む、悩ましい…

 他、N3 Proに惹かれる点として「真空管増幅は3.5mmシングルエンドでのみ有効」である事が挙げられる。N3 Proは4.4mmバランス接続に対応し最大で800mW/32ohmまで出力出来るのだが、こっちでは真空管が動作しないのだ。
 コレはむしろ、バランス接続対応機器を全く保有していない自分にとっては大変好都合で、新型DAPの導入に際してわざわざバランス接続用ケーブルを買いに走る手間が省ける。まあどの道4.4mmバランスケーブルは一本くらい買う羽目になるだろうが、それでもN3 Proの「真空管サウンド」というユニークさを享受する上でケーブルの買い増しを意識しなくても良いのは有難い限り。


 う~~~~~む、頭の中の葛藤を文章として出力すればする程、Cayin N3 Proが魅力的に思えて欲しくなってくると言うか…
 M6 Proの最大の強みである「サブスク(特にAmazon Music HD)完全対応」って部分が自分とミスマッチしてるとなると、N3 Proの真空管サウンドに俄然興味湧いちゃうのよなあ。

 ただ、ポータブルプレーヤーは今の所AP80で特に不満を感じてないのも事実であって。
 幾ら未だ体験したことがない真空管サウンドと言えども、その為に60kを出すのは中々ねえ…

 因みに最近の組み合わせは、

・Pocophone F1→(LDAC音質優先→)XD-05 Plus(with MUSES03*2+05BL Pro)→T60RP
・AP80→(iFI純正Type-C OTGケーブル→)xDSD→AZLA MK2

 …って感じ。
 まー最近の買い物をフル活用するとこういうカタチに落ち着かざるを得ないのよな。AZLA MK2はXD-05 Plus相手じゃ音量取れすぎるだろうし。

 一応、何だかんだ言って上流系は現状で概ね満たされてる感あるから、M6 ProにしろN3 Proにしろ、買うっつってももーちょい後の話かね。そもそも大本命であるDT1990PROが未だ届いてないしな…
 つーかむしろ上流に投資するより、密閉型オーバーヘッドのイイのを一つ探した方が良いまである。気が付けばオーバーヘッドは開放型ばっかになっちまったからねえ。


 ところで。
 そういやT60RPをxDSDに繋いで聞いたこと無かったなーと思い、T60RPを被ったまんまxDSDとXD-05 Plusを取っ替え引っ替えしてみたのだが、

「…………まさかxDSDでLEDが赤になる直前までボリューム捻る羽目になるとは」

 ……思った以上に出力の差を思い知る羽目になってちょっとびっくり。XD-05 Plusのゲイン小で1時~2時辺りと、xDSDの音量色が赤に変わる少し手前(90%前後)で大体同じ音量、と言えばXD-05 Plusの余裕が分かるだろうか。ひぇぇ…
 当初、T60RPをxDSDに挿してAZLA MK2使ってる時の音量でそのまま鳴らし始めたら音が小さいのなんのって。やっぱりT60RPって鳴らしにくい類の機種なんだなあと実感させられた。

 尚、音色の違いに関しては以前と同じ感想。xDSDはボーカル辺り(中域)がフォーカスされ、XD-05 Plus(with MUSES03*2)は背景の音(高域と低域)が明確。解像感や分離感という点では後者に分があるものの、前者は前者で音楽のオイシイ部分を集中的に楽しめるんで存外悪くない。何よりイヤフォンを丁度良い音量で鳴らしやすいからXD-05 Plusとは使い分けが利く。バッテリー少ないから充電頻度高めなのは玉に瑕だが。



※以下から追記[200912]:

 今度はAZLA MK2をXD-05 Plus(with MUSES03*2)で鳴らしてみた。
 ので、簡単にレポ。

 先ずは無音時のノイズについてだが、…………ぶっちゃけxDSDよりも小さいってどういうことなん????(困惑
 ゲイン小ならボリュームを最大付近まで捻ってようやく「ジーッ…」というノイズ音が若干聞こえる程度。個人的には無視出来るレベルだった。あれまあ…

 その代わり音量の取れ方はかなり極端。
 スイッチを入れただけで全くボリュームノブを捻っていない状態でも、再生中の曲の音が若干、僅か透けて漏れるように聞こえている。んで、ノブを九時辺りまで捻ると次第に右側から本格的に音が聞こえ始める。
 ……と、思ったのも束の間。十時に達するくらいでいきなりワッと音が大きくなってびっくりさせられる。ついでにギャングエラーが解消されるのもこの辺だったり。
 但しのっけから爆音化するワケではなく、AZLA MK2の場合はマトモなリスニング音量に達する辺りで丁度ギャングエラーも無くなる、って塩梅。

 纏めると「別にIEMでも使えない事は無い」。
 確かに音量の取れ方は少々アレだが、案の定xDSDよりクリアで鮮度の良い鳴り方をしてくれるから聞いていて面白い。スッキリしているが軽くはなく、高域から低域までハキハキ鳴らしてくれるのが好印象。やっぱ音色としてはこっちの方が好みかねえ。
 ……………………xDSDの存在価値、危うくなぁい?(遠目


 尚、上述した臨時収入によるDT1990PROに続く買い物、現在はちと方針を転換中。DAPではなく――――据え置き用機器を買ってしまおうかと画策していたり。
 具体的に言うと、独RMEのヘッドフォンアンプ兼D/Aコンバーター「ADI-2 DAC FS」。お値段、実に128k。…………N3 Proの二倍くらいありませんかねえ…………(しろめ

 と言うのも、

<SHANLING M6 Pro>
・そもそもサブスクが自分のリスニングスタイルに合っていない
・Android DAPはOSにAndroidを使ってるのもあって未だ発展途上な気がする

<Cayin N3 Pro>
・ついった等で反応を見ていると今の所UIがイマイチっぽい
・真空管の寿命は30000~50000時間とのことだが、やはり不安

 ……こういう懸念がありまして。

 また、現在愛用中のXD-05 PlusはPHPAとしてはかなりの出力を持っているものの、やはりあくまでも「ポータブル」機器である。現状、トランスポータブルな環境を更に追加する必要が薄いと言うなら、むしろ据え置き環境に投資した方がマシなのではないか、と思った次第。

 ADI-2 DAC FSに注目した理由は以下の通り。

・RMEはプロ用のDA/AD機器を製造しているメーカーであり、フラットでニュートラルな鳴りを期待出来る
・PCM768/DSD256まで対応し、アンバランスのフォンアウトで最大1.5Wの出力という高スペック
・6.3mm以外にIEM(要はイヤフォン)用の3.5mm端子を用意してあり、低能率ヘッドフォンから高感度イヤフォンまで幅広く対応している
・ヘッドフォン用のバランス出力を省いた潔さ

 特に規格乱立著しいヘッドフォン用バランス出力を思い切って省略し、代わりにしっかり出力を調整したIEM用端子を載っけた辺りは構成が上手いな、と。
 製品の解説読むと兎に角ノイズやジッターの排除に腐心していることがよく分かるので、コレならバランス出力なんぞ無くとも十分良い音だろうと思ったのである。

 ただ一つ気になるのは、

・デジタルボリュームを採用する都合上、フォンアウトではDSDネイティブ再生に対応していない

 ……コレがかなりのネック。

 背面のバランス(XLR*2)/アンバランス(RCA)ライン出力ではDSDネイティブ再生可能なのだが、正面の6.3mm/3.5mmフォンアウトではDSDネイティブではなくPCM変換で再生してしまうらしい。
 前身であるADI-2 Proの解説を読むに、DSDネイティブ再生とデジタルボリュームによる音量調整は両立しないようで、ADI-2 DAC FSをヘッドフォンアンプとして使用する限り、DSDネイティブ再生は出来ないっぽい。コレは何とも痛い。

 その後自分でDSDのPCM変換やデジタルボリュームについて調べたが、…………正直、調べれば調べただけ「フォンアウトではDSDネイティブ再生不可」をどう捉えるべきか迷う羽目になっていたり。
 海外レビューでは「DSDをPCM変換して再生したが、音質が良いことに変わりはない」とあり、基本的に「フォンアウトではDSDネイティブ再生不可」という点を気にしている声が国内外共に少ないのだ。
 そもそもADI-2 DAC FSは出自や設計思想からして「D/Aコンバーター」であり、オーディオ機器としての「ヘッドフォンアンプ」とは趣の異なる代物である。それはボリュームにデジタルボリュームを採用していることからも明らかだろう。それこそ後者であればアナログボリュームを採用するはずである。
 しかし、此程「ヘッドフォンアンプとして」高評価を受けている製品が、「デジタルボリュームではビット落ちが云々~」という余りにも分かりやすい欠点を全く考慮していないとも思えない。更に超低ノイズ出力のIEM用端子を搭載するという強みもあり、「DSDネイティブ再生の可不可」だけで製品の是非を決めてしまうのは余りに勿体無いと言うか…

 丁度現在、Stay Homeキャンペーンということで本来なら160kオーバーするはずのモノが130k弱で買えるので、出来ればキャンペーンが有効な年内に結論を出してしまいたいところだが……悩ましいのぅ…………(懊悩

(※補足追記[200913]:
 RMEの日本代理店(シンタックスジャパン)ではなく本国の公式HPからADI-2 DACのマニュアル(英語)を見ることが出来たので、DSDの扱いやデジタルボリュームについて書かれている部分をじっくり読み込んでみた。
 どうやら、RMEはデジタルボリュームの採用に絶対の自信がある御様子。特に歪みやノイズを徹底的に抑えるにはデジタルボリュームの方がポテンショメータを利用したアナログボリュームより優れている、って考えっぽい。また、アナログ抵抗をデジタル制御するタイプのボリューム(xDSDみたいなタイプ?)も、やはり歪みやダイナミクスの点でデジタルボリューム程のモノにはならない、だそうな。
 他、ギャングエラーやクロストーク、最適な音量の設定範囲等、色々なトコでデジタルボリュームにするメリットが勝っている、というのがRMEの見解っぽい。

 ……んで、一通り解説を読み込んで、改めて決めた。
 DT1990PROに続く買い物はADI-2 DAC FSにしよう、と。

 高級HPA/DAC複合機の中にはADI-2 DAC FSの1500mW/32ohmよりも格段に出力高い機種もあるが、個人的にはADI-2 DAC FSの「D/Aコンバーター」としての設計思想にちょいと惹かれるものを感じた。デジタルボリュームによる、ノイズや歪み、クロストーク等の徹底排除、って辺りとか特に。
 また、低能率オーバーヘッドから高感度IEMまで幅広くそのメリットを享受出来るというのは、パーソナルリスニングを嗜んでいる者としては大変有難い。プロ用機器譲りのフラットでニュートラルな音なら尚更である。
 更に、…………コレは裏技っぽい手法(と言っても実は取説で推奨されている)だが、12Vの出力があればモバイルバッテリーでも駆動できるらしい。つまり――――何とこのクラスの製品でトランスポータブルが可能なのである! マジかよ! 嘘やろ!?(歓喜
 幸い、上述した通り2021年1月末迄であればStay Homeキャンペーンで平時よりかなり値打ちになっている(本来なら160kクラスの製品である)ので、DSDネイティブ再生や駆動力不足が気になってしまうなら浮いた分でいっそ単体アンプを買い足すという選択も取り得る。実はDropのTHX AAA 789アンプとかやたら安くて良さそうだなーとか思ってたり。アレめっちゃ出力高いしバランス対応してるし。評判も良いしね。

 そんなこんなで、在庫が復活したらどっかで注文してやろうと画策中。
 当初よりも出費がむっちゃ増えてる気がするが気にしない。…………気にしたら負けである。(震声))

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