つい先日、密林でケーブルを一つ買った。
エレコムのUSB-C to C USB2.0ケーブルである。
以前、PocophoneとXD-05 Plusの有線接続用にOTGケーブルを探して、アイネックスの「U20CC-LL01T」という両端Type-Cのホストケーブルを買った。しかしPocophoneどころかAP80でも使えないという結果に終わり、それ以降もケーブルを探す中で、一つの可能性に期待したのだ。
つまり――「USB-IF認証済」であるかどうか。
USB-OTG規格それ自体、USB-IFが定めたものであることから、USB-IF認証が取れていればOTG規格もクリアしているのではないか、という考えに至ったのである。
上記したエレコムの両端Type-CケーブルはUSB-IF認証をパスしており、密林を見ると、一つ前の型番だが「スマホとFiiOのBTR5を繋ぐことに成功した」というレビューがあったので、コレならイケる!、と思った次第。
さて結果は――――――――ダメでした。_| ̄|○ il||li
やっぱダメだった。PocophoneもAP80もXD-05 Plusを全く認識せず、ものの試しとDACモードにしたAP80とPocophoneを繋いでもみたがうんともすんとも言わない。
じゃあもういっそLT-TC1買い足すか某店ならポイント値引きでタダに出来るし……、と一瞬ヤケになりかけた所で、xDSDとAP80のペア――厳密に言えば、その二つを結んでいるCオス-AメスのOTGケーブルが目に入った。
「…………よく考えたら、所謂典型的なOTGケーブルの使い方って、
『スマホ(ホスト端末)→OTGケーブル(C/microオス-Aメス)→USBケーブル(Aオス-C/microオス)→クライアント端末』
――って感じだよな?」
自分はこれまでケーブル一本による直結をずっと試行していたので、「OTGケーブルを噛ませてUSBケーブルの延長ないしは端子変換を行う」という、「リピーターケーブル」的な運用は試したことがなかった。
だが、iPhoneなんかはUSB-DACを繋ぐ際に「Lightning - USBカメラアダプタ(※所謂「カメラコネクションキット」)」を挟むのが割とフツーだったはず。実用性は兎も角、少なくともコレで相性というか、動作検証的な事は出来るんじゃないか?、と思ったのだ。
幸い、その為に必要なケーブル類は一通り揃っている。
そんなワケで、PocophoneとPHPAの接続試験を、ちょいと一捻りしてやってみた。
<Pocophone to XD-05 Plus>
・ホスト:Pocophone F1
・OTGケーブル:Cオス-Aメス、USB2.0(※AudioQuest DragonTail)
・USBケーブル:Aオス-Cオス、USB3.1(Gen2)対応、USB-IF認証済
・クライアント:XD-05 Plus
・結果:
XD-05 Plusをしっかり認識。UAPPでDSD5.6MHzのネイティブ再生に成功。
<Pocophone to xDSD>
・ホスト:Pocophone F1
・OTGケーブル:Cオス-Aメス、USB3.0(※iFI純正OTGケーブル)
・USBケーブル:Aオス-Aメス、USB3.0延長ケーブル
・クライアント:xDSD
・結果:
xDSDを認識するものの、UAPPでは一切音が出ない。PCMもダメ。尚、画面上に於いてDSD5.6MHzは88.2kHzへダウンコンバートされていた。
一方、NeutronはPCMであれば音が出ており、96kHz/24bitまでダウンコンバートされずに再生を確認した。DSDは少なくとも画面上に於いてダウンコンバートされた様子は無かったものの、音が出なかった。
……と、まあ概ねこんな感じ。
大事なのは、XD-05 PlusもxDSDも、USBケーブルを用いてデスクトップPCに繋ぐと十全に機能を発揮出来るというコト。その点を踏まえると、やはりPocophoneとxDSDは相性がかなり悪いと言わざるを得ない。
また、OTGケーブルは「方向性」がかなり重要な気がする。
ケーブルを探していた時に、OTG規格そのものの技術的な解説を幾つか見付けて目を通したのだが、両端Type-CのケーブルでOTGを実装する場合は回路設計?がややこしいっぽい。両端がそれぞれ異なる端子であれば、一方をホスト用、もう一方をクライアント用に割り当てて「方向性」を与えてしまうとシンプルなのだが、両端が同端子ではそうもいかず、チップセット等によるホストとクライアントの識別処理が必要になるらしい。
FiiOのLT-TC1が良い例だが、アレはケーブルに方向性を与えているおかげで「Pocophone - XD-05 Plus」の接続がしっかり成立出来る。その点、前述の「U20CC-LL01T」やエレコムのケーブルは方向性が無い故に接続が上手く行かなかったのではないか?、と。
尤もソレならソレで、
「じゃあXD-05 Plusに付属する両端Type-CかつL字端子のOTGケーブルで、どちらの端子を繋いでも接続が成立する(=方向性が無い)のは何でなんや????」
……という疑問が出てくるのだが。まあコレは当のメーカーなら製品に最適なケーブルの仕様を知ってて当然だし、そもそも付属品が全く使えなかったらマジで洒落にならんけど…
その辺、情報機器の回路設計に詳しい人なら付属ケーブルの端子の殻割って解析すりゃ詳細分かるんかなあ。誰か人柱オナシャス!
Cオス-AメスのOTGケーブルはCオスにホスト、Aメスにクライアントを割り当てているのだろうが、先の接続試験を鑑みるに、Aメス端子にUSBケーブルを挿して延長したり端子変換しても、Aメス側のクライアント属性が消えたりはしないっぽい? 或いは、そもそもAオス端子が付いてるUSBケーブルの場合、そっち側が基本的にホストとして認識されるのだろうか? 正直、技術的な詳細は全く分からんのでどう表現すりゃいいか分からん…
取り敢えず言えるのは、
・OTG対応を謳ってないとXD-05 PlusとPocophoneの接続は出来ない
(→エレコムのケーブル)
・OTG対応を謳っててもケーブルの仕様如何ではやっぱり出来ない
(→U20CC-LL01T)
・OTGは方向性が大事っぽいが、それも結局はケーブルの仕様次第?
(→XD-05 Plus付属ケーブル)
・xDSDはPocophoneと相性悪い
……この四点くらいか。
チクショウ何も分かってないようなもんじゃねえか!(頭痛
因みにOTG規格の技術的な詳細が書かれてたのはこれらのページ。
特に最初んトコは大変興味深い内容だった。
ttps://lab.fujiele.co.jp/articles/9418/
ttps://www.uquest.co.jp/embedded/3minutes/3otg.html
いやはや、コンピューターってのは奥が深いねえ……(遠目
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